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社団法人デジタルラジオ推進協会(DRP)は25日、地上デジタルラジオの本放送開始の遅れに関する一連の報道を受け、今後の取り組みを明らかにするとともに、「デジタルラジオのユーザーに対し、その期待を裏切ることがないよう邁進してまいります」とのコメントを発表した。 既報の通り、デジタルラジオは当初2011年に本放送開始を予定していたが、早期開始を求める声がラジオ局などから高まり、先行普及時期として本放送開始を2006年後半に前倒しする計画を発表。しかし、総務省の方針の変化などにより、2006年後半の本放送開始は絶望的な状況になっている。 これに対してDRPは、「2006年末から2007年にかけて、受信機の発売が期待される」と説明。「より充実したサービスを目指し、様々な取り組みを行なっていく」という。 その柱として、現在東京で行なっている実用化試験放送の増力を準備。9月17日の深夜には出力を引き上げるための実験・調査を既に行なったという。 また、受信機が市販された際「一般リスナーの期待に十分応えられるような、より強力なコンテンツの編成・制作を目指して作業を行なう」。さらに、「デジタル放送ならではの更なる新しいサービスを提供できるよう具体的な作業に入った」としている。
■ KDDIがデジタルラジオ対応の携帯電話をCEATECで展示 これに関連した動きとして、KDDIは同25日に、デジタルラジオが受信できる携帯電話を2006年度中の商品化を目指し、開発していることを発表。10月3日から開催される「CEATEC JAPAN 2006」において、試作機の展示を行なうことも明らかにした。 デジタルラジオはワンセグの地上デジタル放送に近い技術を利用しているため、単体チューナだけでなく、携帯電話に受信機能を組み込むことも想定。ワンセグとデジタルラジオの両方を受信できる携帯電話を、デジタルラジオ普及への足がかりとなる本命と位置付けている。そのため、KDDIの開発発表はデジタルラジオにとっての大きな追い風になる可能性がある。 また、エスケイネットでは、9月27日に開催される「Intel Embedded Showcase2006」において、「地上デジタル ワンセグおよびデジタルラジオ放送受信機の開発事例」というテーマで、出展と講演を行なうことを発表。
「Intel Embedded Showcase2006」は東京・秋葉原コンベンションホールで行なわれるイベントで、当日はエスケイネット技術部の横山之彦部長と、デジタルプロダクト推進室の田野勉氏が登壇。ゲストスピーカーとしてTBSラジオ&コミュニケーションズのデジタル推進局デジタル推進部の塩山雅昭氏も参加し、受信機の開発事例やデジタルラジオの最新状況を説明するという。
□デジタルラジオ推進協会のホームページ
(2006年9月25日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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