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マイクロソフト株式会社は12日、Windows XP Media Center Edition 2005(MCE 2005)を中心としたエンターテインメント部門の強化に関する発表会を開催し、動画/音楽などの配信サイト「メディアオンライン」でのコンテンツを同日より順次拡充することなどを説明した。 また、Windows Mobile software for Portable Media Center(PMC)を搭載した東芝のポータブルビデオ/オーディオプレーヤー「gigabeat S」シリーズや、オンキヨー製のAVパソコン「HDC-7」など、メーカー各社との連携により、今後も製品やサービスの拡大を進めることについても明らかにした。 ■ メディアオンラインに「シネマナウ」や「Yahoo! 動画」など追加
2005年10月26日よりMCE 2005向けに開始した動画/音楽などの配信サービス「メディアオンライン」に、4月12日より証券/投資情報を紹介する大和証券グループの「ダイワインターネットTV」や、air impressの動画配信サイト「インプレスTV」、ゲーム配信サイト「Gクラスタ」のコンテンツを追加。従来サービスと同様に、MCE 2005搭載PCのリモコンで、コンテンツにアクセス可能となる。 さらに、ハリウッド映画作品などを月額プラン(1,470円)/PPV(315~420円)で配信する「CinemaNow」も6月下旬から追加するほか、ソフトバンクが提供する「Yahoo! 動画」、既報の通り、5月25日からのサービス開始が決まっているオンキヨーの高品質音楽配信サイト「e-onkyo music store」などコンテンツを順次配信開始することを発表した。
「メディアオンライン」は、有料ストリーミング動画配信の「BANDAIチャンネル」や、無料配信の「GyaO」、NECの「BIGLOBEストリーム」、音楽ダウンロードの「MSNミュージック」などのラインナップで2005年10月よりスタートした。 マイクロソフトの業務執行役員 統括本部長の佐分利ユージン氏は、「メディアオンラインの日本でのアクセス数はアメリカ、イギリスに次ぐ世界3位だが、台数ベースでの利用率は世界一」と、日本における同サービスへの関心の高さを指摘。 また、ブロードバンド化の進行が2006年で75%、2008年には90%以上となるという予測や、PCディスプレイが大型化の傾向にある点についても触れ、インターネット配信のコンテンツ利用がさらに拡大する見込みであるとした。
コンテンツの拡充については、Windows本部 コンシューマWindows製品部 シニアプロダクトマネージャの森洋孝氏が説明。 目標とするコンテンツ数に関しては明らかにしていないが、「コンテンツ数よりも、ユーザーに合わせたカテゴリを増やしていくことが必要」とし、「メディアオンラインのメニュー画面上に表示される15マスのうち、12マスは年内に埋まるので、全てを埋めることを目指す」と述べた。 ■ PMC搭載プレーヤーなどで新しいシナリオ
4月28日に発売される、東芝のHDDオーディオ/ビデオプレーヤー「gigabeat S」など、MCEと連携したポータブル機器について佐分利氏は、「PMCの搭載により、オンラインコンテンツ配信サービスで入手したコンテンツを、リビングだけでなくモバイルで利用できる最適なプレーヤー」と説明。 NECのポータブルメディアプレーヤー「VoToL(PK-MV300)」や、クリエイティブの「Zen Vision:M」など、「Windows Media対応のプレーヤーは既に一般的で、ポータブルデバイスでメディアセンターのコンテンツを楽しむ新しいシナリオが実現できる」とした。
そのほか、オンキヨー製のMCE搭載AVパソコン「HDC-7」について、「音質へのこだわりで、AVとのギャップを感じていたユーザーに、HD品質のオーディオ機器を提供できる」とし、「音楽配信サービスのe-onkyoと組み合わせ、従来のCD以外のソリューションが進行する」と述べた。 さらに、デノンのWindows Media Connect対応AVアンプ「AVC-4320」なども含め、「PCとAVのハイブリッドとなるハイエンド機器が今後もどんどん市場に出るだろう」とした。 ■ 日本向けのサービスも展開
同社の「eHome」戦略におけるMCEの展開や、日本市場の位置付けなどについてはeHome担当 コーポレートバイスプレジデントのジョー・ベルフィオーレ氏が説明。 「PCの役割は、作業の効率化からエンターテインメントのデバイスに生まれ変わる」とし、「シンプルな操作、サードパーティによる多様なアプリケーション開発、家庭のテレビで楽しめるデバイス、という3つの条件を兼ね備えたプラットフォームがMCE」と述べた。現在、米国でのMCE搭載PCの出荷は100万台を超え、リテール版PCの半数に相当するという。 そうしたプラットフォームとしてのMCEを進化させることが同社の課題であるとし、その1つとして、現在5台までのクライアントにMCE PCからコンテンツをLAN配信するMedia Center Extenderを拡大し、さらに多くの機器でPCと同じコンテンツが利用できるようにしたいという。 そのほか、同社は、サードパーティに向けた開発キット「Power Toys for Media Center Edition 2005」を5月よりダウンロードで提供。テンプレートなどを含むツールにより、より多くのコンテンツがサードパーティから提供されるようになると見ている。 また、東京の調布にeHomeチームの開発センターを設置。日本市場の傾向を探りながら、日本のユーザーに向けたサービスを確立するための展開も予定している。
□マイクロソフトのホームページ ( 2006年4月12日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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