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コーレル株式会社は、ハイビジョン映像の編集やオーサリングに対応するビデオ編集ソフト「Ulead VideoStudio 12」を4月末に発売する。対応OSはWindows XP/Vista。通常版のほか、ダウンロード版、アップグレード版などを用意。価格は下表の通り。
DV/HDV/AVCHD/BDカメラで撮影した映像のキャプチャから編集、書き出しが行なえるビデオ編集ソフトの最新バージョン。レンダリング速度の向上などパフォーマンスを改善させたほか、新たに手書きのイラストや文字などを映像と組み合わせて表示できる新機能を搭載した。YouTubeアップロード機能も引き続き搭載。 2007年10月発売の「VideoStudio 11 Plus」と同様に、AVCHD形式のDVDディスクも作成可能。なお、BDMV形式のファイル入力には対応しているが、BDやHD DVDのオーサリング機能は省かれている。BD/HD DVD作成については、同社のオーサリングソフト「DVD MovieWriter」にVideoStudioからプロジェクトを渡して対応するといった方法も検討しているという。
そのほか、DVDへハイビジョン記録を行なう「HD Rec」規格のディスク作成もサポート。なお、作成したHD Recディスクについて、東芝製HD Rec対応レコーダ「RD-A301」での再生検証は今後行なう予定としている。 MPEG-2変換エンジンの刷新により、出力時のスピードを改善。エフェクトを含んだ20秒の映像を変換するテストにおいて、従来の1分18秒から、27秒へと大幅な短縮を実現。また、「スマートプロキシ」使用時のプロキシファイルに独自フォーマットを採用し、プロキシ作成時間も短縮。テストでは、30分のAVCHD(1,440×1,080ドット)ファイルを変換する場合、従来ではデフォルト設定で2時間27分かかっていた作業が、32分まで短縮されたという。 さらに、レンダリング時のプレビュー画面OFF機能を追加。レンダリング中にON/OFFが切り換えられる。さらに、ハイエンド環境を想定し、Core 2 Quadへの最適化も行なった。
新機能として、手書きイラストや文字を写真に重ねてスライドショーにしたり、映像に重ねてアニメーション表示も可能な「ペインティング・クリエーター」を搭載。ペンタブレットにも対応し、筆圧を感知した文字や絵を映像化することができる。映像をトレースしてイラストを描き、タイムライン上でクロスフェードさせることにより、実際の映像からイラストへ変化するといった合成も行なえる。 要望が多かったというタイトルトラックの追加も実現。複数の字幕を時間差でアニメーション表示できるようになった。また、DVカメラから撮影日情報を取り込んだ場合でも、字幕の追加が可能になっている。
また、従来は一番上のトラックのみエフェクトをかけることができたが、オーバーレイトラックに対してもエフェクトがかけられるように変更。オーバーレイトラックの編集中は、編集画面にトラック番号が表示され、複数トラックの編集も迷わず行なえるという。さらに、オーバーレイトラックに配置したビデオクリップ間にトランジションを付けることも可能になった。
そのほか、複数のビデオファイルを編集する際に、各クリップをトラック上で編集する前にライブラリ上でトリミングできる機能や、スライドショー作成時に顔認識を利用して人の顔に対して自然なパン/ズームが行なえる機能、オーディオファイルをタイムライン上で重ねることによる自動クロスフェード機能などを追加。また、テキストの装飾バリエーションも強化。ライブラリ上のサムネイルサイズ変更なども可能。 ビットレートの異なる素材の混在ファイル編集時に、スマートレンダリングが適用できる部分などを視認できる「MPEGオプティマイザ」では、新たにファイルサイズを基準とした変換設定に対応。変換後のビットレートもあらかじめ確認できる。
対応ビデオカメラとして、新たに日立のBDビデオカメラ「DZ-BD7H」(2007年8月発売)をサポート。なお、最新モデル「DZ-BD9H」や「DZ-HD90」への対応は検証中としている。 映像の対応入力フォーマットはAVI、MPEG-1/2/4、QuickTime、WMV、DVR-MS、MOD、TOD。出力フォーマットはAVI、MPEG-1/2/4、H.264、WMV。
■ 「やってみたい」から「やってみる」へ
同社リテールチャネルグループの萩原英知事業本部長は、ビデオカメラ売上のうちハイビジョン対応が58%になり、Core 2 Duo搭載PCとそれ以外のPCの売上の割合が約半々となっているというデータをもとに「市場では、昨年からようやくハイビジョン映像編集が手に届く環境になった」と説明。 ハイビジョン映像編集はPCへの負荷が重く、敷居が高いと感じる人に対しては、レンダリング速度向上などのパフォーマンス改善と、「ペインティング・クリエーター」により手書きイラストが映像に加えられるという新機能でユーザー価値向上をアピール。 文字を加えることで作成できる、子供の絵日記風ビデオや、結婚式ビデオへの寄せ書きなど、身近な利用シーンを提示することで「“やってみたい”から“やってみる”へ」をキーワードにユーザー層拡大を狙う。
□コーレルのホームページ ( 2008年3月11日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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