◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
CEATEC JAPAN 2006【ディスプレイ編】
2007年製品化に向け55型フルHD SEDが初公開
-パイオニアは高コントラストPDPを展示


初公開された55型SED

期間:10月3日~7日

会場:幕張メッセ

入場料:一般1,000円、学生500円


 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2006」が3日、幕張メッセで開幕した。ディスプレイ関連ではSEDの55型フルHD試作機が登場したほか、パイオニアの超高コントラストプラズマパネルなどが出展されている。

 ここでは、ディスプレイ関連のトピックを中心にレポートする。追って、西川善司氏による詳報の掲載も予定している。


■ 2007年の製品化に向け55型フルHD SEDが初公開

55型SED

 今回のディスプレイ関連の最大のトピックは「55型フルHD SED」の公開。1,920×1,080ドットのフルHD解像度を実現した55型のディスプレイ。SEDは、2007年夏の平塚工場稼働、2008年内の本格量産を目指しているが、55型/フルHDパネルがその第1弾となる予定。

 従来のSEDは36型WXGA(1,280×768ドット)パネルの試作機のデモを行なっていたが、初めて量産モデルと同サイズ/同解像度のパネルを利用した試作機がお披露目された。同試作機は、東芝のテレビ開発部門と協力し、実際の製品試作ラインで作られたという。2007年末に向けて、いよいよ本格的な立ち上げに向けてSEDが動き出した。

 ドットピッチを維持したまま解像度が向上しており、ピーク輝度は450cd/m2、暗所コントラストは5万:1、動画応答性は1ms以下。製造プロセスの改善により、同性能を実現しているという。


ブース内は3台の55型SEDを展示

 東芝のSED開発・事業推進プロジェクトチーム 事業企画担当 参事の森慶一郎氏は、「昨年までは研究開発段階だったが、今回は製品化を前提に、製品を作るラインで試作している。輝度などのスペックよりも、実際の画質を確認してほしい」と訴える。精細感や迫力、立体感、色のリアリティなど、「臨場感の再現」をSEDの開発、目指す画質の中心に据え「徹底的に画質にこだわる」と語る。SEDブースでは10分強のデモ中に、動画解像度やコントラスト性能などをアピールするデモを設け、「とにかく画質をきちんと確認してもらえるように、素通りできないブース構成とした」という。

 また、今回の試作機では既存の東芝製テレビの映像エンジンを改良して利用している段階で「本当のSED画質はまだ誰も見ていない。製品化に向けてSEDに最適化し、さらなる画質の向上を目指す」とした。

 サイズ展開については、「とにかく55型をきちんと立ち上げる必要がある」とし、少なくとも2008年の本格量産までは55型に絞ってSEDの立ち上げを行なう。「SEDは全く新しいディスプレイ。まずは55型をきちんと作れることを示す必要がある」。

 また、価格面については、「ベンツもあればカローラもある、そういう市場にAVの世界もなって欲しい。とにかく最初はこの“画質”を“本当に必要な人に届けたい”」というにとどまった。


■ パイオニアはコントラスト20,000:1のPDP

 パイオニアブースでは、実コントラスト比20,000:1以上という、プラズマパネルの新技術のデモが行なわれている。

1,000:1のディスプレイ(右)と比較。低輝度時の色再現を改善

 60型/1,920×1,080ドットのプラズマパネルで、「現在の計測できる限界のコントラスト20.000:1以上を実現した」という。また、暗部の沈み込みが高コントラスト化技術により大幅改善したことで、低輝度時の色域も大幅に拡大、「現在のパイオニア製プラズマテレビの約1.5倍、液晶テレビの約2倍の色域表現が可能」という。

 技術の詳細については、明らかにしていないが、「今後、製品化に向けて開発を進めていく。2008年夏の北京五輪までの製品化を目指している」とした。

 また、「スーパーハイビジョンを実現可能」という高精細プラズマディスプレイ技術も開発。展示パネルは対角18インチで1,150×540ドットと超高精細化。「7,680×4,320ドットのスーパーハイビジョンの実現を目標」としており、現在の画素ピッチではデジタルシネマ向けの4K(4,096×2,160ドット)を約64型で実現可能という。

 現行の50型/1,366×768ドットパネル採用「PDP-507HX」と比較して約20%まで、画素を小型化して、画素ピッチは約0.36mm。実現時期は未定で、現時点では研究開発段階だが、高精細化を進めることで、より高品位な映像表示ディスプレイとしてプラズマを位置づけていく。


スーパーハイビジョン向けのPDP超高精細技術


■ シャープ、4Kデジタルシネマ対応液晶を出展

AQUOSを前面に展示するシャープブース

 シャープブースでは、亀山工場の紹介ブースなどAQOUSシリーズを中心に展開。

 4Kデジタルシネマの表示が可能は64V型4K液晶パネルを出展している。DCIの定める4K仕様(4,096×2,160ドット)の解像度を持つ、超高精細液晶。64型で884万画素を実現。近づいてみても、ほとんど画素が確認できないほど高精細だ。

 高精細化のため、透過率が下がることからバックライトを強化。そのため、若干の黒浮きが感じられるものの、コントラストは2,000:1、輝度は500ルーメンを実現。製品化の時期については、コンテンツが現在は無いこともあり、「用途を含め、今後検討していきたい」としている。


64型4K液晶 接写しても画素がほとんど見えない

 また、37型メガコントラスト液晶の比較デモを行なっているほか、120Hz倍速駆動の37型フルHD液晶モジュールなども出展している。

完全暗室ではないが、コントラスト比100万:1の37型のメガコントラスト液晶も出展 37型のフルHD倍速駆動液晶モジュールも出展。応答速度を大幅改善する


■ ビクターはフルHD高速応答液晶や「壁ピタ」リアプロ

 ビクターは、先日発表した薄型の「壁ピタ」リアプロジェクションテレビや、110型リアプロジェクションテレビを出展。同社のD-ILAリアプロテレビ(MDDP)技術の最新動向をアピールしている。

110型D-ILAリアプロを国内展示会で初公開。左下が32型液晶テレビ 薄型リアプロテレビも訴求

37型フルHD液晶テレビでも高速液晶ドライバーを搭載

 また、同社の液晶テレビ「EXE」では、1秒間60フレームで構成されている映像に対し、独自の「高精度動き補間アルゴリズム」により、2倍の120フレームで映像を表示する「高速液晶ドライバー」を37型「LT-37LC85」などで採用している。

 しかし、フルHD解像度での120Hz駆動については、放熱などの問題からパネルやドライバICの対応が間に合っておらず、製品化はされていない。今回同社では初めて1,920×1,080ドットのフルHDパネルでの120Hz駆動/フレーム補完を行なう37型液晶を出展している。製品化の時期については2007年度を見込んでいる。



■ その他

VIERAを最前面でアピールするパナソニックブース 日立もWoooを訴求 Blu-rayとBRAVIAをアピールするソニーブース

□CEATEC JAPAN 2006のホームページ
http://www.ceatec.com/2006/ja/visitor/
□関連記事
【2005年5月27日】20年後の本放送開始を目指す「スーパーハイビジョン」
NHK技研公開 2005で研究報告を実施
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050527/nhk2.htm

( 2006年10月3日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.