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シャープ、第1四半期は2桁の増収を維持
-液晶テレビは30型以上が63%占める


大西徹夫取締役経理本部長

7月25日発表


 シャープ株式会社は、2007年度第1四半期連結決算を発表。売上高は前年同期比14.7%増の7,960億円、営業利益は4.5%増の422億円、経常利益は6.2%減の379億円、当期純利益は1.4%増の242億円となった。

 経常利益の減少は、減価消却制度の変更によるもの。年間では200億円程度影響すると見ている。また、特許料の支払いなどに伴う費用での為替差損の影響もあるという。



■ 高付加価値モデル「Rシリーズ」で単価上昇

AQUOSのフラッグシップモデル「Rシリーズ」

 セグメント別では、AV機器・通信機器は、売上高が前年同期比37.6%増の4,082億円、営業利益は32.9%増の127億円。液晶テレビの大画面化の進展、国内携帯電話事業の成長が貢献。収益面では、デジタル機器の価格下落の影響はあるものの、液晶テレビの大画面化などが、これをカバーした。

 「市場全体は、前年に比べて約3割の価格下落となっているが、当社は4%の単価上昇となっている。大画面モデルの販売比率が増加していること、フルハイビジョン対応、倍速対応、高コントラストを実現したRシリーズが好調であるなど、高付加価値モデルが貢献している」(大西徹夫取締役経理本部長)という。

 第1四半期における液晶テレビの販売金額は、前年同期比45%増の1,698億円、出荷台数は39%増の156万台。そのうち、国内は33.6%増の72万7000台、海外は43.1%増の83万3,000台。北米では前年同期比54.6%増の45万3,000台、欧州では2.0%増の25万9,000台、その他地域では245.7%増の12万1,000台になっているという。また、30インチ以上の液晶テレビの出荷比率は、前年同期の45%から、今期は63%にまで拡大しているという。

 「亀山第2工場において、今月からパネルの生産枚数を2倍に増強し、大型パネルの供給体制を強化したほか、ポーランド、メキシコにおいても、モジュールからテレビまでの一貫生産体制を整えた。クリスマス商戦の需要期に向けて、高画質、高付加価値モデルをタイムリーに供給できる体制が整った。海外でのプロモーションも活発化させ、世界でAQUOSブランドを浸透させる。年間900万台の出荷計画に対しては、第1四半期の実績は、計画に沿ったものだといえる」とした。

 だが、上期の薄型テレビの単価推移の見通しでは、「価格下落の進展によって、上期では当社も前年を下回るか、前年並み程度になる」としている。

 携帯電話の第1四半期実績は、販売金額が前年同期比50%増の2,085億円、台数では33%増の488万台となった。「ソフトバンクモバイル、NTTドコモ、KDDI向けのAQUOSケータイが品薄を招くなど、高機能モデルが好調に売れている」という。

 電化機器は、エアコン、冷蔵庫が伸長したものの、原材料費の高騰が影響し、売上高は前年同期比11.4%増の643億円、営業利益は49.1%減の2億円。情報機器は、採算性の低いパソコンの出荷台数が減少する一方、通信融合端末が好調に推移し、売上高が前年同期比13.1%増の1,042億円、営業利益は23.3%増の75億円となった。

 AV機器・通信機器、電化機器、情報機器で構成されるエレクトロニクス機器は、売上高が前年同期比26.5%増の5767億円、営業利益は26.4%増の205億円。「エレクトロニクス事業が売上高の75.2%(内部売上高、振替高を含む)を占め、前年同期よりも6.8ポイント増加している。営業利益でも48.7%を占め、同様に8.4ポイント増加。全社業績を牽引する役割を担っている」とした。

 LSIは、フラッシュメモリの販売減があったものの、携帯電話、デジタルカメラ向けのCCDおよびCMOSイメージャーが伸張し、売上高は前年同期比6.5%増の493億円、営業利益は55.9%減の7億円。営業利益の大幅な減少は、減価償却制度の変更によるものとしており、それを考慮すると15%減に留まるという。

 液晶は、亀山第2工場の稼働や生産体制の強化、携帯電話向けのシステム液晶の伸張のほか、大型液晶の増加、コストダウン推進効果などにより、売上高が前年同期比10.0%増の2,549億円、営業利益は7.0%増の172億円となった。

 太陽電池などを含むその他電子部品は、売上高が前年同期比3.2%減の747億円、営業利益は50.2%減の32億円。太陽電池の収益性悪化、シリコンの原材料不足が影響している。

 LSI、液晶、その他電子部品で構成される電子部品等は、売上高が前年同期比6.7%増の3,790億円、営業利益は12.5%減の212億円となった。


□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□決算資料
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/report/index.html
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-片山社長「有機ELに一番備えている会社はシャープ」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070425/sharp.htm

( 2007年7月25日 )

[Reported by 大河原克行]


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