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ソニーは、4月にイタリア・ミラノで行なわれた「Salone Internazionale del Mobile(ミラノ・サローネ)」で展示したデザイン・プロトタイプを国内で初披露する「Sony Design×Master Craft Lombardia」展を7月19日~27日に開催する。会場は東京・銀座ソニービル8階の「コミュニケーションゾーン OPUS」で、入場は無料。
展示されるモデルは、ミラノを州都とするロンバルディア州の職人技術や素材と、ソニーのデザイン/AV技術のコラボレーションにより生まれたもので、コンセプトは「新しいモノの佇まい」。木材や大理石、革素材を用いたスピーカーや、サラウンドスピーカーと一体型のチェアなど10作品のプロトタイプを展示するほか、スピーカーを用いたサウンドデザインの提案も行なわれている。 実際の製品化などは未定だが、今回採用されたデザインやコンセプト、技術については、今後のAV製品に活かすことが検討される。 スピーカー内蔵チェア「座」(ZA)は、ヘッドレストの左右にあるスピーカーと、背もたれ部に埋め込まれた骨伝導スピーカーにより、バーチャルサラウンドを実現。音声はワイヤレスで伝送される。スピーカー部は頭部の位置に合わせて上下に調整できる。
「月」(TSUKI)は、プロジェクタを一体化したテーブル。反射型液晶パネル「SXRD」を用いたプロジェクタそのものを内蔵し、モチーフは「反射光で輝く月」。天面はガラスで、側面の放熱穴には月桂樹の葉がデザインされている。
「結」(YUI)は、木材と金属を一体型の筐体とした、壁掛けオーディオプレーヤーのコンセプトモデル。中央部はアンプやHDDを内蔵し、BD/DVDなどの再生を想定するメインユニットで、両端にスピーカーを配置。ステンレスを用いた金属部分はデジタル、木材(パリサンダー/ローズウッドの一種)はアナログを象徴し、デジタル信号からアコースティックな音色へつながるプロセスを表現。北イタリアの伝統的な木工・象嵌技法により、手で触れても境目がわからないほどシームレスな筐体を実現している。
「眺」(CHO)は、ロンバルディアの大理石を大胆に用いて、絵画の額のような形状を採用したスピーカー。中央は窓になっており、「窓越しに風景と音を楽しむ」イメージ。内側と外側に別のユニットを内蔵する。
「響」(HIBIKI)、「奏」(KANADE)は、円筒形状の無指向性スピーカー。振動ユニットにガラスを採用し、デザイン性と音の広がりを追求している。ルームライトとしても利用できる。同じく円筒型スピーカーの「凛」(RIN)は、大理石をスタンドとし、振動ユニットにはアクリル材を採用する。
「花」(HANA)は、アクティブスピーカー内蔵のフロアライト。中央部にウォークマンSを装着することで、イヤフォン端子経由で音楽が再生される。
「架」(KAKERU)は、革や大理石、木材などを用いた棚板型のスピーカー。インテリアに溶け込んで、スピーカーの存在を感じさせないことをコンセプトとしている。サブウーファも棚板のデザインと統一。
「遷」(SEN)は、ディスプレイとガラス製スタンドが一体化した「屏風」をイメージしたモデル。3層構造と内部の気泡などで奥行き感が演出されている。スタンドを支える底部は大理石で、ガラスは底部からLEDで照らされる。今回のモデルでは液晶モニタを裏側から貼り付けた形状だが、スタンドへのディスプレイ全体の埋め込みや、大画面化なども想定している。 「纏」(MATOI)は、パソコンの筐体を牛または鹿の革で覆ったモデル。鞄や靴のように、使いこむほど味が出るアイテムをイメージしている。今回のプロトタイプでは、色やデザインで4種類用意し、四季を表現した。
今回の展示は、ミラノ・サローネで展示されたものが全て公開されているが、ミラノ・サローネでの展示とはレイアウトが若干変更され、スピーカー群を会場の中央エリアで円形に配置。スピーカーを個別に鳴らす以外に、各スピーカーの特徴に合った楽器のパートを同時に再生するアンサンブル演奏も15分に1回行なわれる。
□ソニーのホームページ ( 2007年7月18日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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