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三菱電機株式会社は、液晶テレビ「REAL」を一新。46/40型のフルHDモデル「MZシリーズ」と、WXGAパネル採用の「MXシリーズ」を4月21日より、発売する。 近年のテレビ市場では、家電各社が新しい技術や新機能を次々と盛り込んで、派手な製品発表やテレビCMを展開しているが、そんな中、三菱のREALシリーズは、機能やデザインで目を引く新製品をこの2年ほど展開していなかった。しかし、新MZ/MXシリーズでは、新しい機能を盛り込んだ意欲的な製品となっている。 ■ PCディスプレイ向けの技術を導入
フルHDパネル搭載の「新MZシリーズ」では、業界最薄の約27mmという狭額縁化、そしてx.v.Color対応などの高画質化が特徴。今回、業界でトップシェアを誇る同社の液晶ディスプレイ開発部隊と協力したことで、狭額縁化などを実現できたという。 「狭額縁」は、PC用液晶ディスプレイでは一足先に流行していたが、同社では液晶テレビでも今後、狭額縁化が進むと予測。通常、液晶パネルに平行して組み込むパネルドライバを柔らかく折り曲げ可能なものとし、ドライバの途中から折り曲げて額縁に組み込むことで薄型化を実現している。 「画面に集中できる」という点に加え、省スペース化という観点からも、特に日本の家庭環境にあわせた特徴として訴求していくという。 ■ 新10bitパネルとx.v.Color対応
MZシリーズは、コントラスト2,000:1で、NTSC比で102%という広色域かつ、「業界初」という10bit処理の液晶パネルを採用。パネルメーカーは非公開だが、40/46型のVA系フルHDパネルということからSamsung(S-LCD製)と推測される。 映像エンジンは、新開発の「DIAMOND Engine PRO」を内蔵。ピクセルごとのコントラスト制御などを12bit精度で行ない、10bitパネルに表示する。また、RGBに加え、Y(黄色)、M(赤紫)、C(青緑)、さらに各中間色をあわせた12色を独立調整して色制御を行なう「ナチュラルカラーマトリックス(NCM)」など、ディスプレイ向け技術も応用し、画質の向上を図ったという。 さらに、MZシリーズでは、NTSCに比べ広色域の表現が可能な「x.v.Color(xvYCC)」に対応する。人間の目が認識できる物体色をほぼ全て表現できるというx.v.Colorの色域を活かすためには、x.v.Color対応の映像ソースが必要となるが、エメラルドグリーンなどの深い緑色や、物体の立体感、微妙なグラデーションなどの表現の向上が見込める。また、10bitパネルの採用もx.v.Color映像の表現力向上に寄与しているという。 また、MZシリーズとMXシリーズ(37/32型)では、ゲームプレイ時にノイズリダクションやI/P変換などのロジックをスキップすることで、フレーム遅延を低減する「ゲームモード」も搭載。通常は約2フレーム(35ms)の遅延が発生するが、ゲームモード利用時では1フレーム(約17ms)に抑え、フレーム遅延がほぼ知覚できないレベルまで低減できるという。
■ HDMIリンク機能も搭載 また、MZ/MXシリーズともに「HDMIリンク」機能を搭載している。HDMIで接続した、テレビやレコーダ、オーディオ機器間の操作を可能とするもので、HDMI Ver.1.2a以降で定められている「CEC(consumer electronics control)」のコマンドを利用している。 CECを利用したHDMIリンク機能は、松下電器の「VIERA Link」やシャープの「AQUOSファミリンク」などがある。ただし、VIERAもAQUOSも基本的には自社製品向けのリンク機能と位置づけており、独自の拡張などが行なわれている。 しかし、プレーヤーの操作などの簡単な利用については、CECに基づいて設計されていれば問題なく利用できるという。三菱電機ではCEC対応のレコーダなどは発売していないが、他社製のレコーダでも基本機能を活用できるため、新REALでHDMIリンク機能を搭載した。録画などの複雑な操作はできないが、リモコンから専用のUIを呼び出して、DVDプレーヤーとして利用するなどの連携が可能となっている。
音響についても、DIATONEスピーカーの技術を導入したスリムスピーカーを搭載するほか、歪みをデジタル補正する「DIATONEリニアフェイズ」、自然なサラウンド感を実現する「DIATONEサラウンド 5.1」などを導入し、音質の向上を図ったという。 視聴者の年齢層にあわせて、輝度を抑えるなどの制御を行なう視聴者設定機能も備え、ジュニア/シニア/スタンダードが選択できる。また、初期設定や番組情報の読み上げ機能も搭載。番組情報に関しては、放送波で送られてきた情報をそのままコンピュータ合成で読み上げてくれる。そのため、専用の辞書を投入し、固有名詞などでもかなり高い精度で間違いなく読み上げ可能となったという。 さらに、人の声のみをゆっくり再生する「声ゆっくり機能」や、番組からCMに移った際の急峻な音量変化を回避する「ソフトトーン」などを搭載。こうした「思いやり機能」も大きな特徴として、アピールしていくという。
□三菱電機のホームページ ( 2007年3月26日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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