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スカパーJSAT株式会社は15日、社長定例会見を開催。2007年度第中間期の業績説明や、新PPVサービスやIP放送への取り組みなどについて解説した。 中間期のグループ連結営業収益は601億2,800万円、営業利益は68億5,400万円、純利益は82億1,000万円。内訳ではスカイパーフェクトTVが営業収益449億7,200万円、純利益12億7,600万円、JSATが営業収益193億4,100万円、純利益27億7,300万円。総登録者数は428万1,000人で、個人登録者数は365万5,000人。中間期の純増数は3万7,000人、解約率は11.2%。 ■ e2byスカパー!のプロモーションを強化
スカパーJSATの仁藤雅夫社長は、今後の事業展開について説明。通期の新規加入目標は、スカパー!光を3万件減の4万件に修正。スカパー!および、e2byスカパー!は、当初見込み通りで、スカパー!が25万件、e2が28万件。個人の新規加入見通しは、3万件減の57万件に下方修正したという。 サービス別の加入動向については、110度CSデジタルの「e2byスカパー(e2)」が好調で、下期はe2に重点をおいてプロモーション展開などを図っていくという。 新規個人契約数は、2006年の第2四半期に、スカパー!(124/128度)の54,000件に対し、e2(110度CSデジタル)が33,000件と、スカパー!の加入者が上回っていた。しかし、2007年第2四半期にはこの比率が逆転、スカパー!の49,000件に対し、e2が54,000件で、7月以降は常にe2が上回っている。 仁藤社長は、「3波共用のデジタルテレビの普及が本格化しており、そのテレビでそのまま見えるという点が大きい」とe2の伸長を分析。「さらに、北京五輪に向けて、ますますデジタルテレビが増えていくため、e2を重視してマーケティング活動などを展開する」という。 加入者の特性調査でも、スカパー!は、サッカーや公営競技、音楽など、見たい番組、目的がはっきりしている。e2は、映画やアニメが多く、リビングでファミリーが楽しむコンテンツに人気が集まっているほか、プロ野球のために「地上波の代わり」と考えて加入する層が非常に多いという。 さらに、加入者の年齢層も、20~30代で過半数を占めるスカパー!に比べ、e2は40~60代まで幅広く分布しており、団塊世代やファミリー層も取り込んでいるという。そのため、「専門チャンネルのスカパー!に対し、e2は、ファミリー層、一般層向けという位置づけを考え、この層に最大限にアピールできるよう取り組みたい」とする。
そのため、「デジタルテレビの所有者にe2の認知を広げる必要がある」とし、新聞広告やテレビ広告を強化。ウエンツ瑛士と小池徹平による「Wat(ワット)」を起用した広告プロモーション「Wat's e2?(イー・ツーってなんだ?)」を展開。手持ちのテレビで、簡単にスカパーを視聴できることを徹底してアピールしていくという。 また、HD化については、2008年春に7チャンネルまで増加するほか、「早期に10チャンネルまで増やしたい」としている。 ■ 124/128度のスカパー!は2段階でHD化。「シネメロン」もスタート
124/128度CSデジタル放送の「スカパー!」については、2008年秋以降に、H.264/MPEG-4 AVCを利用したHDサービスの提供開始を予定しているが、「そこに至るまでは我慢の時期(仁藤社長)」。そのため、2007年度は加入純減を想定しているという。 スカパー! 向けの施策としては、Jリーグやプロ野球を核とした地域ごとのマーケティングを徹底するほか、WOWOWとサッカーセットにおいて協力するなど、専門性の強いチャンネル展開で顧客満足度の向上を図る。さらに、各チャンネルと共同し、毎月キーワードを設定して、チャンネル横断的な広告展開を図る。11月には映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の公開にあわせた「大昭和祭」を実施しており、昭和30年代をキーワードに各チャンネルにコンテンツのラインナップを依頼。各チャンネルのコンテンツをまとめて、共同プロモーションを行ない、スカパー!の魅力を伝えていく。 また、公開中の映画やDVD化前の作品を、PPVで放送する「もぎたて映画館 スカパー! シネメロン」を12月よりスタート。Ch.174で毎週金曜の21時にレギュラー放送し、視聴料金は劇場同時公開時の場合1,800円、DVD発売前の作品は800~1,500円。 放送予定の映画は、「上質な単館系作品」としており、12月の放送作品は、「レベル・サーティーン」、「愛の予感 ~プレミアエディション~」、「アヒルと鴨のコインロッカー」。デジタル/アナログコピー不可で、放送される。単館系映画は都市部での上映が多いため、地方でもそれらの映画に簡単にアクセスできる点を訴えていく。 HDサービスは、2008年秋の第1期にPPVやプレミアムチャンネルを中心に約10チャンネルでスタートする。さらに、2009年秋を目標にベーシックチャンネルを中心とした30チャンネル程度を追加し、より高機能な受信機を投入する第2期サービスを導入する予定という。
また、スカパー! 光については、新規加入を下方修正したものの、「戸建の加入件数が、7月以降増えている」とのことで、特に関東地方では「かなり好調」という。 RF方式のスカパー!光だけでなく、IP方式でのFTTH展開も予定。NTTグループが展開予定の次世代ネットワークサービス「NGN」を使ったIP放送については、「スカパー!光の東名阪だけでなく、IPでは全国展開も図れる。HDのコンテンツアグリゲーションに取り組んでいきたい」とする。 FOMA 905iシリーズの発売にあわせて、iモードの「Music&Videoチャネル」内に専用コンテンツ配信サイト「スカパー! チャネル」を開設したほか、2012年以降の事業化を予定しているモバイルメディアサービスの企画会社設立など、モバイル事業にも積極的に取り組む。なお、J-SATにおける、予備衛星JCSAT-11の打ち上げ失敗については、打ち上げ保険で投資損失を全額カバーする見込みで、「影響は軽微」としている。 □スカパーJSATのホームページ ( 2007年11月15日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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