◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
ローランド、24bit/96kHz対応で実売4万円のPCMレコーダ
-ノイズレベルを10dB改善した「R-09HR」


3月28日発売

標準価格:オープンプライス


 ローランド株式会社は、「EDIROL」ブランドの新製品として、24bit/96kHzのリニアPCM(WAV)やMP3録音に対応したSDカード記録のポータブルステレオレコーダ「R-09HR」を3月28日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後の見込み。

 4月発売「R-09」からの強化として、新たに24bit/96kHzのリニアPCM録音(R-09は最高24bit/48kHz)に対応。独自設計回路「Isolated Adaptive Recording Circuit(IARC)」で、A/D変換のレベルを最適化。さらに、アナログ/デジタル回路それぞれに電源を分離して供給することでノイズ低減を図り、残留ノイズレベルを従来比で約10dB改善した。なお、「R-09」も引き続き併売される。

R-09(右)とのサイズ比較

 ディスプレイは有機ELで、面積を従来比2倍に拡大。解像度は128×64ドット。アナログリミッタ回路の搭載や、ワイヤレスリモコンも付属するなど使い勝手でも大幅な改善を加えた。筐体サイズはR-09に比べやや大型化され、デザインでは、操作ボタンやマイク部/ディスプレイ部を除くほぼ全面にラバー塗装が施されている。

 記録メディアは引き続きSDカードで、SDHCにも対応。512MBのカードが付属する。なお、本体にメモリは内蔵しない。

 コンデンサ型ステレオマイクを内蔵し、ゴム製ダンパーにより筐体と独立したフレームで配置。ステレオミニのマイク/ライン入力を側面に、ステレオミニのイヤフォン出力を上部に備える。また、背面にスピーカーも内蔵する。外形寸法と重量は112.9×62×27mm(縦×横×厚さ)、174g(電池/SDカード含む)で、R-09(102×62.6×29.1mm、145g)に比べやや大きくなっている。


24bit/96kHz対応やノイズ低減などで高音質化 ディスプレイ面積を約2倍に拡大 マイク部の構造


外面をラバーが覆う形状 右側面に電源やボリュームスイッチ 左側面に入力レベル調整やマイク/ライン入力端子


背面 操作ボタン部 SDスロット/USB端子部

 録音フォーマットはリニアPCMとMP3。リニアPCM録音時は、量子化ビット数が16/24bit、サンプリング周波数が44.1/48/88.2/96kHzに対応。MP3ではサンプリング周波数44.1/48kHz、ビットレート64/96/128/160/192/224/320kbpsをサポートする。

 音楽録音向けとして、新たにアナログリミッタを搭載したほか、従来モデルと同様にオートゲインコントロールも装備し、背面スイッチで切り替えられる。マイクゲイン(HIGH/LOW)や、ローカットフィルタのON/OFFスイッチも背面に備える。

 本体上部にLEDを備え、リモコン使用時など離れた場所からでも本体の状態が視認可能。入力レベルがピークを超えた際にはLEDが高速点滅し、楽器演奏中などでも確認できる。


付属リモコン LEDランプを装備 アナログリミッタ/オートゲインコントロールを切り替えて利用可能

録音サンプル
【音声サンプル】
24bit/96kHz(16.8MB)
16bit/44.1kHz(5.1MB)
演奏は弦楽四重奏の「ソレイユ・カルテット」
【音声サンプル】
24bit/96kHz(22.3MB)
ジャズトリオ(Bass:山村隆一、Drums:礒見博、Guiter:須古典明)
編集部注:録音ファイルは、24bit/48kHzまたは16bit/44.1kHzで録音した音声を付属ソフト「AUDIO CREATOR LE」トリミングして保存したWAVEファイルです。編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。

「Cakewalk AUDIO CREATOR LE」を同梱

 再生は、リニアPCMが16/24bit(32/44.1/48/88.2/96kHz)、MP3は32/44.1/48kHz(32~320kbpsまたはVBR)に対応。再生機能も強化され、4種類のリバーブや、50~150%の変速再生に対応。A-B間リピート再生も行なえる。

 パソコンとUSB 2.0で接続でき、マスストレージクラスをサポート。付属ソフトとして、波形編集ソフトの「Cakewalk AUDIO CREATOR LE」を同梱する。

 電源は単3電池2本。アルカリ電池使用時における内蔵マイクでの連続録音時間は約4.5時間、ヘッドフォン利用時の連続再生時間は約5.5時間。

 別売の専用オプションとして、三脚穴を備えたケースと小型三脚のセット「OP-R09HR-C」(5,670円)や、シリコンケース「OP-R09HR-S」(価格未定)、キャリングケース「CB-R09S」(4,830円)などを用意する。


三脚穴を備えたケースと小型三脚のセット「OP-R09HR-C」(左)などのオプション 3月発売の4chポータブルレコーダ「R-44」も展示されていた



■ 「音にひと手間加える楽しさと気持ちよさ」を

 R-09は、世界で累計12万台の出荷を突破。同社執行役員国内営業統轄本部の宮本多加男部長は好調の理由について「業界にインパクトを与えた1981年のデジタルディレイ『SDE-2000』やデジタルリバーブ『SRV-2000』(1985年)から続くスタジオ向けのデジタル技術の蓄積と、音に対するこだわりが受け入れられた」と分析。

 続けて「社内には(ハードウェア/ソフトウェアとは異なる)“アートウェア”という言葉がある。これは、ミュージシャンの感性を受け入れ、スペックシートに出ない音の良さを実現するもの。ユーザーからの声を反映し、アートウェアを詰め込んだ製品に仕上がった」と自信を見せた。


R-09は12万台の出荷を突破 執行役員国内営業統轄本部の宮本多加男部長

山口泰氏

 ゲストとしてレコーディングエンジニア/プロデューサーの山口泰氏も来場。CHARAやCrystal Key、Britney Spearsなど国内外のアーティストと関わり、R-09も愛用していた山口氏は新モデルについて「周波数特性や、説明書を読まなくても使える操作性などいろいろな面はあるが、一番は、熱意が形になったこと」とコメント。

 また、近年のデジタル制作音楽について「音のライブ感よりも完成度が求められるようになり、閉塞感もある」と指摘。「葉山でレコーディングしたときに、海岸で波の音を録り、それを作品に加えた」という音源の一部を披露し、プロ/アマを問わず“音にひと手間加えることの楽しさ、気持ちよさ”を訴え、「ミュージシャンの想いを乗せて届ける気持ちがこの製品に入っている」と賞賛した。


□ローランドのホームページ
http://www.roland.co.jp/
□EDIROLのホームページ
http://www.roland.co.jp/DTMP/index.html
□ニュースリリース
http://www.roland.co.jp/news/0373.html
□製品情報
http://www.roland.co.jp/products/jp/R-09HR/index.html
□関連記事
【2006年6月14日】【EZ】地道に録音ブームを支える、EDIROL 「R-09」
~ 「気軽に高音質」はどこまで本物か~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060614/zooma261.htm
【2006年4月24日】【DAL】Rolandの24bit WAVEレコーダ「R-09」
~ 低価格「生録」の本命。使い勝手/録音品質とも向上~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060424/dal233.htm
【2007年1月19日】ローランド、SDレコーダ「R-09」赤/白色モデル
-省電力モード搭載。既存ユーザー向けアップデートも
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070119/roland.htm
【2006年4月19日】ローランド、24/48 PCM録音対応SDレコーダ
-EDIROL「R-09」、重さ145g。実売38,000円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060419/roland.htm
【ポータブル リニアPCM/DSDレコーダ一覧】
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080228/pcmrec.htm

( 2008年3月13日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.