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【Dolby/DTS編】トランスフォーマーが人気のDolby
-DTSはステレオ機器用バーチャルサラウンドを発表


Dolbyブース

会期:1月7日~10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
    Sands Expo
    The Venetian


 Blu-ray DiscとHD DVDの登場から1年以上が経過し、ドルビーTrueHDや、DTS-HD Master Audioなどの最新オーディオコーデックの対応機器も増えてきた。DolbyやDTSでは、パッケージメディアや既存の映像産業だけでなく、幅広い業種に向けた新たなサウンド技術を提案している。


■ 「バンブルビー」が大人気のDolbyブース。HDR技術もデモ

巨大なバンブルビーが出迎えるDolbyブース HDR技術による「Dolby Contrast」デモ

 ドルビーは、映画「トランスフォーマー」に登場するバンブルビーをブース中央に配している。このバンブルビーは、映画に使用したものをそのまま展示しているとのことで、バンブルビーの足元でHD DVD「トランスフォーマー」を再生している。また、多くの来場者が足をとめ、記念撮影をするなど、人気スポットとなっていた。

 ブースでは、CEATECでも公開していた白色LEDバックライトを用いた液晶テレビのコントラスト改善技術「HDR(high dynamic range)」のデモを行なっている。白色LEDをバックライトとして利用し、表示映像をリアルタイムで解析し、各LEDを画像の対応する箇所の明るさにあわせて点灯/消灯することで、映像のコントラスト感を向上する。

 同技術については、10月のCEATECでもデモを行なっていたが、「Dolby Contrast」の名称で、液晶テレビメーカーなどへの採用を呼びかけていく方針。第1四半期内にテレビメーカーなどに提供予定という。

 また、同じくCEATECでも披露された「ドルビーボリューム」についてもデモスペースで紹介している。

 ドルビーボリュームは、テレビのチャンネル間音量差や、映画音声の急峻な音量の変化などを抑えながら、楽曲やセリフなど、コンテンツ本来の迫力やニュアンスを正確に再現するというボリューム技術。周波数制御だけでなく、時間変化の解析/制御を導入することで、不自然な効果やゆがみがなく、音量レベルを適切に保持できる。

 テレビやアンプ、ポータブルプレーヤーなどのさまざまな音響機器向け展開を予定しており、ドルビーボリューム対応のオンキヨーのAVアンプも参考展示されている。


Syntax Brilliantのドルビーボリューム対応テレビ試作機 ドルビーボリューム対応のオンキヨー製AVアンプ試作機

 ドルビーTrueHDやドルビーボリュームのデモ用シアターも用意。入場者には、Blu-ray DiscとHD DVDのデモディスクが配布されることもあり、長蛇の列ができていた。

 そのほか、IPTV事業者向けのSTBなどで、ドルビーデジタルプラスの採用事例などを紹介。ドルビーデジタルよりも高品質かつ高い圧縮率を生かし、各国のIPTVで採用が進んでいるという。

IPTVでの採用が進むドルビーデジタルプラス 各社のTrueHD、DD+対応プレーヤーを一堂に



■ DTSはステレオ製品用のサラウンド技術を発表

DTS Surround Sensationのロゴ

 DTSは新しいバーチャルサラウンド技術「DTS Surround Sensation(DSS)」を発表した。これはステレオ2chのスピーカーやヘッドフォンで、バーチャルサラウンドを実現する技術となる。

 DTSでは、2chソースを5.1/6.1ch化するバーチャルサラウンド「DTS NEO:6」などのバーチャルサラウンド技術を有しているが、ステレオ2chのスピーカー/ヘッドフォン向けバーチャル化技術は同社初という。

 ステレオであれば、接続するヘッドフォンや、スピーカーの種類などは問わず利用できる。安価なスピーカーでも十分なサラウンド感を得られるような工夫が施しているという。また、音場の広がりに加え、低域の強化や、セリフの聞きやすさの向上が図られる。

 同様の技術としては、ドルビーの「ドルビーバーチャルスピーカー」、「ドルビーヘッドフォン」などがあるが、DTS Surruound Sansationの特徴としては、「自然な広がりに加え、長時間の利用でも聞き疲れしない点」としている。

 会場では、ヘッドフォンを利用したDSS体験コーナーを設けており、Beatlesの楽曲などで、効果が体験できた。同技術をライセンスし、テレビやアンプ、PCソフトウェアなどでの対応製品拡充を目指すという。

 搭載製品の発売については、「すでに数社に提案しているが、非常に好評。ハードウェアについては、各半導体メーカーが実装を進めており、それらを使った製品が数カ月後には対応製品が発売されるのではないか」とした。なお、ブース内ではArksoftのDVDプレーヤーソフトが最初の実装例として紹介されていた。

DTS Surround Sensationのデモ ArksoftのDVDプレーヤーソフトがDTS Surround Sensationに対応

 また、BD/HD DVDに採用されているロスレスコーデック「DTS-HD Master Audio」に対応したAVアンプやプレーヤーを一堂に展示。さらに、衛星から1080pの映像配信などを行なう「XSTREAMHD」のサービスを説明している。

 XSTREAMHDは、2008年の第4四半期にスタート予定の、衛星通信を使ったオンデマンド型の映像配信サービス。同サービスでは、ユーザー宅に500GB/1TB/2TBのHDDを搭載した「HD Media Server」と、ネットワーククライアントの「HD Media Receiver」を設置。Media Serverに1080pで配信される映像(MPEG-2/4、MPEG-4 AVC/H.264)をネットワークを介してクライアント側で出力できる。

 この映像配信時に24bit/96kHzのDTS-HD Master Audioを利用する。XTREAMHDでは「スタジオ品質映像と音楽が楽しめる」とアピールしている。なお、HD Media ServerはDLNA v.1.5対応のサーバーとしても動作し、クライアントからHDD内のビデオや音楽ファイルをネットワーク経由で再生できる。また、最大4台までのレシーバーに同時に出力可能という。

各社のDTS-HD Master Audio対応機器を展示 XTREAMHDのHD Media Server(右上)とHD Media Receiver

□Dolbyのホームページ(英文)
http://www.dolby.com/
□DTSのホームページ(英文)
http://www.dts.com/
□2008 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/
□関連記事
【リンク集】2008 International CESレポートリンク集
http://av.watch.impress.co.jp/docs/link/2008ces.htm

□関連記事
【2007年1月3日】CEATEC JAPAN 2007【Dolby編】
液晶テレビ向けコントラスト改善技術を初公開
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071003/ceatec13.htm

( 2008年1月11日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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