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日本放送協会(NHK)は3日、「大河ドラマ」や「朝の連続テレビ小説」など、過去に放送した約1,000本の番組をVOD配信する「NHKオンデマンド」を12月から開始すると発表した。 同協会の専用サイトからPC向けに配信するサービスに加え、テレビ向けには「アクトビラ」と「J:COM」経由で提供。それぞれ「アクトビラ ビデオ・フル」、「J:COM オン デマンド」を使って配信される。PC向け配信はSD解像度のみ、テレビ向けはハイビジョン映像の配信になる予定。 いずれも有料配信になるが、利用料金や具体的な提供番組などは9月頃に発表するとしている。「コンテンツ視聴権の単品購入の場合、レンタルビデオ程度の価格をイメージしている」という。また、それ以外の配信プラットフォームも随時拡大していくという。 有料サービスとなる理由についてNHKは、「通信回線でテレビ番組を提供するための新たな権利取得の費用や配信の為の設備費、回線料、運用費など、多額の費用が発生する。そのため、受益者負担でサービスを運営することにしており、サービスにかかる費用は、すべて当サービスの利用料金で賄われるため」と説明。受信料から独立した別の会計で運営するという。「開始当初数年間は赤字が予想されるが、内容を充実させながら利用者を増やし、皆様の期待を裏切らないサービスとすることを目指す」(NHK)としている。
専用サイト、および「アクトビラ ビデオ・フル」、「J:COM オン デマンド」で提供するコンテンツの種類は同じで、過去に放送した番組を配信する「特選ライブラリー」と、地上波/衛星放送の5つのチャンネルで1週間以内に放送された番組を配信する「見逃し番組」の2種類を展開する。
「特選ライブラリー」では、サービス開始までに1,000本程度のコンテンツを用意。その後、毎年1,000本程度の番組を追加していくという。過去に放送した「大河ドラマ」や「朝の連続テレビ小説」などのドラマ番組、「映像の世紀」、「NHKスペシャル」といったドキュメンタリー番組などのアーカイブス番組がメインとなる。更新頻度は毎週20番組程度。 「見逃し番組」は、毎日放送中のNHK番組からプライムタイムの番組を中心に、1日15~20本の番組を、放送終了後24時間以内に配信。1週間程度の期間限定での配信となる。 PC向け配信では、回線速度1Mbps以上が必要。「アクトビラ」ではMPEG-4 AVC/H.264形式を採用し、ハイビジョン解像度に対応した「アクトビラ ビデオ・フル」にて配信。回線速度は12Mbps以上が推奨される。対応している薄型テレビは、松下電器「VIERA」のPZ750シリーズ4機種と、4月20日発売予定の「TH-50PZ800」などPZ800シリーズ全3機種。ソニーではネットワークTVボックス「ブラビアユニット( BRX-NT1)で対応。東芝「REGZA」のZ3500シリーズ全5機種は、2008年4月28日に放送波を使って実施されるファームアップで対応できる。
「J:COM オン デマンド」でもハイビジョン画質での配信を予定。「J:COM TV デジタル」利用者向けのVODサービスとなっており、「特選ライブラリー」は番組ごとの課金となるPOD(プレミアム オン デマンド方式)で配信。「見逃し番組サービス」はMOD(マンスリー オン デマンド)の月額固定料金、本数制限無しの視聴方式で提供する。なお、どちらの配信でも録画はできない。
□NHKのホームページ
(2008年4月3日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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