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デザイン総合イベント「東京デザイナーズウィーク 2007」
-ビクターが女性シンガーをイメージしたスピーカー


会場入り口にはマイケル・ヤング氏がデザインした「LOVEボタン」が展示
開催期間:10月31日~11月4日

入場料:2,000円(事前登録で1,500円)


 今年で22年目を迎えるデザインイベント「東京デザイナーズウィーク 2007」が10月31日~11月4日までの日程で開催されている。メイン会場は東京の明治神宮外苑で、各メーカーや大学が特設テントを設け、様々な作品/製品を展示している。入場料は2,000円(事前登録で1,500円)。また、会場以外でも赤坂アークヒルズなどで、連動イベントが行なわれている。

マツダは新型デミオをデザイン面から紹介 明治神宮外苑にテントを張り、内部で展示が行なわれている

 会場では大型家具からバッグなどの小物、衣類、照明器具、時計など、様々なものが展示されているが、ここではAV機器に関連した展示をメインにレポートする。


■ ビクターが独創的なスピーカーを展示

ビクターのブース

 日本ビクターのブースでは、同社デザインセンターが手掛けたスピーカーのコンセプトモデルが3機種展示されている。いずれも従来のスピーカーの概念とは異なるデザインとなっており、「個性を発揮しながら、インテリアとして部屋に溶け込むデザインを目指している」という。

 微妙な曲線のラインを持つスリムなスピーカーは「ドレス」と名付けられており、「歌う女性シンガーのシルエットをイメージした」という。インテリア風デザインのスピーカーでは、無指向性でBGMを再生する場合が多く「どこから音が鳴っているのかわからない」ような、目立たないデザインが採用されることが多い。しかし「ドレス」はシンガーをイメージすることで、コンセプトは同じながら、あえて存在感を高め、リスナーに音像を意識させる点が新しい。

 一見どこにユニットがついているかわからないが、上部に独自の無指向性DDスピーカー(Direct Drive Stick Speaker)ユニットを搭載。その上から、エンクロージャ全体を覆うように「ストッキングをイメージした」というレースをかぶせており、ユニットの場所がわからないようになっている。再生音も中域の豊かさを重視しており「ヴォーカルの品質にこだわっている」という。エンクロージャーはアルミ製。

「ドレス」 上部にDDスピーカーを内蔵 ストッキングをイメージしたレースで覆われている

 ゆがんだリングのような形状のスピーカーは「リボン」と名付けられており、こちらにもDDスピーカーが2基搭載されている。「音の動きと同時に、指揮者が振る指揮棒の動きをイメージしたフォルム」だという。素材は「ドレス」と同じアルミ製。

「リボン」 DDスピーカーを内蔵する

 「Weave」(ウィーブ/編む/編み込む)と名付けられたスピーカーは、同社が2006年9月に発表した、12面体構造を持つ「呼吸球式スピーカー」を内蔵したモデル。呼吸球とはその名の通り、呼吸するように膨張/縮小する球体のこと。風船のようなイメージで、呼吸するように振動することで音を発する。

「Weave」 内部にあるのが呼吸球式スピーカー

 全体が振動板と言えるため、全方向に同じ波面を伝播でき、放射インピーダンスに乱れがなく、キャビネットが無いため回折も無い。平板状音源に近づいた時に発生する近距離音場の乱れがなく、スピーカーのキャラクターも無いため、原音に忠実な再生が行なえるというのがコンセプトだ。試作機では様々なカラーのネットで覆ったフロア型スピーカーに組み込んでいる。

 これらのスピーカーの製品化は決定していないが、「プレーヤーやテレビなどと合わせ、デザイン性の高いトータルなシステムとして提案したい」(第3デザイングループの土屋人詩デザイナー)という。スピーカーケーブルや電源ケーブルが這うと美観が損なわれるため、Bluetoothレシーバの内蔵やバッテリー駆動、アンプの内蔵なども検討しているという。

□関連記事
【2006年9月14日】ビクター、理想音源を追求した「呼吸球式スピーカー」を開発
-12面体構造を採用。呼吸するように音を放出
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060914/victor.htm


■ REGZA BARで液晶テレビを体験

 会場「100%Design Tokyo」の内部は非常に広いため、中央には東芝が提供する「100% REGZA BAR」が設置されており、ドリンクや軽食で休憩ができるようになっている。バー全体のデザインは、著名なデザイナーであるマイケル・ヤング氏によるもので、同氏は会場入り口に設置された「LOVEボタン」のデザインも手掛けている。

「100% REGZA BAR」 各所に「RF350シリーズ」がレイアウトされている

 バーの中には、東芝の液晶テレビ「REGZA」の中でも、デザイン性を追求したという「RF350シリーズ」が展示されている。46型「46RF350」と40型「40RF350」が並べられ、ボディカラーは46型がエスプレッソブラック(K)、ロセットレッド(R)の2色。40型ではブラックとレッドに加え、チーニョホワイト(W)、マリノブルー(B)の合計4色から選べる。

 メニューは「スパイシーチキン」のサンドイッチ(600円)や、カフェラテ(600円)、「コーヒー」(400円)などが用意されており、開放的な雰囲気の中でゆったりとREGZAの画質が楽しめる。

□関連記事
【8月20日】東芝、スリムベゼル採用の「REGZA」新シリーズ
-46/40型のデザインコンシャスモデル「RF350」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070820/toshiba3.htm


■ CDがむき出しになったプレーヤー

「lunacalante」

 ハーズ実験デザイン研究所のブースでは、デザインブランド「METAPHYS」の各種製品を展示している。その中に、一風変わったCDプレーヤーを見つけた。「lunacalante」(ルナカランテ)と名付けられたもので、スピーカーとアンプ、CDプレーヤーが一体化している。2008年夏の発売を予定しており、価格は5万円程度を想定しているという。

 「音を見ることができるプレーヤー」をコンセプトにしており、最大の特徴はローディング中のディスクが外に露出していること。スロットインドライブのメカ部の下半分を切り落として内蔵しており、天面からディスクを挿入すると、そのまま筐体を突き抜けて、ディスクの下半分が、筐体の下から露出するようになっている。

 ディスクは上部からのランプでライトアップされており、レーベル面ではなく、あえて記録面を正面に向けることで、回転しながら光を反射するディスクの美しさが際立つという。操作部は天面に用意。再生中のトラックナンバーなどはプロジェクタのように下部の台に投影する予定。スピーカーは上部筐体に下向きに設置されており、反射を利用して音を前面/後方へと放出している。外形寸法は750×97×194mm(幅×奥行き×高さ)。

スロットローディングの挿入口と操作部は天面に用意 ディスクを挿入すると、下部まで突き抜けて、半分が露出される 下に向かって取り付けられたスピーカー。反射音をリスナーに届ける


■ ポータブル機器をすっきり充電

フットスタンド機能も備えた「babel」

 ポータブルオーディオプレーヤーやゲーム機、携帯電話など、充電する機器が増加すると、コンセントの周囲が様々なACアダプタ、充電台、コードなどでグチャグチャになってしまうもの。デザイナー、根本崇史さんによる「PORE BY TAKAFUMI NEMOTO」のブースでは、そんな充電環境をスッキリさせる製品の試作機が展示されている。

 筐体の内部が空洞になっており、複数のコンセントを内蔵。そこに各製品のACアダプタを接続/収納。充電時の置き台も兼ねた天面に隙間が空いており、そこから各種充電ケーブルのみを引き出して利用するという製品。ACアダプタやケーブルなど、ゴチャゴチャした部分を全て筐体内に隠せるのが特徴だ。

 「babel」と名付けられたモデルは筐体下部が発光し、フットライトとしても使える製品。フットライトを省いた低価格モデル「rafflesian」や、卓上設置用の小型モデル「utsuwa」なども製作中だという。

左がフットライトを省いた低価格モデル「rafflesian」。天面の隙間からコードだけを引き出す 卓上設置用モデル「utsuwa」


■ その他

富士フイルムのブースに展示された3色層の液体

 富士フイルムのブースでは、イエロー、マゼンタ、シアンの3色にわかれた不思議な液体が展示されている。ドレッシングのように水と油で構成されているのだが、油の部分の濃さを調整することで3層にわけている。その上で、それぞれの層の液体にのみ溶解する色素を合成。純度や比重も慎重に調整し、完成させたという。

 ビンを振れば黒っぽい液体になるまで混ざり合うが、放置するとすぐに鮮やかな3層にわかれるのが特徴。ライトアップすると非常に美しいインテリア用パーツとして使えそうだが、同社ではインテリアを手掛けていないため、イベントを通じて各メーカーへの提案を行なっていくという。

振ると混ざり合うが、すぐに3層/3色に分離する

 ほかにも、AVルームやリビングなどで利用できそうな、個性的な椅子なども展示されている。

「クリオネ」をイメージしたLEDライト。笠原英里子さんデザインによるもので、引っ張って手を離すと、ゆらゆらと上下に揺れる マインドスケーブによるデザインの“芝生椅子”「peddy」。自然との新しいコミュニケーションを提案している 西脇一郎さんによるリクライニングチェア「HEARTS」。誰もが幸せを感じる形を、家具に取り入れたという


□東京デザイナーズウィークの公式サイト
http://tdw07.excite.co.jp/

(2007年11月2日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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