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CinemaNow Japan株式会社は、同社の運営する動画配信サービス「CinemaNow」にて、WMVフォーマットによるポータブルプレーヤー向け映像ダウンロード販売サービスを11月1日より開始する。価格は1本525円だが、2007年1月まではキャンペーンとして、420円で提供する。 第1弾としてアイドルビデオ約240本を用意し、11月中には合計370本がダウンロード可能になる。ダウンロード購入したコンテンツは、WM DRMによる著作権保護がかけられており、ポータブルデバイスと3回まで同期が行なえる。 映像フォーマットはWMVで、ビットレートは約700kbps。対応機器は東芝製ポータブルメディアプレーヤー「gigabeat S30/60V/V30T」、クリエイティブメディアの「ZEN VISION:M/ZEN VISION W/ZEN VISION」、ウィルコムのキーボード付きPHS端末「W-ZERO3/W-ZERO3[es]」などのWMV再生対応機器。 2007年には、アニメや映画などのコンテンツも提供していきたいとしている。
CinemaNow Japanは、2005年4月からサービスを開始している映像配信事業者。これまで行なっていたサービスは、PPV(ペイ・パー・ビュー)方式や、月額固定の見放題サービスなどのダウンロード型映像配信サービス。 これらの既存サービスについても、新たにサイトをリニューアル。価格設定やプランを見直したほか、無料で視聴が行なえるショートフィルム作品の提供を開始。映画についてもソニー・ピクチャーズ作品の配信を開始し、映画配信コンテンツ数を年間約400本に増強した。 映画DVDの情報や購入サイトへのリンク、各作品に対して、登録した会員がコメントを追加可能にするなど、映画カタログのように幅広く利用できるようになったという。
同社では従来からのサービスを「ダウンロードレンタルモデル」、新たに開始したポータブル機器向けダウンロード販売や、12月より開始するPC向けの高解像度版ダウンロード販売を「セルモデル」として位置付けている。 レンタルモデルではダウンロードしたPCでしか再生が行なえないほか、視聴期間などの制限があるのに対して、セルモデルでは、視聴期間制限はなく、コンテンツのコピーも、回数制限を設けた上で可能になっている。 ポータブル機器向けダウンロード販売では、3回までの同期が可能なほか、PC向けでは、ダウンロードしたPCを含めて合計3回までライセンス発行が行なわれるため、「PCを買い換えて、コンテンツが移動した場合などでも、引き続き購入コンテンツの視聴が行なえる」としている。 PC向けダウンロード販売で提供されるコンテンツは、1.5~3Mbpsに高ビットレート化しての提供を検討。価格については未定だが、「ポータブル機器向けコンテンツよりは高額になる。ビットレートの違いなどで価格を設定していく」とする。
また、市販のDVDと同等の内容のコンテンツをダウンロードし、DVDビデオとしてメディアに記録して、通常のDVDプレーヤーなどで利用できる「Burn To DVD」サービスも、2007年春に開始予定。開始当初はアートポートのコンテンツの販売を計画している。 価格などについては未定だが、「市販のDVDビデオよりは安いが、それに近い価格にはなる予定」(同社)。米CinemaNowでは7月よりすでにサービスを開始しており、125作品を提供中で、国内で開始するサービスでも、同等のシステムを利用する予定としている。
■ 「ポータブルプレーヤーとアイドルビデオは相性がいい」 発表会では、CinemaNow Japanの間宮義文社長が、ダウンロード販売についての説明を行なった。
「第1弾として、アイドルビデオを選択したのは、ポータブルプレーヤー向けという限られた利用者向けの提供で、実際どれくらいの引き合いがあるのか、ダウンロード販売の実際の様子を見てみたかった」と、アイドルビデオを選択したきっかけを語った。 また、「1本辺り30~60分程度のアイドルビデオは、手軽に見られるため、携帯して持ち歩くポータブルプレーヤーとの相性がいい。W-ZERO3やgigabeatなどのポータブルプレーヤーの場合、こうしたコンテンツが求められているという話をよく耳にするため、アイドルビデオこそ、機器利用者の求めるコンテンツといえる」と説明した。 そのほか、現在の配信サービス登録者数について話が及ぶと「胸を張って言える数字ではないため、現時点では公表していない。ただ、ダウンロード販売の開始や、サイトのリニューアルなどで利用者数を増やし、将来的には会員数30万人を目指す」とした。PSPやiPod向けのMPEG-4配信などについては「将来的には提供を検討していきたいが、現在はWMVフォーマットのサービスにのみ注力したい」とした。
続いて、株式会社ウィルコムの事業促進部長 立石氏が、対応機器であるW-ZERO3/W-ZERO3[es]について言及、「2005年12月に発売したW-ZERO3も順調に売れ、4月には15万台を突破した。また、携帯電話型のW-ZERO3 [es]も好調。ただ、公式コンテンツについてはまだまだ不十分で、Webサイト上から利用可能な公式コンテンツは約50ほど。現在はゲームや音楽配信、その他株価情報などのサービスを提供しているが、ここに映像配信サービスが加わることで、公式コンテンツがさらに充実する」と、映像配信サービスの追加を歓迎。 また、「現在W-ZERO3利用者の内訳は、ビジネスに利用するコンシューマ層とITリテラシーの高い、いわゆるオタク層が非常に多い。ビジネス利用者からの要望として、出張の帰り道など、新幹線車内の時間潰しに動画配信を求める声が多かったので、これに応えられるサービスが登場したことは非常にうれしい。今後は店頭の販売促進などにも利用していきたい」とし、利用者層の拡大への期待を語った。
また、株式会社東芝のモバイルギガ事業部 商品企画部 部長 稲葉氏は、「アイドル物が多くて個人的にもうれしい。現在の日本のオタクの活動は、マーケティング的にもイノベータとして、世界中から注目されている。そうしたオタクが、ポータブルプレーヤーで外出時などでも、コンテンツを消化する機器として、gigabeat SシリーズやVシリーズは有効に利用できる」とgigabeat S/Vシリーズについてコメントした。 そして、アイドルビデオについては、「gigabeatに、自分の妹のように可愛がっているアイドルのビデオを入れて常にポケットなどに入れて携帯できるなど、ちょっと犯罪めいた雰囲気の利用もできる。また、ワンセグ視聴/録画に対応したgigabeat Vシリーズなら、最新アイドル情報をワンセグでチェックし、チェックした情報を元にCinemaNow Japanでコンテンツを購入し、gigabeatで持ち歩くという使い方もできる」とgigabeat Vシリーズのワンセグ機能と連携した使い方を説明した。
□CinemaNow Japanのホームページ ( 2006年11月1日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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