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アナログ・デバイセズ、薄型TV開発者用ソリューション
-JPEG2000圧縮ICやオーディオプロセッサなども発表


9月27日発表


 アナログ・デバイセズ株式会社は27日、薄型テレビの開発者向けソリューションとして、新ブランド「Advantiv」を立ち上げたと発表した。

 Advantivは、開発する薄型テレビに合わせて、同社の持つ映像/音声入出力チップやディスプレイドライバなどのデバイス群から最適な構成を用意するほか、開発時に発生した問題の解決のための技術提供などを行なうソリューションとなる。

 Advantivブランドの新製品として、ワイヤレス伝送機器向けのビデオ圧縮/復号ICの新モデル「ADV216」も発表した。

 また、オーディオプロセッサ「ADAV43x2」シリーズと「ADAV44x2」シリーズ、「ADAV4101/4201」や、Class-Dアンプ「ADAU1590/1592/1513」を発表。いずれの製品も既に出荷を開始している。



■ ADV216

 入力映像の圧縮/復号を行なうICで、価格は17.35ドル(1,000個ロット時)。ワイヤレス伝送機器などへの採用を見込む。

ADV216

 圧縮方式は、JPEG2000ビデオ圧縮規格に準拠する「Wavescale」技術を採用。エラー回復性能が高く、ワイヤレス伝送の際に発生するエラーの視覚的影響を低減し、ノイズの多い環境でも鮮やかな映像の伝送が行なえるとしている。BGAパッケージで、チップサイズは13×13mm(縦×横)。

 ADV216は、2006年9月に米Tzeroが発表したUWB採用の家電向けワイヤレス伝送チップセットを利用した、ワイヤレスHDMI機器で採用されている。

 リファレンスモデルの開発は台湾ASUStekと共同で行なわれ、米国ではASUStekよりOEM供給を受けたメーカーから、すでに製品が出荷されているという。発表時の試作機と比べてワイヤレス接続の安定性が向上したほか、映像や音声などの品質も向上したとしている。

会場では、ADV216を採用するワイヤレスHDMI機器が参考展示。HD DVDプレーヤーで再生した映像を2台のテレビで同時に表示するデモを行なっていた ワイヤレスHDMI機器のリファレンスモデルはASUStekと共同開発


□ニュースリリース
http://www.analog.com/jp/press/0,2890,3%255F%255F162509,00.html



■ ADAV4101/4201、ADAV43x2/ADAV44x2

 薄型テレビやホームオーディオ機器向けオーディオプロセッサIC。いずれも80ピンのLQFPパッケージで提供される。価格はADAV4101が7.68ドル(1,000個ロット時)、ADAV4312が10.5ドル(同)など。

ADV4101/4201、ADV32x2/44x2の主な特徴

 カスタム可能な28bit DSPを搭載。24bit ADC/DACを内蔵し、S/N比は95dB。「自動ボリュームコントロール」機能や、低音を強調する「ダイナミック・バスブースト」機能、マルチバンドイコライザなどの機能を備えるほか、最大200msまでのリップシンクに対応。

 I2Sインターフェイス接続のデジタル音声入力や、音声出力、光デジタル出力などを搭載。サンプリング周波数を低くできるというPWM(パルス幅変調)方式に対応するモデルなども用意する。

 ADAV4312/4322では、非同期の音声出力と同期音声出力を装備。対応するテレビ方式は、ADAV4312/4412がNTSCで、ADAV4322/4422はワールドワイド対応となる。



■ ADAU1590/1592/1513

 薄型テレビや、PCオーディオ向けのClass-Dステレオパワーアンプで、48ピンのLFCSP/TQFPパッケージで提供される。価格はADAU1590が3.45ドル(1,000個ロット時)、ADAU1592が3.62ドル(同)、ADAU1513が3.11ドル(同)。

ADAU1590/1592/1513の主な特徴

 ADAU1590/1592は、PDM(パルス密度変調)をチップに内蔵。出力エラーがスピーカーに送られる前に信号を補正する「クローズド・ループ・アークテクチャ」を採用する。

 集積ΣΔモジュレータを内蔵。アナログ入力信号を受け取ったあと、スイッチング出力を生成し、スピーカーを直接駆動する。6Ω時の出力はADAU1590が11.5W×2ch、ADAU1592が18W×2ch。

 ADAU1513は、PWM方式に対応するオーディオプロセッサから直接駆動するアンプで、出力は14W×2ch(6Ω時)。



■ 技術の“Advantage”に自信

アナログ・デバイセズ アドバンスド・テレビ事業部ディレクター Bill Bucklen氏

 発表会では、アナログ・デバイセズのアドバンスド・テレビ事業部ディレクター Bill Bucklen氏が新製品について説明した。

 「薄型テレビに求められているのは、主に“高品質の映像”、“サウンド”、“接続の容易性”の3点。高画質の映像を見ていると、人は音声にも高品質を求めてしまうが、単体の薄型テレビでは高音質のスピーカーを入れるためのスペースがあまりなく、省電力の問題などもあるため、実現するのは難しい。こうした問題を解決するには、今回発表のClass-Dアンプやオーディオプロセッサが最適だ」とした。

 Advantivブランドについては「古くからアナログ信号技術を研究してきた、技術の“advantage”に掛けて、“Advantiv”と命名した」とブランド名の由来について解説した。

 また「昨今の薄型テレビは、新機能の追加や高解像度化などの進化が著しく、どんどん高性能になっている。ところが高性能になることで、設計時の問題が増加しており、開発は昔よりも困難になっている。こうした問題に対して、Advantivの設計ソリューションが解決策を提供できる」とした。

□アナログ・デバイセズのホームページ
http://www.analog.co.jp/
□ニュースリリース(オーディオプロセッサ/Class-Dアンプ)
http://www.analog.com/jp/press/0,2890,3%255F%255F162506,00.html
□ニュースリリース(Advantiv)
http://www.analog.com/jp/press/0,2890,3%255F%255F162505,00.html
□Advantivソリューションのホームページ(英文)
http://www.analog.com/advantiv
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-テレビのリモコンでポータブル機器を制御可能に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070824/analog.htm

( 2007年9月28日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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