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日本放送協会(NHK)は5日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で開発した宇宙の真空環境用ハイビジョンカメラ「ハイビジョンMoonカメラ」を、月周回衛星「かぐや(SELENE)」(H-IIA13号機)に搭載すると発表した。 かぐやは8月16日に、鹿児島県熊毛郡の種子島宇宙センターから打ち上げられる。 NHKでは、これまでもスペースシャトルの撮影(1998/2000年)や、国際宇宙ステーションからの生中継(2006年)など、宇宙でのハイビジョン撮影を行なってきたが、いずれも室内環境のみで、宇宙の真空環境での撮影は初となる。
今回衛星に搭載するハイビジョンMoonカメラは、宇宙での利用を想定して開発。日向と日陰の温度差が300度以上あるほか、電子機器にダメージを与える宇宙放射線、打ち上げ時の大きな振動などの環境条件に耐えるように設計開発し、耐久試験を重ねてきたという。 220万画素CCDを3枚搭載したハイビジョンカメラを2台内蔵。レンズは1台に望遠レンズを搭載し、もう1台には広角レンズを取り付ける。 撮影した映像は、内蔵エンコーダでデジタル圧縮し、速度10Mbpsで長野県佐久市のJAXA臼田宇宙空間観測所に伝送。伝送されたデータは、神奈川県相模原市のJAXA月ミッション運用解析センターにて、元のハイビジョン映像に復号される。 かぐやは、蛍光X線分光計や、ガンマ線分光計などの各種観測機器を搭載し、月の地形や成分の観測、重力分布の観測など、未だ謎となっている月の起源を調べるための、15のミッションが予定されている月周回衛星。こうしたミッションと合わせて、ハイビジョンMoonカメラで撮影した鮮明な映像の取得も期待されている。 同カメラを使用したミッションでは、アポロ8号で初めて撮影された、月の地平線(月平線)から昇る「地球の出(アース・ライズ)」のハイビジョン撮影なども計画されている。撮影した映像は、2007年秋以降の番組などで紹介する予定。
□NHKのホームページ ( 2007年7月5日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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