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データ放送対応のPC用ワンセグチューナ2製品を試す
-アイ・オー「SEG CLIP」とピクセラのPCカードモデル


12月21日から順次発売

標準価格:10,800~11,130円


■ ワンセグ第2期シーズン? データ放送対応製品が登場

 PC用ワンセグチューナユニットの勢いは止まらず、年末にかけて続々と新製品が登場している。また、ワンセグ専用ポータブルテレビなど、関連製品のラインアップを拡充している。

 ただ、PC用ワンセグユニットについては、EPGや録画機能、価格の違いはあるものの、差別化が難しくなっている。これまで紹介したバッファローの「ちょいテレ」のようにコンパクトさが光る製品や、グリーンハウスの「W-one」のタイムシフト機能などの、個性を感じる製品は少ない。

 そんな中、12月13日に発表されたのが、ピクセラの「PIX-ST011-PC0」(1segment Television)と、アイ・オー・データ機器の「GV-1SG/USB」(SEG CLIP)の2製品だ。いずれもデータ放送の受信に対応しており、ようやくPCでも携帯電話とほぼ同等のフル機能が享受できるようになる。

アイ・オーの「SEG CLIP」 ピクセラの「1segment Television」 手前から、1segment Television、LDT-1S200U、SEG CLIP、ちょいテレ

 また、ピクセラについては、PCカード型を採用しているのも個性的だ。PCカード型が個性的に見えるというのも時代の流れを感じるが、アナログキャプチャ製品を多く自社で開発し、デジタル放送機器のOEMなどの実績も豊富なピクセラから発売されるワンセグ製品ということで、かなり期待できる製品だ。

 今回は、データ放送に対応したこれら2製品を紹介する。使い勝手や受信感度などについては、手元にあるちょいテレや、ロジテックの第2弾製品「LDT-1S200U」などと比較していくことにする。なお、ちょいテレ以外の製品については、試作機のため、一部製品版と異なる場合がある。



■ 最小限の付属品と、おとなしめの本体デザイン

 1segment Televisionは、普通のPCカード型デバイスのため、外観的にあまり特徴はない。ただ、PCに接続した際に出っ張る部分については、ピアノ調のつやのある塗装で、高級感がある。また、接続時には緑色のLEDが内部で点灯する。

 アンテナは着脱可能で、W-one並みの太めのものを備えるが、伸縮はしない。そのほかの付属品はドライバーCDとマニュアルのみと最小限。

 PCカード型の場合、USB延長ケーブルを利用して、本体の位置をある程度自由に変更できるUSB型と異なり、常にPCカードスロットの位置に固定される。そのため、伸縮可能なアンテナにするか、交換可能な延長アンテナを用意するなど、アンテナの自由度はもう少しほしかった。また、せっかく着脱可能なアンテナなのだから、アンテナと本体を分けて収納し、持ち運べるソフトケースなどが付属していてもよかったように思う。

PCに接続したところ アンテナは着脱が可能

 SEG CLIPは、全体的な面積が大きく、特に横幅が少し広めの印象を受ける。USB端子部はスライド式で、ふたなしで端子を本体内に収納できるのは便利。ただし2段ロットのアンテナは細めで、収納はできない。

 アンテナの途中には、柔軟性のある素材を採用し、アンテナが折れないよう工夫が施されている。アンテナ接続部は、半透明のプラスチック素材で、中の基板などが少し見えるのは、男の子心をくすぐるデザインだ。

 付属品は、USBケーブルのほか、ノートPCの液晶などに取り付けられるクリップが付属する。挟む部分にゴムを供えており、ノートPCなどを傷つけないような配慮が施されている。

PCに接続したところ。USB端子を横並びに配置するノートPCなどでは、隣の端子が利用できなくなる

クリップが付属し、ノートPCなどの液晶のふちに取り付けられる アンテナ伸張時の比較。最長時のアンテナの長さはLDT-1S200Uが一番でSEG CLIPは一番短い



■ StationMobileはシンプルすぎ?

 1segment Televisionに付属する視聴/録画ソフトは同社開発の「StationMobile」で、バージョンは2.0。初めての汎用製品なのにソフトのバージョンが2.0というのは、同社がこれまで国内メーカー向けにOEM供給してきたノウハウが活かされていることの証と言える。実際ソフトの安定性や、ソフトの分かりやすさについては、他のソフトよりも上のように感じた。

 ただ、設定可能な項目は、他社製品と比べると少ない。字幕やデータ放送のウィンドウについては、表示/非表示設定が可能だが、映像表示だけの状態にするようなモードはなく、最小限の状態にしても、メインウィンドウは常に画面上に表示される。

初回起動時の画面。全てのウィンドウが開いた状態で起動する 最小表示時はここまで小さくできる。字幕/データ放送ウィンドウは非表示にできるが、操作の中心となるメインウィンドウを非表示にすることはできない 連結表示を選択しても、あまり小さくはならない

 表示ウィンドウのサイズも、受信した映像を等倍表示する「100%」と倍にする「200%」のほかは「全画面表示」にしか設定できず、マウス操作による手動調整は行なえない。また、映像画面内の右クリックメニューなども用意されておらず、何かの操作を行なうには、メインウィンドウ上での操作が必要になる。放送波の受信に失敗した場合は、メインウィンドウ内の受信状態を示す枠内にメッセージを表示して対応する。

 チャンネル設定は、プリセットの項目がないため、スキャンして得られた番組しか登録できない。一度登録が完了すれば、登録情報を読み出して利用できるが、旅行先などに持ち運んで利用する際には、いちいちスキャンし直す必要があるため、面倒そうだ。

 これまで見てきたワンセグ用視聴ソフトと比べると、設定可能な項目が少ないので、シンプルに利用できるが、こうしたカスタマイズ可能な項目が少ない点は、今後の改善を期待したい。

データ放送以外のほぼ全ての操作を行なうメインウィンドウ。チャンネル変更や各種設定変更を行なえる。タブの操作でEPG番組表示にも対応 プリセットがないため、オートスキャンで、受信できた局のみ登録できる

 SEG CLIPでは、視聴/録画ソフトとして「SEG CLIP」が付属する。他社製品と同様、地域選択からの手動チャンネル設定が行なえるほか、スキャンでの取得も可能。

 初回起動時には、チャンネル一覧リスト、EPG情報、字幕、データ通信など、番組予約ウィンドウ以外のウィンドウがドッキングした状態で起動する。これらウィンドウをオフにするには、映像画面内の右クリックメニューでオフにできるほか、各ウィンドウの接合部にある小さな三角の矢印をクリックする。据え置きでの利用であれば問題はないが、持ち運びながらの操作では、少々矢印が小さすぎる印象を受けた。

 映像ウィンドウ内の右クリックメニューにある「ウィンドウのドッキング」をオフにすることで、画面サイズの手動調整が可能になる。ウィンドウがドッキングしたままの状態では、1segment Televisionと同様、「100%」、「200%」、「全画面」しか設定できない。ただし、ウィンドウのドッキングのオン/オフに関わらず、各ウィンドウをオフにして映像のみの表示にすることは可能。

初回起動時は、全てのウィンドウがドッキングした状態で起動。画面内の半分以上を埋める 映像ウィンドウ内の右クリックメニューからドッキングをオフにすることで、柔軟な配置や表示のカスタマイズが行なえる 最小表示状態にすると、映像ウィンドウのみの表示にできる。上下左右の三角をクリックすることで、表示をオフにしていた各ウィンドウを再度展開できる

放送波の受信に失敗するとバルーン表示で知らせる。ユニットの着脱時も同様に知らせてくれる

 SEG CLIPのソフトは基本的に常駐し続け、ユニットの状態を監視している。ユニットの着脱に応じてアプリが起動/終了するので、持ち運んで利用するような場合でも、本体をPCに接続するだけで、ソフトが自動で立ち上がるので便利に使える。

 常駐中にユニットを着脱すると、タスクバーのアイコンからバルーンが表示されて状況を報告する。放送波の受信に失敗した場合などにも使われており、シンプルながらも分かりやすい作りと言えるが、頻繁に受信に失敗した場合などは、1度表示したら、その後しばらく表示しないなど、やや不親切な面もある。



■ 画質はいずれも問題なし。ピクセラは不思議な画面表示

 画質については、LDT-1S200Uやちょいテレも並べて比較を行なったが、いずれの製品も概ね良好。映像内の字幕などは、そこそこ読めるレベルなので、通常の視聴にはどの製品でも問題はないだろう。

 輝度については、1segment TelevisionとLDT-1S200Uが少々高めで、ちょいテレやSEG CLIPはおとなしめの印象。

上が1segment Televisionで下がSEG CLIP。左上/下部の字幕位置がいずれもSEG CLIPの方がゆとりのある表示になっている

 解像感は、SEG CLIPとLDT-1S200Uが比較的高い。画面内の字幕などで見ていると、字幕に付くふりがなの「ゃゅょ」などの文字がはっきり見える。1segment Televisionとちょいテレは比較的ソフトな映像表示で、こうした小さな文字は少し読みにくいと感じる場合があった。逆に長時間見続けるような場合は、ソフトな映像の方が見ていて目が疲れにくい。

 また、1segment Televisionの映像にはクセがあるので、注意が必要だ。上下左右全ての端が少しずつカットされており、少し拡大した映像を表示しているのだ。字幕などが切れるほど大きくカットするわけではないため、単体で使っている分には、あまり気にはならなかったが、他のユニットと平行してチェックすると、その違いがよく分かった。



■ SEG CLIPはEPG/iEPG予約録画対応。ピクセラは直接録画のみ

 録画機能については、SEG CLIPではEPGからの番組予約のほか、iEPG予約にも対応し、視聴予約も行なえる。録画ファイルの管理については、メインウィンドウ下部の「再生モード」タブを選択して、録画番組一覧を開いて行なう。


SEG CLIPはEPG/iEPG予約対応 再生やファイル削除などは、映像表示ウィンドウ下部の「再生モード」タブを開いて行なう 録画ファイルの拡張子は「.1sg」

 1segment Televisionは、予約録画には対応せず、視聴中に録画ボタンをクリックすることで録画が行なえる。録画中は、表示部の色が変わるなど、一目で録画中であることが分かるようになっている。

 録画ファイルの管理は、メインメニュー下部のタブから「ライブラリ」から行なう。ピクセラでは、アップデートでEPGなどからの番組予約にも対応を予定しているという。

 なお、どちらも録画ファイルの再生には、録画したPC本体とユニットが必要になる点は他のワンセグユニットと同様だ。

録画中はメインメニューウィンドウ内の色が一部変わるため、一目で分かる ファイル再生などは「ライブラリ」タブを開いて行なう 録画ファイルの拡張子は「.ets」その他、いくつかの派生ファイルが同時に作成されている



■ データ放送の操作はカーソルキーのみ。マウスでの直接操作は行なえず

 ワンセグ放送の特徴の1つに、データ放送がある。番組に関するちょっとしたプチ情報や、携帯サイトへのリンクなどが用意されており、基本的にワンセグ携帯での利用を前提にしたもの。このデータ放送の受信に対応するのが、SEG CLIPと1segment Televisionの一番の特徴と言える。

 データ放送の取得にはやや時間がかかり、チャンネル切替がいずれも約4~10秒程度かかり、その後、20~30秒くらいかかってデータ放送の情報を取得する。なお、これについては携帯電話も同様で、チャンネル切替が4~6秒程度で完了し、それから15~20秒程度でデータ放送の受信を行なうため、PC用だけ特別遅いということではないようだ。

 データ放送の操作は、全てカーソルキーで行なう。SEG CLIPでは、データ放送ウィンドウ下部に備えるカーソルボタンなどをマウスでクリックして利用することも可能。とは言え、これらカーソルボタンもかなり小さめで、操作はかなり面倒。

 また、カーソル操作についても、視聴ソフトがアクティブなだけではカーソル操作は行なえず、データ放送ウィンドウをアクティブにする必要があるため、手軽にデータ放送を操作、とまでいかないのが残念なところ。元々携帯向けに提供されていることを考えれば仕方のない作りなのだろうが、マウスで各リンクのクリックなどが行なえれば、操作性は向上しただろう。今後の改善に期待したいところだ。

1segment Televisionのデータ放送表示。公式サイトなどをクリックするとブラウザでPC用サイトが開く SEG CLIPのデータ放送も内容は同じ。下部にはマウス操作に対応する操作ボタンを備える デスクトップ全体からみると、操作ボタンは非常に小さく、実際はかなり操作しにくい



■ 受信感度は1segment Televisionが強力! SEG CLIPはW-oneと同等レベル

 ピクセラもSEG CLIPも、受信感度は良好で、編集部のある東京都千代田区のビル内においては、特に問題なく視聴が行なえた。気になる東京MXチャンネルも、後述するが、時間帯を選べば問題なく視聴できた。

 続いて、板橋区高島平付近の自宅で調査。調査に使用したのはCeleron M 1.5GHzを搭載し、メモリ容量512MBを備えるノートPC。

前回同様、保証外の方法だが、1台のPCに全てのワンセグユニットを接続してチェック

 前回と同様、複数のワンセグユニットを1台のPCに接続し、同時起動して、受信感度をチェックした。また、携帯電話代表として、デジタルラジオ/ワンセグ機能付きのソニーエリクソン製携帯「W44S」もエントリーさせたほか、手元にはないため試せなかったが、前回好成績だったW-oneの受信感度も念頭においてチェックを行なった。

 自宅でのワンセグ視聴については、受信感度が安定せず、NHK/NHK教育/日本テレビがたまに受信に成功するレベル。W44Sでも同様なので、これについては観念して第2東京タワーの完成を楽しみに待つことにする。

 また、これまで同様、定点観測として、2度にわたってチェックしてきた都営三田線の西台/蓮根駅近辺でも同様にチェックしてみた。いずれの場所でも、SEG CLIPと1segment Televisionについては、前回チェックしたW-oneと同レベルの視聴は行なえた。特にピクセラについてはコマ落ちや音声の途切れの頻度が少なく、さらに安定感が増している印象を受けた。比較するとSEG CLIPは安定性が低く、W-oneと同等かそれ以下の受信感度だった。

 ちなみにLDT-1S200Uはちょいテレより上回る場所もあったが、基本的にはほぼ同等程度の受信感度のようで、これらエリアではちょいテレ同様ほとんど受信できなかった。

 前回巡った、近所の牛丼チェーン店前での状態も同様で、1segment Television、SEG CLIP、W44Sのいずれも、NHK教育のほか、日本テレビが映ることがある程度で、視聴可能とは言えない状態だった。

西台駅前の定点チェックポイントでは、2製品が良好な結果 前回かなり厳しい状況だった牛丼チェーン店前ポイントは、依然として厳しいが、どちらもギリギリ映像が表示できた。ただ1segment TelevisionではNHK教育がうまく映らず、日本テレビのみ視聴可能だった

 そのほかに、今回は、首都高環状線での受信状況を調べてみた。たまたま、羽田空港に向かう用事があったため、ノートPCや各ワンセグユニットを車に持ち込んだ。用事を済ませて帰宅に向かう前に環境を設定し、羽田空港をスタート。チャンネルは変更せず、NHK総合のみに絞ってチェックを行なった。

 首都高全体で見ると、環状線については、どこも大きな問題はなく視聴が行なえた。ただし、環状線はトンネルも多く、当然トンネル内では、W44Sも含め全てのワンセグ機器は視聴不可になる。

 トンネル出口付近での復帰速度は機器により異なり、まず真っ先にW44Sが復帰。ついで、ピクセラ、SEG CLIP、ロジテック、ちょいテレの順くらいで受信を再開していた。

 また、帰宅路の首都高5号線では、豊島区から板橋区の境付近にある板橋JCT辺りから徐々に感度が悪くなり、板橋本町ICを過ぎた辺りで、ちょいテレは完全に受信不能に。次いでロジテックも途切れ途切れになっていった。SEG CLIPとピクセラ、W44Sは途切れることがあっても、一応視聴可能ギリギリの状態のまま、中台ICから高速を降りることができた。

羽田空港でワンセグ。空港敷地内では、4製品 + 携帯電話のいずれも良好な受信状態だった ユニットはUSBハブを介してダッシュボードに配置。同乗者が見やすいように、W44Sもダッシュボードに固定

 今回気がついたのは、同じ場所でも時間帯によって、受信感度が異なるということだ。

 編集部の自席では、W44Sも含めて朝~夕方までは東京MXチャンネルの視聴はほとんどうまくいかないのだが、夕方を過ぎる辺りから、驚くほど入りやすくなる。それでも、ちょいテレやロジテックでは途切れ途切れの状態が続き、SEG CLIPやピクセラはこうした環境下でも、視聴可能ギリギリの受信が行なえる。

 かと思えば、朝から夜中までの1日中、W44S以外で東京MXの受信が行なえない日があるなど、電波が安定していない。ピクセラによると「時間や日、場所のほか、接続するPCを変えるだけでも、受信状態が若干変わる場合がある」のだという。



■ SEG CLIPは、Windows Vistaにも対応

 SEG CLIPのもう1つの特徴と言えば、発売当初からMicrosoftの次世代OS「Windows Vista」に対応していることだろう。とりあえず、手元でWindows Vista(製品バージョン)を導入した環境を構築したので、その動作もチェックしてみた。

 導入については、Windows XPでの利用時と特に変わらず、ドライバと視聴ソフトをインストールするだけでOK。基本的な操作についても、特に問題なく正常に動作し、大きな問題なども特に感じられなかった。

 なお、他の製品については、W-oneが現状のままでVistaでの動作確認を完了したと発表している。ピクセラでは、Vistaへの移行についても、アップデートを検討しているとしている。ロジテックでは、Vistaに関するアナウンスは特に行なわれていない。

 ちょいテレは、27日にVista対応ドライバーのベータ版を公開しており、Vistaの発売時には正常に使えるようになるという。実際にベータ版ドライバも試してみたが、こちらも初期起動時に、少しおかしな動きを見せた程度で、実際の視聴については特に問題なく動作した。

Windows Vista上でも問題なく視聴可能 サムネイル表示でもテレビが見られた ベータ版だが、ちょいテレ用のVista対応ドライバ/視聴ソフトも公開されている

 Windows Vistaでは、キャプチャ製品の仕様が変わり、オーバーレイを利用したソフト/ハードによるキャプチャ製品はVistaでは正常に動作しないという。そのためWindows 2000からXPの時のように、容易にアップデートが行なえる状態ではなく、ハードによっては、Vista対応が行なえない場合もある。その辺りを考えると、現在多く発売されているワンセグチューナユニットだが、Vistaに対応している製品はあまり多くない。今後のことを考えると、SEG CLIPは、一早くVistaへの対応を表明しており、購入を検討する際には、大きなプラス要因になりそうだ。



■ いずれも機能は十分。ピクセラのPCカード型が思わぬ魅力

 以上、SEG CLIPと1segment Televisionを中心に年内に登場した主要のワンセグ製品を一通り並べて見てみた。データ放送対応については、使い勝手の改善などの課題はあるものの、まずは対応したことに意味があると思う。今後は対応製品が増えることを期待したい。

 ただ、通常の番組放送とは異なり、データ放送の取得部分の開発はかなり難しいようで、海外からのOEM製品での実現は難しいかもしれない。また、Windows Vistaへの対応についても、今後は重要なチェックポイントと言えるだろう。

 受信感度について言えば、一番良好だったのは、ピクセラ製のPCカード型、1segment Television。最近利用デバイスの減ったPCカード型ということで、USB端子の少ないノートPCでも空きスロットを効率的に利用できるのは魅力的。

 ただ、PCカード型であることがそのまま弱点であるとも言える。最近発売のノートPCでは、ExpressCardスロット搭載の増加に伴い、PCカードスロットを搭載しない製品も増えてきているからだ。自分の利用する環境などを考慮する必要はあるが、PCカードスロット搭載のノートPCを所有しているなら、購入を検討しても損のない一品と言える。

 SEG CLIPについても視聴ソフトの完成度の高さや、Windows Vistaへの対応など、細かい部分に配慮が行き届いている点が魅力だ。受信感度の向上やデータ放送対応が目的なら、初期のワンセグユニットから乗り換えるだけの価値はある。

 来年1月頃にはMac OS対応のワンセグチューナユニットの登場が予定されているなど、今年開花したワンセグ市場が来年はどんな盛り上がりを見せるのか、興味深々だ。

□アイ・オー・データのホームページ
http://www.iodata.jp/
□製品情報(SEG CLIP)
http://www.iodata.jp/prod/multimedia/tv/2006/gv-1sgusb/index.htm
□ピクセラのホームページ
http://www.pixela.co.jp/
□製品情報(PIX-ST011-PC0)
http://www.pixela.co.jp/products/digital_broad/pix_st011_pc0/index.html
□関連記事
【PC用ワンセグチューナユニット製品一覧】
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061212/onetuner.htm
【12月13日】アイ・オー、EPG録画対応USBワンセグチューナ「SEG CLIP」
-Vista対応。ノートPCに本体をクリップで装着
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061213/iodata1.htm
【12月13日】ピクセラ、PCカード型ワンセグチューナの単品販売開始
-OEM供給で培った安定性。StationMobileは録画対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061213/pixela.htm
【12月13日】ロジテック、PC用USBワンセグチューナの新モデル
-受信感度向上。延長ケーブルがクリップ付きに
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061213/logitec1.htm
【12月11日】グリーンハウス製USBワンセグユニット「W-one」を試す
-受信感度はかなり良好。ワイルドな本体デザイン
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061211/green.htm
【9月26日】バッファローのワンセグユニット「ちょいテレ」を試す
-コンパクトで録画対応の大本命。使い勝手も良好
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060926/buffalo.htm

( 2006年12月27日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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