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三洋電機株式会社は24日、2006年度中間期の連結決算を発表。売上高は前年同期比7.1%減の1兆955億3,900万円。営業利益は158億4,100万円だが、当期純利益は36億1,800万円の赤字となった。 主力製品である携帯電話やデジタルカメラで競争が激化したことや、携帯電話の多機能化というニーズ変化への対応の遅れなどが原因。これに関連し、継続している構造改革「SANYO EVOLUTION PROJECT」の計画も見直し。「来期以降の確実な復活を目指し、中期経営計画で想定していた以上の抜本的構造改革と追加施策が必要」として、400億円の追加構造改革費用を計上した。
これには、三洋本体などを対象とした早期退職への転進支援制度など、国内外で合わせて2,200人の人員削減への費用も含まれている。 こうしたことから、5月に発表した2007年3月期の通期業績予想を下方修正。売上高は2兆4,000億円から2兆2,000億円へ、営業利益は650億円から350億円へそれぞれマイナス。当期純利益も200億円の黒字予想から一転、500億円の大幅赤字とした。 通期で3年連続の赤字に陥る見通しとなったことで、V字回復を目指していた中期経営計画や、自身の責任について井植敏雅社長は「今が底だという実感がある。計画は一部見直しするが、選択と集中を進め、やるべきことをやるという基本路線は何も変わっていない。来年度の黒字化を最大のテーマとし、収益を上げる強固な基盤を作り上げるために、今期で構造改革をやりきってしまうことが、私の経営責任だと考えている」とし、現時点での引責辞任の可能性を否定した。
さらに、一部で報道されていた携帯電話事業の売却検討については「何も計画がない。まだまだやれると考えている」と、強く否定した。
■ 米国でのテレビ事業は好調 部門別の連結売上げでは、コンシューマ部門が前年同期比12.3%減の4,935億4,000万円、コマーシャル部門が同13.8%増の1,338億8,500万円、コンポーネント部門は同1.7%減の4,423億6,000万円となった。国内での売上高は、同16.2%減の4,812億6,100万円、海外では6,142億7,800万円で前年同期比1.5%の増加となっている。 コンシューマ部門の減収要因は、携帯電話の価格や機能競争が激化したことや、ナンバーポータビリティへの過度な期待、部材の確保が遅れたことで製品投入のタイミングがズレたことなどが主な要因。デジタルカメラでも低価格製品で競争が激化しているという。今後は工場立地を含めた生産体制の見直しや、携帯電話ではマレーシアを初めとする海外生産比率の拡大などの対策をとる。 テレビ事業については、事業の中心である北米の三洋テレビインターナショナルに本社機能を移転させ、大口顧客へ集中する体制を構築。また、台湾のクオンタとテレビの設計・資材購買の新会社を10月に設立。「共同開発した液晶テレビは、国内で既に販売を開始した」という。 また、収益体質改善のため、7月には国内での製造から撤退。英国でもCRTの製造を10月に撤退。国内でのCRTの販売も一部を除いて撤退している。井植社長は「今後は米国市場に向けた事業に集中する。ここ2カ月の実績を見ても、売上げはプラズマで4倍、液晶で2.5倍、CRTのデジタルテレビで3倍と大きく伸びている」と現状を説明した。
ほかにも、冷蔵庫では製造委託によるコスト競争力の獲得、洗浄器事業では環境・水処理関連の「アクア関連技術」とコマーシャル技術との融合によるシナジー効果の創出を掲げる。また、7月に会社分割により分離した三洋半導体株式会社も好調に業績を伸ばしているという。
こうした各分野に対して、構造改革を完遂させるため、前述の通り400億の追加費用を計上。内訳としては約100億円を白物家電へ、約100億円を半導体事業に、約50億円を携帯電話とデジタルカメラ事業へ割り当てる。テレビ事業へも約100億円を割り当てており、「不採算セグメントの統廃合による黒字化達成を来期以降で見込んでいる」とした。 ほかにも、事業統合による効率向上と管理コスト削減のため、国内外の関係会社の削減を実施。現在300社ある関係会社を、今後3年間に100社を目処にした削減するという。
パワーソリューション事業では小型二次電池事業を核として、「エネループ」の海外展開も加速。「自動車分野での成長戦略として、HEV用二次電池やカーナビゲーションにおいて、自動車メーカー各社との関係を強化していきたい」(井植社長)とした。
□三洋電機のホームページ
(2006年11月24日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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