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パイオニア株式会社は14日、千葉大学と共同で、フレキシブルディスプレイでの利用を想定した有機発光型トランジスタを高性能化、ガラス/フィルム基板上に配置した16×16ドットのマトリックスパネルでのアクティブ駆動実験に成功したと発表した。 有機発光型トランジスタは、有機トランジスタにEL発光機能を持たせた複合デバイス。この素子を用いた場合、従来の有機EL素子などと比べて、部品点数を減らせるなどの特徴があるという。
これまでの有機発光型トランジスタでは、輝度が低い問題が解決できず、ON/OFFの輝度比が十分に得られないため、実用化は難しいとされていた。 今回パイオニアと千葉大学の工藤一浩教授が共同で開発した有機発光型トランジスタ(MIS-OLET)では、有機TFTと有機LEDを組み合わせた縦型構造を採用。素子構造の最適化などにより、最大輝度約1,000cd/m2、輝度のON/OFF比104の特性が得られたという。 実際の実験では、画素サイズ1.8mmピッチの16×16ドットマトリックスパネルを作成。LED層に燐光発光系有機物を、TFT層にはペンタセンを採用し、それらをガラス基板上とフィルム基板上にそれぞれ配置した物を使用。 ガラス基板上のパネルでは、フレーム周波数60Hz、デューティー比64分の1の条件で駆動した際に、約200cd/m2の輝度が得られたほか、256階調制御の動画表示が可能であることが確認できたという。 今回の実験の成功により、フレキシブルディスプレイの実用化に向けて大きく前進し、近い将来、民生用製品への応用も期待できるとしている。 □パイオニアのホームページ ( 2006年11月14日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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