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松下、“デジタルシネマに迫る”プレミアムVIERA「PZ800」
-50/46/42型フルHDの漆黒の黒と「パワーアスリート画質」


PZ800シリーズ

4月20日発売

標準価格:オープンプライス


 松下電器産業株式会社は、“新世代PDP”を採用し、コントラスト3万:1を実現するプラズマテレビ「VIERA PZ800シリーズ」を4月20日より発売する。

 50型の「TH-50PZ800」と46型の「TH-46PZ800」、42型の「TH-42PZ800」の3モデルをラインナップし、価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は50型が50万円前後、46型が43万円前後、42型が37万円前後の見込み。

 50/46/42型のいずれも1,920×1,080ドットのフルHD解像度を持つ、「新世代PDP」を採用。同社のプラズマテレビとしては、初の46型サイズを追加している。同日に発表された、PZ80、PZ75でも新世代PDPを搭載するが、PZ800はパネルの広色域化や、新開発の「カラーリマスターシステム」の導入などで、画質強化を図ったVIERAの最上位機「プレミアムシリーズ」と位置付けられている。


TH-50PZ800 TH-46PZ800 TH-42PZ800


■ 新パネルや広色域化などで、「デジタルシネマに迫る」高画質

新パネルの構造。誘電体層上のダイナミックブラックレイヤーが最大の特徴

 新VIERAシリーズでは、フルHDの「新世代PDP」パネルの導入や、各種新技術による画質向上を「パワーアスリート画質」と命名。北京オリンピックに向けて、フルHDや色再現、動画再生性能などの高い能力を生かした、“臨場感ある画質”をアピールしていく。

 新世代PDPでは、PDP前面板の誘電体層上に、新開発の「ダイナミックブラックレイヤー」を搭載。これは従来の保護層の部分に新素材からなる新しい構造層を構成したもので、「従来はトレードオフの関係にあった初期電子放出時間の短縮と電化保持電圧の低減を両立する画期的な技術」としている。

 これにより、“黒浮き”の原因となる予備放電を従来モデル(PZ750)の約3分の1に低減し、コントラスト比3万:1(同1万:1)を実現した。さらに、42型フルHD PDPで培った細幅リブ技術を46型や50型にも応用展開し、パネルの開口率を向上。新蛍光体の採用やダイナミックブラックレイヤーによる微小セル高速安定放電とあわせて、明るくダイナミックレンジの広い映像を実現したという。

新世代PDPでコントラスト3万:1を実現 ダイナミックブラックレイヤーと新細幅リブ、新蛍光体の採用でコントラストを向上 従来モデルとのコントラスト比較デモを実施

HDTVを100%カバーし、デジタルシネマの色域をほぼカバーする「広色域プラズマパネル」

 また、新開発の蛍光体材料やプロセス技術、光学フィルターの導入で色表現を向上した「広色域プラズマパネル」とし、色空間は、HDTV放送規格(ITU-R.BT709)の色域を100%カバーした上で、色域面積比約120%を実現。x.v.Colorにも対応する。

 パネルそのものが、デジタルシネマの色表現領域をほぼ満たしている。さらに、パナソニックハリウッド研究所(PHL)における、映画ディスク制作のノウハウを活かし、デジタルシネマに迫る広色域表現を可能とする「カラー リマスターシステム」も新搭載した。

 これは、BDやDVDのオーサリング時に、カラーリスト(色づくりの専門家)が行なう「色域圧縮」のノウハウを活かしたもの。ビデオタイトル制作時には、より高画質なマスターから、ディスクの規格に準拠するように色域の圧縮を行なうが、この工程における画質劣化を防ぐ色表現のノウハウをPHLで蓄積している。このノウハウをもとに「カラープロファイル」を作成し、同プロファイルと新開発の3次元カラーマネージメント回路を使い、色域圧縮とは逆方向の“広色域化”処理をVIERA内で行なう。

 同技術により、「従来表現できなかった深く豊かな色表現が可能となった。深紅や紫のコスチューム、輝く金メダルなども素材の持つ細かなテクスチャーまで質感豊かに表現する」としている。なお、カラーリマスターは、BDやDVDソフトだけでなく、デジタルテレビ放送映像にも有効で、ユーザーによるON/OFF切り替えも行なえる。なお、出荷時の初期設定もONとなる。

カラーリマスターにより、デジタル放送も高色域化 カラーリマスターON(左)と、OFF(右)の比較デモ

表面処理は外光の映り込みを低減しながら、ガラス表面の拡散効果も抑えた「クリアピクチャーパネル」

 表示面の処理は、ガラス表面の拡散効果を抑えながら、外光の映り込みも低減した「クリアピクチャーパネル」を採用。反射を抑えながらも、プラズマならではのクリアで艶っぽい画質の実現を図ったという。

 新パネルについて、パナソニックAVCネットワークス社 映像ディスプレイデバイス事業グループ 商品企画グループ グループマネージャーの和田浩史氏は、「臨場感の向上を目指し、最も重視した点はコントラスト」とし、新パネルに導入されたダイナミックブラックレイヤーなどの新技術について解説。同社が1月に発表した「Neo-PDP」の基幹技術の多くを導入しており、今後も高精細化や超薄型化、大型化などを図っていくという。

 新フルハイビジョンPEAKSプロセッサーは、UniPhierアーキテクチャを搭載。MPEG-4 AVC/H.264のデコードを実現するほか、各種高画質信号処理や、最大19ch/12時間分表示可能な「ワイドインテリジェントテレビ番組ガイド」などを可能とした。

 映像処理回路も世界最高となる新開発の最大18bit処理を導入し、階調表現力を向上。また、暗部から明部まで色と明るさを高い制度で制御し、日陰や室内、夜のシーンなどで、微妙な色のトーン差などを描き分ける「デジタルカラー・リアリティ」技術も導入。1画素単位で映像を検出し、シーンに応じて再度や輝度、色相をリアルタイム処理。特に、肌色の検出力を高め、新信号処理アルゴリズムにより、より自然な肌色を質感豊かに描写するという。

 HDオプティマイザーも搭載。高度なノイズ検出/低減技術により、クリアな映像をすべての入力/シーンで実現するという。



■ プラズマならではの「フルグラスフェイス」デザイン

1枚の前面ガラスをデザインに活かした「フルグラスフェイス」

 また、前面に配置したガラス層をデザインとして活かした「フルグラスフェイス」デザインを採用。PDPの前面ガラスを1枚仕立てで使用し、フレームと表示画面の段差を排除し、「プラズマならでは」のフラットなデザインを実現した。

 地上/BS/110度CSデジタルチューナを各2系統、地上アナログチューナを1系統装備し、2画面同時視聴も可能。データ放送との2画面表示も可能。EPGは3/5/7/9/11/15/19チャンネル表示が切り換えられる「ワイドインテリジェントテレビ番組表」を採用。最大19チャンネル/12時間分が一覧表示できる。

 また、1つのチャンネルの番組表を8日分表示/一覧できる「チャンネル別番組表示」を新搭載。ジャンル検索やキーワード検索、人名検索のほか、ジャンル別の色分けにも新たに対応し、「オリンピック放送番組のチェックにも便利」としている。GUIのデザインも3種類から選択できる。

 入力端子はHDMI×4(1系統は前面で1080iまで対応)、D4×2、S映像×2、コンポジット×4、アナログRGB(D-Sub 15ピン×1)、アナログ音声×6を装備。出力端子はモニター出力(S映像)×1、アナログ音声×1、光デジタル音声×1、ヘッドフォン×1、ファミリーイヤフォン×1、モジュラージャック、Ethernetを備えている。

 HDMI入力は1080p(60p/24p)に対応。24p収録のBDビデオソフトも、2-3プルダウン処理をせず48/96Hzで出画可能となっている。Deep Colorもサポートしている。なお、前面に装備する1系統のみ、1080iまでの対応となっている。

リモコン。番組キープボタンも装備した

 HDMI CECを利用したレコーダ「DIGA」やAVアンプ/ラックとの連携機能「VIERA Link」に対応し、視聴中の番組や番組表からの録画予約や、自動的に入力を切り替えてDIGA上の録画番組再生などが可能。

 対応DIGAとの連携時には、番組キープ機能も利用可能。リモコンの「番組キープ」ボタンを押すだけで、視聴中の番組を一時停止して、後で続きを視聴できる。なお、視聴終了後には番組は削除される。VIERA Link対応のラックシアター利用時には、視聴中の番組に適したサウンドモードに自動切り替えを行なう「番組ぴったりサウンド」を利用できる。

 同社製のHDDレコーダ内蔵デジタルCATV用STBとの連携機能も搭載。VIERAのリモコンからビエラリンクメニューを呼び出して、「ケーブルテレビを見る」の項目を選択するだけで、STBの録画予約や番組視聴などが可能となる。対応STBはTZ-DCH2000B/DCH2800B/DCH2810Bなど。

DIGAとの連携で「番組キープ」に対応。画面 de リモコンで各種操作可能 CATV用STB連携機能も搭載。松下電器製のHDD内蔵STBをDIGAと同様に操作できる

 スピーカー出力は総合36Wで、2.5cm径ツィータと2.3×10mmのミッドレンジ、8cm径ウーファによる3ウェイ6スピーカー構成の「ダイナミックサウンドスピーカーシステム」を搭載。左右の耳への到達時間差とレベル差を生かし、2chスピーカーでサラウンド感を再現する「アドバンスドサラウンドシステム」も搭載している。


■ アクトビラやセンサーカメラ連携機能も搭載

アクトビラに対応

 また、同社製のSDムービーカメラなど、VIERAのリモコンから操作できる「画面 de リモコン」も用意。ビエラリモコンのサブメニューボタンから、操作パネルを呼び出して、ムービーカメラの再生や早送りなどの操作が可能。

 SDHCに対応したSDメモリーカードスロットも装備。同社製のHDC-SD9などで記録したAVCHDのハイビジョン映像もVIERAで再生できる。また、JPEG写真を楽しめる「フルハイビジョンテレ写」機能も装備。新たにVIERA本体にBGMを3曲格納し、BGM付きのスライドショーも楽しめる。

 デジタルテレビ用ポータルサービス「アクトビラ」にも対応し、HD解像度のVOD配信サービス「アクトビラ ビデオ・フル」も視聴可能。そのほか、同社製の「センサーカメラ」や、「どこでもドアホン」との連携機能も装備。テレビ視聴時に監視カメラで記録した映像などが確認できるほか、ドアホンの呼び出し時に映像をVIERAでモニタリングできる。

品番 TH-50PZ800 TH-46PZ800 TH-42PZ800
サイズ 50V型 46V型 42V型
解像度 1,920×1,080ドット
接続端子 HDMI×4系統4端子
i.LINK×2端子
D4×2系統2端子
コンポジット×4系統4端子
S映像×2系統2端子
アナログ音声×6系統
モニター出力×1系統1端子
(S映像×1系統1端子)
アナログ音声出力×1
光デジタル音声出力×1
アナログRGB×1系統
(ミニD-Sub 15ピン)
へッドフォン×1
ファミリーイヤフォン×1
モジュラー/Ethernet
スピーカー 2.5cm径×2(ツィータ)
2.3×10cm×2(ミッドレンジ)
8cm径×2(ウーファ)
音声出力 総合36W
消費電力 585W 545W 492W
年間消費電力量 432kWh/年 410kWh/年 386kWh/年
外形寸法
(スタンド含む)

(幅×奥行き×高さ)
1,267×387
×847mm
1,181×387
×803mm
1,078×327
×733mm
重量 約46kg 約43kg 約37kg

□松下電器産業のホームページ
http://www.panasonic.co.jp/index3.html
□ニュースリリース(PZ800シリーズ)
http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn080306-6/jn080306-6.html
□VIERAのホームページ
http://viera.jp/
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( 2008年3月6日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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