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クラリオン株式会社は、カーオーディオ一体型ナビゲーション製品の新モデルとして、地上デジタル放送のワンセグ/12セグ受信に対応した「MAX9700DT」など5モデルを6月上旬より順次発売する。さらに、単体の地上デジタルチューナ「DTX870」も6月下旬に発売する。各製品の価格や発売時期などは下表の通り。
■ MAX9700DT/8700DT/7700
7型ワイド/解像度800×480ドットのタッチパネル液晶ディスプレイを備えた2DINカーナビ。AV機能では、MAX9700DT/8700DTには地上デジタルの12セグ/ワンセグチューナを、7700にはワンセグチューナを搭載。CDリッピングに対応するDVD/CDドライブや40GB HDDも装備する。別売ケーブルを利用することで、iPodのビデオ/オーディオ再生やタッチパネルからのiPod操作も可能。 MAX9700DT/8700DTの12セグチューナには、2基のチューナを利用して信号を補完する「2系統合成ダイバー」機能を搭載。さらに、標準アンテナ2本に加え、別売アンテナ2本を追加した4本で、受信状況の良い方を選択する「スイッチングダイバー方式」も採用する。また、9700DT/8700DTは12セグとワンセグの自動切換えにも対応。 12セグ搭載モデルでは、EPGやデータ放送、緊急放送にも対応。なお、ワンセグではデータ放送に対応しないが、放送中の番組と、次の番組の情報が閲覧可能となっている。
さらに、9700DTと8700DTにおいてはMP3/WMAなどの圧縮音源再生時に、高域を補完する「サウンドリストアラー」を採用。また、3機種共通の新機能として、HDD内の音楽再生機能「ミュージックキャッチャー」において、楽曲をアーティスト/ジャンル/リリース時期により絞り込んで再生できるオートプレイリスト機能も備える。リッピングは従来と同じATRAC形式で、最大約4,000曲を記録可能。
そのほかの違いとしては、9700DTのみMDデッキを備えるほか、9700DT/8700DTはDVDオーディオ再生にも対応。両機種は5.1ch対応のデコーダも内蔵する。アンプの最大出力は、9700DT/8700DTが50W×4ch、7700が43W×4ch。
従来モデルと同様に、3機種ともCD-R/RWやSDカード/メモリースティックに記録したMP3/WMA再生に対応。また、新たにDVD-R/RWに記録したMP3/WMAも再生できるようになった。なお、DRM付きのWMAは再生できない。そのほか、AM/FMチューナも内蔵。 ナビ機能は共通で、テレビや雑誌などで紹介された店などの情報を検索できる「TVサーチ」に対応。PCソフト「HDDナビマスター」を利用することで、最新の施設データを同社サイト上から入手、更新することが可能。サイト上の情報は月1回更新される。 また、ジャンクションでの分岐形状をイラストで判別できるデータを収録。2006年10月に開始されたETC用専用のインターチェンジ「スマートIC」に対応したルート探索も可能。そのほか、3D表示のGUI「FUN RING」も引き続き採用。キーONから地図表示までの起動時間は約5秒に短縮した。
■ MAX670/570
解像度は480×234ドットの7型タッチパネル液晶を搭載する中位モデル。MAX670はDVD/CD再生に対応するが、MAX570はCDのみ。670のみ、WMA/MP3を記録したディスクも再生可能。HDDはいずれも30GBで、CDリッピング(最大約4,000曲)に対応する。
両機種とも、ワンセグ受信に対応。上位モデル同様に、別売ケーブルでiPodとの接続も行なえる。そのほか、両機種ともメモリースティックスロットや、AM/FMチューナを内蔵する。アンプ出力はいずれも43W×4ch。 ナビ機能では、上位モデルと同様に「TVサーチ」検索に対応するほか、キーONから地図表示までの起動時間も約5秒で共通。上位モデルとの違いとして、AVとナビの2画面表示には対応しない。
□製品情報(MAX670) ■ DTX870
地上デジタルの12セグ/ワンセグ受信に対応する外付けチューナユニット。MAX7700/670/570と接続することで、12セグ受信が行なえる。なお、従来モデルとの接続には対応しない。 機能はMAX9700DT/8700DTのデジタルチューナと共通で、2基のチューナを利用して信号を補完する「2系統合成ダイバー」機能を搭載。別売アンテナ2本を追加した4本を利用する「スイッチングダイバー方式」にも対応。12セグ/ワンセグ自動切換えも可能。EPGやデータ放送、緊急放送にも対応する。 ナビとは専用端子で接続。D1端子も1系統備える。外形寸法は231×180×39mm(幅×奥行き×高さ)。リモコンが付属する。
■ 「利用意向75%」に合わせ全機種で地デジ対応
泉龍彦社長は、「国内マーケットにおいて、地上デジタル対応は3割といわれているが、ここ1、2年で100%になる」と宣言し、全ラインナップでデジタル放送に対応したAVナビを紹介した。 また、4月に発売されたポータブルナビの「DrivTrax(ドリブトラックス) P5」について「自動車販売が増えず、軽自動車の割合が高くなっている流れの中で、車に合うものを商品化していく」と説明。特に2輪車関係からの反応が大きかったという。同社は5月中旬より、同製品のオートバイ取付けマウントキット「BKA-001-500」(8,400円)も発売する。 そのほか、2006年12月に日立の子会社となり、ザナヴィを子会社化したことにも触れ、「グループとして高いシナジー効果を求め、グローバルでの競争力も高めた“新生クラリオン”として活動する」とした。
常務執行役員の吉峰徹郎氏は、カーナビ製品全体の出荷台数について(新車/中古車販売減少にも関わらず)2006年度は3%増加し、初めて400万台を突破した。2007年度はポータブルや地上デジタル対応でさらに市販製品の比率が(純正などに比べ)高まるだろう」と予測。 また、アンケート調査を元に「12セグが見たいという人が51%、ワンセグで十分という人が24%で、合わせた“地デジ搭載意向”は75%となり、対応機種の拡大が期待されている」と指摘。新製品の優位性をアピールした。 一方、カーナビより歴史の浅いDVDレコーダやデジカメに普及スピードで差をつけられている点に関して「カーナビは一度使うと手放せないといわれるが、普及しないのはメーカーが怠ってきた部分もある」として、非利用者の「価格が高い」という意見に対してポータブル機器を提案するほか、若い世代が使いやすく感じるような先進的なデザインを訴求するなど、2007年度はターゲットや機能を絞った戦略を強化するとしている。
( 2007年4月23日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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