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【新製品レビュー】
強力ノイズキャンセルと新デザインで登場
-SDカードの低価格化で魅力アップ? 松下「SV-SD850N」


4月26日発売

標準価格:オープンプライス

実売価格:20,000円前後


 iPodの牙城を切り崩そう盛り上がっていたポータブルオーディオ業界。一時は低価格化競争に陥っていたが、現在では動画再生機能やノイズキャンセル機能の標準搭載、そして純粋な音質への追及など、差別化競争も第2ステージに突入した感がある。

 最近では前回でも取り上げたソニー「ウォークマン」の追い上げが印象敵だが、松下電器の「D-snap」も忘れてはならないプレーヤーの1つだ。

 D-snapの特徴と言えば、早い段階から構築されたSDコンポ「D-dock」との連携が挙げられる。D-dockで音楽CDからSDカードに録音し、そのカードを「D-snap」で再生するという、MDやテープとSDカードを置き換えたような「PCレスソリューション」がPCに馴染みの薄い層を中心に人気を集めている。

 差別化機能も積極的に取り入れており、2006年9月に発売した「SV-SD800N」では「騒音キラー」として標準でノイズキャンセリング機能を備えた。それから約半年、大幅にデザインを変更した新モデル「SV-SD850N」が登場。前モデルはノイズキャンセルユニット付属のイヤフォンを同梱するタイプだったが、「SV-SD850N」ではキャンセル機能を本体内に内蔵するなど、機能的にもブラッシュアップしている。発売は4月26日。1GBのSDメモリーカードが付属し、2万円を切る価格で販売しているショップもあるようだ。


■ 大幅に変化したデザイン

 本体の外形寸法は91.3×35×12.3mm(縦×横×厚さ)で、第2世代iPod nanoの90×40×6.5mmと比べると縦横のサイズはほぼ同じ。しかし、厚みは2倍程度。SDカードを挿入しなければならないため仕方のないところだろう。だが、実際に手に持ってみると適度な厚みがある分、ホールド感は良好。重量は43gと、iPod nanoの40gとほぼ同じで、ワイシャツの胸ポケットに入れても違和感は無い。

 デザインは大幅に変更された。従来モデルは曲線を多用し、やわらかくて優しいイメージだったが、新モデルは直線を多様。どちらかと言えば男性的なデザインだ。表面のボタン部分もフラットになっており、個人的には従来より洗練されたデザインと感じる。

 また、5種類用意されているカラーバリエーションも面白い。ホワイト(W)、ブラック(K)、レッド(R)、ブルー(A)まではよくあるカラーだが、ブラウン(T)のプレーヤーというのは珍しい。非常に落ち着いた色合いで、革のケースなどに入れても似合いそうだ。また、光沢のある仕上げと相まって、レッドモデルの赤色にもインパクトがある。

今回はレッドモデルを試用する 第2世代iPod nanoとの比較 厚みは2倍程度ある

5色のカラーバリエーションを用意する SV-SD800Nから大幅にデザインを変更した ポータブルオーディオでは珍しい、ブラウンカラーも用意

 SDカードスロットは有機ELディスプレイの上部に配置。付属のカードは1GBのSDだが、SDHCの4GBまで対応可能。イヤフォン端子は下部に用意されており、D-dockなどと接続するためのD-snap portも備えている。左右側面にはボタンは無く、背面にはホールドボタンのみ備えている。

 操作はフロントパネルに用意されたボタンで行なう。ディスプレイとボタン部分はほぼフラットだが、静電スイッチではなく、押し込むタイプのボタンを採用。ボタン部分のパネルが若干柔らかくなっており、下に押し込むことができる。中央のボタンはパネルが柔らかいので押しやすいが、外周に近いボタンは押し込むのに若干力がいる。慣れれば力加減のコツがつかめるが、最初のうちは力を入れすぎて親指が疲れた。

 中央に再生/停止ボタン、左右の曲送り/戻し、上下にボリューム調整が割り当てられている。左下は「m」と書かれたメニューボタンで、「SDオーディオ」、「FMチューナ」、「録音ファイル再生」、「ライン録音」、「SDオーディオ設定」の各機能を選択できる。「ライン録音」では本体のみでMP3録音が可能だが、D-snap port端子とステレオミニを変換する別売ケーブル「RP-WA100」(実売約1,200円)が必要になる。

 右上の「S」は楽曲検索機能の選択メニューで「50音検索」、「全曲」、「アーティスト」、「アルバム」、「プレイリスト」、「印象」、「マーク登録曲」が切り替えられる。 また、右下に「nc」というノイズキャンセル機能の切り替え専用ボタンを用意した。

SDカードスロットは本体上部に備えている イヤフォン端子とD-snap portは下部に用意

側面にはストラップポートのみ 背面にはホールドスイッチ フロントパネルのボタン部分はフラット。右下にノイズキャンセル切り替え用の専用ボタンを備える

充電回数を倍に増やせる「エコ充電」モードを備えた

 従来モデルは角形ニッケル水素充電池を採用し、充電池交換ができることが特徴だった。しかし、新モデルでは内蔵型のリチウムイオン充電池に変更。交換はできなくなっている。しかし、電池を長持ちさせるための「エコ充電」機能を搭載。90%までしか充電を行なわないことで、普通に充電した場合の約500回と比べ、充電可能回数を2倍の1,000回に増やせるという。

 連続再生時間はノイズキャンセル機能をOFFにした場合、最大で約80時間。ONの場合は約60時間。充電はUSB経由で、約3分の急速充電で、約3時間半の再生も可能だ。


■ 意外に便利なNC専用ボタン

 音質とノイズキャンセリング能力を見ていこう。ノイズキャンセル機能はプレーヤー本体に内蔵されており、付属の6極タイプのイヤフォンを接続して利用する。イヤフォンのハウジング部にマイクが内蔵されており、ここで騒音を収音し、その逆相を再生するという流れだ。

 接続端子自体は普通の3極ステレオミニと同じサイズで、付属以外のイヤフォンも利用可能。ただし、その場合はノイズキャンセル機能はOFFとなる。付属イヤフォンはカナル型で、ハウジング部が横に長いのが特徴。装着するとハウジング全体が耳のくぼみにはまるようになっており、装着感は良好だ。遮音性も高く、ノイズキャンセルをONにしなくても騒音はかなり軽減できる。

付属のイヤフォンはカナル型 ハウジングにマイクを備えている

端子は特殊な6極タイプ 付属以外のイヤフォンも接続できる

 ノイズキャンセル機能のON/OFFは、前述の「nc」ボタンで行なう。押すたびに「OFF」、「ON」、「モニター」の順で切り替わる。モニターはマイクで集音した音をそのままイヤフォンで再生するモードだ。本体にNC機能を内蔵するウォークマン「S700F」では、ON/OFFはメニューから辿る階層の中にあったが、独立したボタンを前面に用意するのは面白い。

専用ボタンでNC機能を簡単にON/OFFできる

 使用する前は「そんなに頻繁にON/OFFするかな?」と考えていたのだが、実際に使ってみると意外に便利。例えば電車に乗る際、ホームでは「OFF」にして列車到着のアナウンスを聞き、乗り込んだ後に「ON」。降りる駅が近付くと、車内アナウンスを聞くために「モニター」にするなど、選曲の途中でもすぐ切り替えられるため、耳からイヤフォンを外すよりも手間がかからない。ただでさえカナル型のイヤフォンはインナーイヤーやヘッドフォンよりも耳に装着するのが面倒なので、このボタン配置は想像以上に便利だ。

 キャンセル能力は強力。松下電器では「騒音の83%をカット」と謳っているが、この数字は「1/4のノイズ低減(75%カット)」を謳うソニーのNW-S700Fより大きい。無音の状態でONにすると内耳にかなり圧迫感を感じるが、音楽を再生すると不思議なほど気にならない。電車の中で使用すると「カタンカタン」という高い走行音は若干残るが、「ゴー」という風切音や車体が響く断続的な中低音は綺麗に消え去った。

 また、ノイズキャンセルのON/OFFで再生音の変化が少なさが好印象。ONにすると低域の張り出しが強くなり、音楽にメリハリが出るのだが、いずれも極端な変化ではない。音場が狭くなることもなく、個人的には「ON」の再生音の方が好みだ。

 音質そのものはデジタルアンプらしい、クリアで見通しの良い音場が特徴。レンジは広く、分解能も高い。アコースティックギターの弦の動きや、ピアノの左手の動きも明確に聴き取れる。太い低音がゴリゴリ出てくる最近のウォークマン系や、品のいい艶やかな中~高音がクラシックやジャズに合うケンウッドとのキャラクターの違いが面白い。良く言うと極めてニュートラル、悪く言うと特徴や面白みが少ない。ソースを選ばないオールラウンドプレーヤーと言えそうだ。個人的には中域の厚みがもう1歩欲しいのでイコライジングで調整した。

専用ボタンでNC機能を簡単にON/OFFできる

 また、FMラジオも内蔵しており、この音質がすこぶる良い。近年のプレーヤー内蔵ラジオは「おまけ」程度の篭った安っぽい音質が多いが、「SV-SD850N」のラジオ音声はクリアで抜けが良い。本体でMP3のライン録音ができるにも関わらず、何故かFM録音機能が無いのが残念だ。

 圧縮音楽の帯域を補間する「リ.マスター」は「広帯域リ.マスター」に進化しており、CDの帯域以上まで補間するという。ONにすると、曲の出だしの無音部分のホワイトノイズが低減したことがわかる。音の輪郭が際立ち、歌手が頭の中心に半歩近付いたような印象だ。音場がほんの少し狭まったように感じものの、高音の荒れも目立たなくなるので常時オンにしておくと良いだろう。

再生画面

 SDオーディオやラジオなどの機能切り替えは「m」ボタンで呼び出し、左右キーで選択、中央ボタンで決定と、説明書を読まずに操作できる。選曲方法も独立した「s」ボタンで呼び出し、選択方法は同じだ。「s」ボタンは「戻る」機能も兼ねている。

 それぞれ独立したボタンのため、例えば「s」メニューからアルバムを検索している途中に「m」ボタンの押し、FMラジオに切り替えるといった動作もスピーディーに行なえる。ディスプレイは4行表示で情報量は少ないが、むやみに全ての機能を「メインメニュー」などに統合しないことで、非常にわかりやすい操作性を実現している。

 検索機能の「50音検索」は、アーティスト名、プレイリスト名、アルバム名が50音順に並んだもので、わ行の後にはアルファベットが並ぶ。種類の異なる項目が同じ画面に表示されるわけだが、各項目の頭にはアイコンが表示されているので、戸惑うことなく選択できるだろう。

「m」で呼び出す機能切り替えメニュー 「s」では楽曲選択方法が選べる 50音検索も可能。携帯電話のように「あかさたな~」の行を横方向キーで選択。上下で項目を選ぶ


■ PCとの連携は専用ソフトを使用

 楽曲の転送には付属の「SD-Jukebox Ver.6.7LE」を使用する。転送以外にも音楽CDからのリッピングやファイルのインポート、楽曲管理が可能。ソフトウェアのウインドウ内部から音楽配信サイトの「MOOCS」にアクセスし、その場で楽曲購入も可能だ。

 リリースによると起動時間を前バージョンと比べ、1/5に短縮したという。Core 2 Duo E6600(2.4GHz)のWindows XPマシンでテストしたところ約23秒で起動した。これでも「高速」とは言えないが、我慢できないほどではないだろう。なお、今回のバージョンからWindows Vistaもサポートしている。

 起動時にGUIを「カンタンモード」と「通常モード」から選択できる。カンタンモードはコンポを模したような画面で、大きな操作ボタンを用意するなど、直感的な操作が可能だ。パネルカラーをブラック、ホワイト、ブルー、ピンクから選択できるのも特徴。プレーヤーの色と揃えるのも楽しそうだ。通常モードは左側にデバイスのツリーが並び、右側のウインドウにHDDライブラリや、D-snapが接続されている場合はSDカード内のライブラリが表示される。

通常モードのGUI カンタンモードではパネルカラーの変更も可能だ

 CDからの録音や、ライブラリからの音楽CDの作成、SDカードへの書き込みなどは専用ボタンが設けられており、操作に迷うことはない。なお、プレーヤーの再生対応フォーマットはMP3/WMA/SD-Audio(AAC)で、SD-JukeboxでもCDから楽曲を取り込む際はいずれかのフォーマットを指定する。また、既に作成済みのファイルも、この3フォーマットならば再変換せずに登録/転送/再生が可能だ。なお、iTunesで作成した.m4aデータにも対応。こちらも転送時にファイルのヘッダ部分を書き換えるだけなので、音質は劣化しない。

 DRM関連は、ニフティが展開している音楽配信サービス「MOOCS(ムークス)」もサポートしており、同サービスの音楽ファイルが採用している東芝のDRM技術「MQbic(マルチキュービック)」に対応している。iTunes Storeで購入したDRM付き楽曲や、WM DRMにも非対応。今話題のサブスクリプションサービスなどが利用できないのは残念だ。

CD録音時やファイルインポート時の変換設定 ライブラリは基のファイル形式のまま構築し、SDカードに書き込む際にAACなどに変換することもできる。もちろん変換せずに転送/再生も可能だ ウインドウ内で「MOOCS」ページにアクセスできる

音楽ファイルは暗号化した上で転送される

 プレーヤーとPCは付属のUSBケーブルで接続する。SDカードだけを取り出して、著作権保護機能に対応したSDカードリーダで書き込むことも可能だ。ライブラリ登録した楽曲は、暗号化され、SDカードに隠しファイルとして書き込まれる。エクスプローラなどでカード内を見ると「.SA1」という拡張子のファイルで、Media Playerなどでは再生できない。また、エクスプローラーからMP3ファイルなどを同フォルダに直接転送しても、プレーヤー側からは認識できない。

 製品には1GBのカードが付属している。MP3/WMA/AACをまぜた合計928.5MBのファイルをフォーマット変換無しで書き込んだところ、約6分10秒で転送が完了した。

 なお、楽曲をライブラリに取り込む際に、「ミュージックソムリエに登録する」というチェックボックスがある。これをONにしておくと、曲のテンポやビートなどを「SD-Jukebox」が自動的に判断し、「ウキウキ系」や「切ない感じ」など、印象別に分類する。後からその印象を選ぶことで、選曲を基にした「印象プレイリスト」も作成可能。そのままポータブルプレーヤーに転送することもできる。

 分類精度は「なるほど」と思わせるレベルだが、SDカードが1GBしかなかったこともあり、転送した楽曲はほぼ把握できている。この手の分類機能はHDD搭載モデルなどで、ユーザー自身がどんな曲を入れていたか把握できないくらいのライブラリで効果を発揮するだろう。個人的にはポータブルプレーヤー側でなく、パソコンのSD-Jukeboxで重宝する機能と感じた。また、楽曲認識機能を利用して、サビなど、曲のおいしいところだけをザッピング再生する機能も利用できる。ライブラリが増加するほど便利な機能だろう。

登録した楽曲は自動的に分類される。楽曲の類似検索なども可能だ SD-Jukeboxで「切ない感じ」の曲を集めたところ。このままプレイリストにすることも可能だ SD-Jukeboxでプレイリストを作成/転送し、D-snapで楽しめる

 また、SDカードならではの機能として「リメイクSD pro」が用意されている。特定のSDカードに書き込む楽曲のルールを定めるもので、例えば「Aという歌手はこのカード」、「Bというグループの癒し系の曲はこのカード」といった具合に複数の条件も指定できる。作成したルールを画面上でクリックすると合致する楽曲がリストアップされ、そのまま書き込むことができる。

「リメイクSD pro」ルールを指定したいSDカードを選択する 条件はアーティストやジャンル、アルバム、ミュージックソムリエなどから複数指定が可能。書き込む順位も録音・インポートの新しい/古い順や、再生頻度順などが指定できる 条件に合致した楽曲は「リメイクSD pro」のルールをクリックすることで確認できる。そのまま書き込みも可能だ


■ D-dockとの連携でPCレス

 連携するD-dockの新モデルはSD/CDデッキに加え、MDデッキも備えた「SC-PM770SD」(実売45,000円前後)、SDとCDのみのコンパクトタイプ「NS550SD」(同3万円前後)が発売された。両モデルともHDDを内蔵していないのが特徴で、6万円~8万円程度の価格帯だった「SC-SX850」や「SC-SX450」と比べると購入しやすい価格になっている。

 試用した「SC-PM770SD」はSD/SDHC対応のカードスロットと、5枚のCDチェンジャー、MDデッキ、FM/AMチューナを内蔵したコンポ。CDからSDカードにSD-Audio(AAC)録音でき、5枚チェンジャーからSDカード/MDへ、一気に録音することもできる。Ethernet端子を備えており、GracenoteのCDDBから楽曲情報取得も可能だ。

SC-PM770SD SC-PM550SD

天面にD-snap port端子を備え、D-snapを乗せられる SDカードスロットも天面に用意

 天面にD-snap port端子を備えているほか、SDカードスロットも用意。D-snapを直接乗せる以外に、SDカードだけ取り出して使うことも出来る。D-dockのリモコンでD-snapの制御も可能で、再生/停止と曲送り、曲戻しが可能。D-snapで再生していたところから自動的にレジューム再生も行なえる。D-snapの充電も可能だ。

 ただし、アルバム名やアーティスト名からの楽曲検索などは行なえない。また、D-snap内のSDカードに直接録音することもできない。SDカードを取り出して本体に挿入すると、D-snapとほぼ同じメニューが表示され、楽曲検索も可能になる。もちろんCDからの録音も可能だ。

 利用方法としては、帰宅後に充電をかねてD-snapを乗せ、D-dockでレジューム再生。休日に楽曲の取り込みや管理を行なう際はSDカードを抜いてD-dockに挿すというイメージだろう。一見面倒くさく感じるが、SDカードが低価格化している現在、プレーヤーは1台でも複数のカードをMDのように使い分ける場面もあるだろう。SDカードを抜かずに全てが処理できれば、内蔵メモリと大差ない。SDカードの抜き差しを積極的に利用するよう促すソリューションとも考えられる。

 CDからSDへは最大8倍速録音が可能。ボタン1つで録音スタートができるほか、複数枚のCDから録音する際は、録音モードとSDカードの残り容量から、録音可能な楽曲数を教えてくれるなど、初心者でも使いやすくなっている。

付属のリモコン。SDカードやD-snap内の楽曲再生操作も全てリモコンで行なえる 5枚チェンジャーからの連続録音も可能だ SDカードを挿入した場合は、D-snapと同じようなメニュー画面から楽曲選択が行なえる


■ トレンドを取り入れつつ、独自の道を行く

 発売直後だが、1GBのSDカード付きでおよそ18,000円程度で販売されており、価格的にはiPod nano 2GBとほぼ同じ。ウォークマンEシリーズの1GBモデルは1万円程度、ノイズキャンセル付きのウォークマンSシリーズの1GBモデル「NW-S703F」は17,000円程度、2GBの「NW-S705F」は20,000円程度だと考えると、十分競争力のある価格だ。

 iPod nanoと比べるとメモリ容量の少なさが気になるところだが、そこはSDカード採用の強み。最近のSDカードは暴落と言っていいほどの値下がりで、大手メーカー製でも1GBで3,000円前後、秋葉原などではさらに低価格なメディアも販売されている。購入後に気軽にカードを買い足せるのは大きな魅力だ。SDカードをそれぞれが所有し、プレーヤーは家族で使いまわすなどといった利用も可能だろう。

 また、低価格/コンパクトな新D-dockも、HDDを搭載しないことでわかりやすい製品に仕上がっている。D-snapとSDカードをやりとりするという構図も理解しやすいので、PCが苦手なお年寄りなどにも適したソリューションだろう。リビングに1台D-dockがあると家族で便利に使えるかもしれない。

 プレーヤーも音質や操作性、質感などの面で他社に負けない魅力を備えている。完成度の高いノイズキャンセル機能も大きなアドバンテージだ。難点を挙げるとすれば、専用ソフトを使わなければならないという縛りと、サブスクリプションサービスへの対応だろう。もっとも、これはMOOCS側で新しいサービスが開始されないと難しい問題かもしれないが……。


□松下電器のホームページ
http://panasonic.co.jp/
□ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070405-4/jn070405-4.html?ref=news
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(2007年4月20日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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