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ソニーの「ブルーレイレコーダ」試作機を検証
-使用感は「スゴ録」そのままにBD録画対応


12月8日発売

標準価格:オープンプライス


 12月8日に、ソニーの新Blu-rayレコーダ「BDZ-V9」が発売される。同社が従来よりデジタルレコーダで展開してきた「スゴ録」ブランドでなく、「ブルーレイレコーダ」と直球のネーミングで2モデルを用意。年末商戦のレコーダの目玉として展開する。

 12月15日に発売される下位モデル「BDZ-V7」に比べ、HDDを500GBに増強(BDZ-V7は250GB)。HDMIの1080p出力対応や、高音質回路の内蔵など、ソニーのフラッグシップレコーダというべき意欲的な製品となっている。

 残念ながら2層BD-R/REへの録画や再生はできないが、BDビデオソフトの再生に対応。HDコンテンツの中心となる機器として「ブルーレイレコーダ」への期待は高い。年内に発売される松下電器の「DIGA DMR-BW200/BW100」とともに注目されるが、ブルーレイDIGAに比べて、BDZ-V9は、HDV対応などパーソナルコンテンツの記録/保存に注力しているあたりが特徴といえる。

 今回、「BDZ-V9」の試作機を借りることができたので、簡単に紹介する。なお、試作機のため、ダビングなど一部機能に制限があるほか、画質や音質も製品版とは異なるため、画質や詳細な機能評価については、製品版が届き次第、改めてレビューを予定している。


■ 見る角度により印象の異なるユニークなデザイン

BDZ-V9

 ボディデザインは一見スクエアで特徴が少なく感じるが、前面にブルーのパネルを配したデザインが「ブルーレイレコーダ」を強くアピールしている。

 前面には薄いブルーのブルー蒸着ガラスパネルを配しており、ドライブの操作時やi.LINK接続時にはこのパネル部が下に移動する仕組みになっている。この前面パネルは外光を反射して青く光るため、斜めから見たり、遠くから見ると強い青に見える。しかし、真正面や近い距離から見ると少し色がついたクリアなパネルとなり、奥が透けて見える。見る角度によって印象の異なるユニークなデザインだ。

 パネルの裏側には、本体向かって左側にディスプレイを備えており、再生時間や選択中のメディアなどがパネル越しに確認できる。

 天板のアルミのヘアライン仕上げなど、高級感ある本体仕上げは、さすがは30万円の製品といったところ。外形寸法は430×365×105.7mm(幅×奥行き×高さ)と従来の「スゴ録」よりやや高さがある程度だが、重量は約9.6kgと最近のレコーダ製品としてはかなり重い。


本体前面。パネルを通してディスプレイ表示を確認できる トレーの開閉や本体操作時には前面パネルを開く。パネル部はみる角度によりブルーの濃さの見え方が異なり面白い トレー部
側面 前面に操作ボタンを装備する HDV入力なども備えている

背面。デジタルチューナやHDMI出力を装備。大型のファンを2基内蔵する

 すでに展示会場などで何度も本体を見ていたものの、実際に持ってみると驚くほどのボリューム感。BD録画/再生機能以外に、機能的にはかなり似ているスゴ録最上位モデル「RDZ-D900A」でも5.5kgなので、その程度の重量を想定していると驚くだろう。電車で持ち帰るにはかなり厳しい重量だ。

 なお、下位モデルも「BDZ-V7」は7.9kg。BDZ-V9ではHDD容量を強化しているほか、高音質パーツなども採用しているので、このあたりの差が重量に現れていると思われる。ボディの脚部もがっしりとしたインシュレータを備えているなど、高級AV機器らしい仕上がりだ。

 前面パネルを開くと、向かって左側に再生や録画などの操作ボタンを装備。右側にi.LINK(DV/HDV)と、S映像/AV入力、USB端子などを備えている。また、左上部には電源ボタン右上部にはフロントパネル用のUP/DOWNボタン、トレー開閉用のOPEN/CLOSEボタンを装備。

 背面には出力端子のほか、2つの大型のファンを備えている。消費電力は79Wと最近のレコーダとしてはやや多いが、試作機でもファンノイズはさほど大きくなかった。ラック収納などしていれば、ほとんどファンノイズを意識することなく利用できるだろう。

 チューナは、地上デジタル/アナログ用のアンテナ入出力と、BS/110度CSデジタル用のアンテナ入出力を装備。デジタルチューナはいずれもダブルチューナ構成となっている。

 出力端子は1080p出力対応のHDMI×1のほか、コンポーネント×1、D4×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声×2、光デジタル×1、同軸デジタル×1。背面側の入力端子はS映像×2、コンポジット×2、アナログ音声×2。

 各端子部は金メッキ処理が施されているほか、BDZ-V9では専用のコンデンサを採用したオーディオボードも内蔵している。リモコンはDVDレコーダなどの機器も操作できる「ジョイスティック搭載マルチリモコン」が付属する。

本体上部にパネル開閉ボタンなどを装備する リモコン


■ スゴ録とほぼ共通の操作画面

起動画面

 起動してみると従来のデジタル放送対応スゴ録シリーズとさほど大きく印象は変わらない。インターフェイスもスゴ録と同様のXMB(クロスメディアバー)だ。ただし、設定画面に[BD/DVD設定]が用意されているほか、HDMIの音声出力設定などでBD対応が図られている。とはいえ、スゴ録のユーザーであれば戸惑うことなく操作が可能だろう。

 番組表はスゴ録シリーズを踏襲した最大4ch表示の独自スタイル。アナログ放送はGガイドが用意されている。また、ジャンルや番組名からの高速検索機能も同様に備えており、高速な番組検索が行なえる。


ナビゲーションはXMB デジタル放送の番組表 番組検索機能は高速な検索が可能に

 録画機能もスゴ録シリーズと共通だが、新たにダブルチューナ対応したことで、重複時間帯の録画が可能となった。同時録画を行なう場合は「録画1」と「録画2」の2つのチューナを選択する必要がある。録画1はストリーム録画に加え、SD解像度での録画も行なえるが、録画2はデジタル放送のストリーム録画(DRモード)のみに限られる。

 また、予約時にはHDD/DVDに加え、BDも選択可能となっている。ここでBDを選択するとBD-R/REへの直接記録が行なえる。また、放送をそのまま記録する「DRモード」のほか、SD解像度に変換するモードはとしてDR/XR/SR/LR/ERの各モードを搭載する。

 今回はテストできなかったが、新しいSD記録モードはHDD録画時もBDフォーマットに最適化するため、BDへの高速ダビングが行なえる。なお、DVDへ直接記録を行なう場合は、従来のXP/SP/LP/EPモードを利用する。

BDへの直接録画が可能 XR/SR/LRなどBDに最適化したSD記録モードを備える

 BD-REディスクを入れたところ、初期化を実行。後は録画予約から、録画完了後の扱いまで、HDD録画時とほとんど変わらない。今回は、ディスクへの直接記録のみで、HDDからのムーブなどの機能は試せなかったが、HD記録できるディスクメディアは多くの人が望んでいたものだろう。

 また、BD-REディスクの編集機能も備えており、部分消去やチャプタ編集、タイトル分割などが行なえる。

BD-REへの録画や再生に対応 A-B消去やチャプタ編集が可能となる 自動的にチャプタマークを付与する機能も備えている



■ 殻付きBD-REの再生も可能。機能的には「スゴ録」最上位モデル

カートリッジ付きのBD-REディスクも再生可能

 再生機能については、BDビデオディスクや録画したBD-R/REの自己再生に加え、BDZ-77などで録画した旧世代のカートリッジ付きBD-REメディア(Ver.1.0)にも対応する。実際にBD-RE Ver.1.0ディスクを入れてみたところ特に問題なく再生できた。

 また、Blu-ray対応にあたり、プレーヤー設定画面もDVDだけでなく[BD/DVD設定]が用意される。HDMI出力や音声出力の設定画面なども拡張されており、スゴ録から進化を遂げていることが確認できる。


出力解像度設定 DTS出力設定 24bit/96kHz PCM出力が可能

おでかけ転送画面

 スゴ録「RDZ-D900A」で搭載した「おでかけ・おかえり転送」も備えており、PSPとの連携も可能となっている。

 HDVの取り込みや編集機能も備えているほか、取り込んだ静止画画像から、音楽付きスライドショーを作成してBD/DVD化する「x-Pict Story HD」なども装備。機能的には従来のスゴ録の最上位バージョンといえる充実ぶりだ。

 詳細なレビューは後日掲載予定だが、年末から2007年にかけ、HD DVDとともに、ディスクメディアへのハイビジョン録画が本格的に立ち上がりそうだ。同時期にBlu-rayビデオのパッケージソフト市場もスタートする。ディスクへのHD録画の普及牽引役として「ブルーレイレコーダ」に期待したい。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/BD/product/
□関連記事
【10月26日】【RT】目指したのは「Blu-ray」に特化したレコーダ
-ソニー商品企画担当者が語る「BDZ-V9/V7」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061026/rt015.htm
【10月3日】ソニー、Wチューナ/500GB HDD搭載のBlu-rayレコーダ
-BDビデオ再生対応。上位モデル30万円。250GBは25万円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061003/sony1.htm

( 2006年10月31日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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