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株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が9月20日に発売した「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の新モデル「PSP-2000」(19,800円)。AV機能の強化として、「ワンセグチューナー」(PSP-S310)や、テレビ出力機能により用途が広がったことが大きな特徴となっている。 さらに、発売直前にはデータ放送対応ファームも公開。ワンセグ視聴においてはひと通りの機能が利用できるようになった。なお、発売前のレビューで新PSPのワンセグ機能を既に試しているため、今回は新ファームの適用で利用できるようになったデータ放送を実際に使ってみた。
PSP-2000本体は発売日の9月20日に購入。しかし、ファームウェアが最新ではなく3.60だった。9月13日に先行発売されたPSP「クライシス コア -FFVII- FFVII 10th Anniversary Limited」や、初期のPSP-2000購入者は、ワンセグチューナの追加によりそのままでも番組の視聴は可能だが、データ放送を利用するためにはアップデートを行なっておく必要がある。 3.70では、ほかにXMB(クロスメディアバー)の背景やアイコンデザインを変更できる「カスタムテーマの設定」を搭載。また、サムネイルのシーンを選んで再生できる「シーンサーチ」機能や、スライドショー機能なども追加されている。なお、最新のファームは3.71で、ネットワーク接続時の安定性なども改善されている。
アップデート後、操作パネルに「d」マークが追加され、データ放送が視聴可能になった。データ放送の起動は操作パネルから行なえるほか、本体のRボタンだけでも可能。データ放送の終了もRボタンで行なえる。 利用できる機能はパソコン用のワンセグチューナとほぼ同等で、無線LAN機能を用いてデータ放送にも対応。ただし、一部の携帯専用ページにはアクセスできない。データ放送メニュー内での操作は十字キーを利用し、アナログスティックは利用できなかった。ウェブブラウザ利用時と同様に、「○」ボタンで決定、「×」で戻るといった操作も行なえる。 データ放送視聴中に「△」でメニューを呼び出すと、画面モードの切り替えが可能で、データ放送を拡大表示できる。また、「テレビリンク」機能により、登録しておいたデータ放送画面にすぐアクセスすることも可能。文字入力用に、携帯電話と同様のテンキーも用意。ただ、今のデータ放送では、通常のソフトウェアキーボード以外にテンキーのみで文字入力が必要な場面はそれほど無いようだ。
外部出力も試したところ、ワンセグのテレビ放送を40型液晶テレビに映すとさすがに粗く、データ放送も文字が大きすぎて、大画面で出力する必要性はあまり感じない。やはり、この機能はメモリースティックに記録したビデオやゲーム用と考えたほうがよさそうだ。しかし、今後のAV機能の強化によっては、さらなるAV的な使い方も提案されるかも知れない。 出力可能なテレビとしては、プログレッシブ出力に非対応のテレビもファームウェア3.70で対応した。逆に、これまでアナウンスはされていなかったが、前バージョンではプログレッシブ非対応テレビに出力できなかったということだ。
新しいハードウェアとファームにより、ワンセグをはじめとするAV機能がより強化されたPSP。携帯電話以外のポータブルワンセグ機器では、まだデータ放送に対応した機器が少ないことを考えると、ゲーム機ながらワンセグの楽しみがフルで利用できる製品だといえる。 ただ、欲を言うならワンセグの録画もサポートして欲しい。PC用ほどの高度な録画機能はできなくとも、たとえば短時間の追いかけ再生に対応し、いざというときに巻戻してセリフの聴き直しやスポーツのリプレイなどができれば、追加でチューナを買った人の満足度もかなり上がるのではないかと思う。
□SCEIのホームページ ( 2007年9月25日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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