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米パラマウント・ピクチャーズと株式会社東北新社が、映画「シェーン」の著作権侵害を理由に、低価格DVD販売会社に対し販売差し止めなどを求めていた訴訟において、最高裁判所は、販売差し止め申し立てを却下。1953年公開映画作品の著作権消滅が確定した。 訴訟は、映画著作物の著作権保護期間が終了しているのか否かという解釈が争点。著作権法の改正により平成16年(2004年)1月1日以降、映画の著作物保護期間は公表後50年から70年に延長された。同期間を過ぎた作品については、「パブリックドメイン」として、誰でも自由に利用可能となる。 シェーンは昭和28年('53年)に公開され、平成15年(2003年)をもって公開後50年を迎えた。これら'53年公開作品が70年の延長対象になるかどうかが争点で、パラマウントら原告は「新法による保護期間延長は、1953年公開作品にも適用される」と訴えていた。一方、低価格DVD販売各社はパブリックドメイン作品となったと主張していた。 最高裁は、「本件映画を含め、昭和28年に団体の著作名義を持って公表された独創性を有する映画の著作物は、改正による保護期間の延長措置の対象となるものではなく、その著作権は平成15年(2004年)12月31日の終了をもって存続期間が満了し消滅したというべきである」と結論。上告を棄却した。 また、パラマウントらは、改正法の成立にあたり、「昭和28年に公表された映画の著作物の保護期間の延長を意図する立法者意思が存したことは明らかで、その意思に沿った解釈をすべき」と主張してきた。しかし、最高裁では、「国会審議や附帯決議などによって明らかにされたということはできず、法案の提出準備作業を担った文化庁の担当者において、延長の対象に含まれるものと想定していたにすぎず、立法者意思が明確であるとすることはできない」と結論している。 □関連記事 ( 2007年12月19日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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