ヤマハ、HDオーディオ対応などエントリーAVアンプ3機種 －ABTスケーラ搭載モデルも。各社のリンク機能に対応

DSP-AX863

4月下旬発売 標準価格：「DSP-AX863」110,250円 　　　　　　 「DSP-AX763」84,000円 　　　　　　 「DSP-AX463」59,850円

　ヤマハ株式会社は、HDMI入出力を備え、HDオーディオにも対応した「DSP-AX863」など、エントリー向けAVアンプ3モデルを4月下旬に発売する。製品の仕様や価格は下表の通り。

　それぞれ、DSP-AX861/761/461の後継モデルで、AX863/763の2機種についてはエントリーモデルながらHDオーディオに対応し、ドルビーTrueHD、DTS-HD、DTS-HD Master Audioのビットストリーム音声をデコード可能。3機種とも、マルチチャンネルのリニアPCMにも対応する。

　3機種の中で最上位のAX863には、ABT製ビデオスケーラを搭載し、入力したアナログ映像信号を720p/1080pにアップスケーリング可能。さらに、再生音の微妙なニュアンスにもこだわったというチューニングを施し、電源部には専用大型電源トランスやカーボンシース・ブロックケミコン、ショットキーバリア・ダイオードなどを投入。オーディオ回路においてもHDオーディオに適したチューニングにより、上位機種に匹敵する情報量とS/Nを獲得したとしている。

DSP-AX863の背面

　AX863/763は、Ver.1.3aのHDMI 入出力を装備し、入力端子数はAX863が3系統、AX763が2系統。出力はいずれも1系統。x.v.ColorやDeep Color、DSD音声にも対応する。AX463はHDオーディオやx.v.Color、Deep Color、DSDには対応せず、HDMIは入力2系統、出力1系統。また、AVアンプの電源OFF時にも、接続したプレーヤー/レコーダのHDMI出力映像/音声をテレビなどにそのまま伝送するスルー機能も備える。

　いずれもHDMIリンク機能に対応し、松下の「VIERA Link」や、東芝の「レグザリンク」、日立の「Woooリンク」、シャープ「AQUOSファミリンク」(1月以降発表機種)、三菱の「REALINK」(2008年以降の機種の一部)をサポート。テレビのリモコンからアンプのボリューム操作や入力切替などが行なえる。

　アンプ部の定格出力はAX863が105W×7ch(6Ω)、AX763が95W×7ch(同)、AX463が105W×5ch(同)。音場創生技術として、AX863/763には「シネマDSP-plus」を、AX463には通常のシネマDSPを搭載する。

　なお、AX863/763において、HDオーディオのデコードと「シネマDSP-plus」を併用することはできず、どちらか一方の利用となる。

　AX863/763には、DTS-ESやドルビーデジタルEX対応のデコーダを内蔵し、DTS 96/24、AACやドルビープロロジックIIxなどの21種類のデコードプログラムも搭載。AX463はドルビーデジタルやDTS、AACなど7種類。

DSP-AX763	DSP-AX463	DSP-AX463は、S端子が省かれている

　AX863/763では、全回路のローインピーダンス化を行なう「ハイカレントアンプ・テクノロジー」を採用。ヤマハ独自のプレゼンス(フロントエフェクト)スピーカー左右を含む「7.1chフルスペックシネマDSP再生」と、サラウンドバックスピーカーを使用する7.1ch再生に対応し、これらスピーカーをサラウンドプログラムに応じて、自動で選択する「デュアル7.1ch機能」も搭載。フロントバイアンプ駆動にも対応する。そのほか、AX863/763には、ビデオ回路の電源をOFFにするなどして、高純度な音質を実現する「ピュアダイレクトモード」を装備。

　いずれも、自動音場補正機能「YPAO」を備え、付属のマイクを利用し、スピーカーの有無、サイズ、音量、距離、特性の5項目を自動的に測定し、最適化。初心者でも簡単に最適な再生環境が得られるとしている。MP3やWMAなどの圧縮音楽再生時に、高域情報を補間して、低域を強調する「ミュージックエンハンサー」機能も搭載する。

付属リモコン

　普段よく使うAVソースと音場プログラムの組み合わせを同時に切り替えられる「SCENE」機能を搭載。付属リモコンや本体に4つの専用ボタンを用意し、出荷時にはDVD、CD、DTV/CBL、FM/AMの4種類がプリセットされており、ワンボタンで電源ONと切換が可能。プリセットの組み合わせ変更も行なえる。AM/FMチューナも内蔵。

　別売のiPod用ユニバーサル・ドック「YDS-11」を接続することで、iPod touch/classicなどを含むDock接続対応iPodの音楽再生や画像/映像表示、アンプ側リモコンによるワイヤレス操作、操作画面のオンスクリーン表示などが行なえる。さらに、別売のBluetoothレシーバ「YBA-10」との接続にも対応。携帯電話などBluetooth内蔵プレーヤーからの音声をワイヤレスで受信できる。

主な仕様

		DSP-AX863	DSP-AX763	DSP-AX463
定格出力(6Ω)		105W×7ch	95W×7ch	105W×5ch
実用最大出力(6Ω)		145W×7ch	135W×7ch	140W×5ch
入力端子	HDMI	3	2
	コンポーネント	3		-
	D端子	D5×3		D4×3
	S映像	5		-
	コンポジット	5		4
	同軸デジタル音声	2		1
	光デジタル音声	4		2
	アナログ音声	8		6
	マルチch音声	1(6ch)
	DOCK (YDS-11/10、YBA-10用)	○
出力端子	HDMI	1
	MONITOR OUT
	コンポーネント	1		-
	D端子	D5×1		D4×1
	S映像	1		-
	コンポジット	1
	REC OUT
	S映像	2		-
	コンポジット	2		-
	光デジタル音声	1
	アナログ音声	3		2
	PRE OUT	7ch		-
	サブウーファ	2		1
消費電力		300W		180W
外形寸法(幅×奥行き×高さ)		435×393×171mm		435×352×151mm
重量		11.9kg	11.8kg	8.5kg

■ iPodクレードル、Bluetoothレシーバ

　iPod用クレードル「YDS-11」は、従来モデル「YDS-10」からの改良点として、新たにiPod touchやiPod classicなどでの映像出力に対応したクレードル。対応iPodは、Dockコネクタ搭載iPodとiPod classic/nano/mini/touch。対応するAVアンプは、DSP-Z11/AX3800/AX1800/AX863/AX763/AX463など、DOCK端子搭載の全モデル。

　外形寸法は80×70×33mm(幅×奥行き×高さ)、重量は135g。接続ケーブルの長さは2m。iPod用の装着アダプタが3種類付属する。

　Bluetoothレシーバ「YBA-10」は、Bluetooth 2.0+EDRに準拠。A2DP/AVRCPのプロファイルをサポートする。通信距離は最大10m。対応AVアンプは新モデルのAX863/763/463のみ。外形寸法は80×70×50mm(幅×奥行き×高さ)、重量は153g。接続ケーブルの長さは2m。

YDS-11	YBA-10

□ヤマハのホームページ
http://www.yamaha.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.yamaha.co.jp/news/2008/08040801.html
□関連記事
【2007年6月27日】ヤマハ、11万円の1080p HDMI搭載AVアンプ
－ABT製スケーラ搭載の「DSP-AX861」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070627/yamaha.htm
【2007年4月4日】ヤマハ、84,000円の1080p HDMI搭載AVアンプ
－「シネマDSP-plus」やSCENE機能を搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070404/yamaha.htm
【2007年2月8日】ヤマハ、iPod/AAC対応のAVアンプエントリーモデル
－ソースとDSPモードをセットで切り替え可能
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070208/yamaha.htm

( 2008年4月8日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]

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