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【International CES基調講演レポート】
松下の坂本AVC社長が150型などプラズマ最新技術を紹介
-壁一面がテレビの“Life Wall”も


坂本俊弘社長と150型プラズマ

会期:1月7日~10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
    Sands Expo
    The Venetian


松下電器産業AVCネットワークス社の坂本俊弘社長

 International CES初日となる7日(現地時間)、松下電器産業AVCネットワークス社の坂本俊弘社長によるキーノートスピーチが行なわれた。

 世界最大となる150型プラズマディスプレイが初公開されるなど、プラズマの新たな取り組みを中心に紹介。また、テレビやHDビデオカメラを中心とした“家族のデジタルライフ”を推進する同社の方針が象徴されたスピーチとなった。


■ 150型、1インチ以下などプラズマのブレイクスルー

 この日、会場を最も盛り上げたのは、最新の研究成果によるブレイクスルーとして紹介された、プラズマディスプレイの技術。プラズマだけでなく、テレビ全体の意識を変えるとして紹介された。

 坂本氏は「次世代プラズマ」として、最薄“1インチ以下”(24.7mm)のディスプレイと、「ジャイアントサプライズ」として、世界初公開となる150型プラズマディスプレイを披露。これまで最大だった103型を大きく上回っており、年間1,200万枚の生産が可能になるという過去最大のプラズマ新工場の稼動(2009年5月)とともに、提供可能になるとしている。

“1インチ以下”の薄型プラズマディスプレイ 坂本氏から「150型」が紹介されると、会場からは歓声と“信じられない”といった反応が漏れた

そのほか、発光効率が2倍となり消費電力の大幅な低減が見込まれるプラズマパネル新技術も発表された

 同社では今回の150型プラズマを“ライフスクリーン”と称しており、サイズだけでなく、4K×2K(4,096×2,160ドット)解像度の精細な画質も特徴。当初はデジタルシネマや広告用途が想定されているが、坂本氏は「将来的には家庭用のラグジュアリーモデルとしても利用される。オリンピックをこのプラズマで見ることができることを想像してみてください」と訴えかけると、会場は大いに沸いた。

 坂本氏は、現在のHDテレビ市場の盛り上がりについて触れ、「かつて友人や家族が暖炉の火に集まったように、“デジタルの火”に家族が集まるように」というコンセプトのプログラムを発表。これは米国で既に行なわれているもので、家庭に同社の薄型テレビ「VIERA」やデジタルビデオカメラなどのHD製品を提供。「ユーザー体験を向上させ、ファミリータイムを新しいレベルに上げる」ことを目的としており、「2009年までに100家族で行ないたい」という。


■ VIERAで利用可能な新サービスなどの提案も

 テレビにおける新たなサービスとしては、VIERA上でYouTubeの視聴が簡単に行なえるほか、Googleの写真管理・共有サービス「Picasa」とも連携したネット接続機能「VIERA CAST」を紹介。

VIERA CASTの画面 YouTube動画もダイレクトに再生できる ゲストとして、YouTubeからCTOのSteve Chen氏(中央)と、GoogleからはPicasa担当プロダクトマネージャのMike Horowitz氏(左)が来場

 さらに、米国CATV事業者ComcastとVIERAでの協業を発表。tru2wayというサービスは、1つの番組を2つのテレビで時間差を置いての同時視聴できる「真の双方向機能」が2008年後半より利用可能になるという。さらに、録画機と着脱可能なポータブルメディアプレーヤーを組み合わせて、録画番組を、切り離したプレーヤーで好きな場所で再生できるというソリューション「AnyPlay」も提案された。

録画とポータブルでの視聴を可能にするソリューションのデモ。右はComcastのCEO、Brian L.Roberts氏 本体は通常のSTBのようにも見えるが、クレードルから上の部分を取り外すことで、ポータブルビデオプレーヤーとして利用できる

小型テーブルのようなスペースにビデオカメラを置き、テレビとワイヤレス通信

 ビデオカメラとの連携では、1月3日に発表されたAV機器向けのHD映像無線伝送規格「WirelessHD」を用いた機能として、新たにムービーカメラからテレビへのワイヤレス伝送をデモ。

 通信機能を備えたテーブルにカメラを置くと自動で画面上に撮影コンテンツの一覧が表示され、テレビのリモコンで操作できるというもの。「2009年には提供可能」としている。

画面上に再生メニューが表示され、リモコンで選択できる デモの最初に、テレビから出ていた太いケーブルを坂本氏が最初に大きなハサミで切断していたパフォーマンスを行なったが、これが映像で再現されると、会場からは拍手が


■ 壁一面がディスプレイの“Life Wall”

Life Wallの画面

 坂本氏は、キーノートの最後のテーマとして、家の壁全体をディスプレイとして、映像再生やインテリアとして利用するインタラクティブなテレビ「Life Wall」を紹介。

 映像コンテンツを好みのサイズと表示位置で再生できるほか、人が動いても映像の表示位置がついてくる「Stay-With-Me-TV」、家族の個々人の顔を認識することで特定の画面表示位置を記憶できる機能「You-Know-Me-TV」などが利用できるほか、映像を用いた通信教育などでの利用も想定。操作は、手をかざして行なう非接触のインターフェイスとなっている。

 坂本氏は「Life Wallは全てを取り入れる未来の新しいコミュニケーション方法。これは想像だけの世界ではなく、デジタルハウスが新しい夢を可能にする。これからも見守ってほしい」と実現に向けた力強い言葉で締めくくった。

テレビのように映像を鑑賞 人の動きにテレビがついてくる「Stay-With-Me-TV」 テレビ電話のようにコミュニケーションツールとしても利用可能

□2008 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
□ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn080108-14/jn080108-14.html?ref=news
□2008 International CESレポートリンク集
http://av.watch.impress.co.jp/docs/link/2008ces.htm

( 2008年1月8日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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