|
クラリオン株式会社は、AV一体型ナビゲーションの2008年新モデル6製品を6月上旬より順次発売する。 2008年モデルでは、最上位となるHDDナビ「CRASVIA(クラスヴィア)シリーズ」シリーズと、フラッシュメモリ内蔵型の「Smoonavi(スムーナビ)シリーズ」を追加。従来から継続する「MAX」シリーズと合わせて3ラインナップで展開する。各製品の価格や発売時期は下表の通り。
■ CRASVIAシリーズ
同社最上位シリーズで、7型/800×480ドットのタッチパネル液晶を備えた2DIN HDDナビ。「CRASVIA」は、ラテン語のCrastinus(明日の)とVia(道)を合わせた造語。 最上位モデル「NX808」では、新モデルでは唯一となる地上デジタル12セグチューナを内蔵。同社製品では初めて4アンテナ/4チューナからの信号を合成する方式を採用し、受信の安定化を図った。また、ワンセグにも対応し、12セグとの自動切換え機能も備える。「NX708」はワンセグチューナのみ搭載する。
両製品とも、ドルビーの車載機器向けサラウンド技術「DAEP」(Dolby Automotive Entertainment Program)を市販製品で初めて搭載。ドルビープロロジックIIをベースにした技術で、4chスピーカーのみで、後部座席でも左右chと仮想センター音声の定位が感じられるという。 DVD/CDレシーバを搭載し、DVDビデオのほかに、デジタル放送をVRモードで録画したディスクも再生可能。また、SDHC対応カードスロットを備え、USBケーブルも同梱。SDカードやUSBメモリ内のWMA/AAC/MP3再生が行なえるほか、HDDへの楽曲コピーも可能。なお、DRM付きファイルは再生できない。 そのほか、別売ケーブルの利用でiPod内のオーディオ/ビデオ再生にも対応。なお、第3世代iPod nanoやiPod classicではビデオ/音楽再生とも行なえるが、iPod touchではビデオ再生は行なえず、音楽のみとなる。 CDからHDDへ最大6倍速でのリッピングが可能で、最大4,000曲まで記録できる。HDD内の音楽再生では、新たに自動プレイリスト作成機能の「ソングパレット」を採用。HDD内に楽曲をリッピングする際、曲調により「元気」、「クール」、「癒し」の3つのキーワードで分類し、各曲をドットで表す分布図を作成。図の中から気分に合った位置をタッチすると、該当するエリアから自動で最大99曲までの連続再生を行なう。
Bluetoothレシーバ機能を搭載し、オーディオ用のA2DP/AVRCPプロファイルや、ハンズフリーのHFPなどに対応。対応する携帯電話やオーディオプレーヤーからの音声をワイヤレスで受信できる。
アンプ出力は最大50W×4ch。タイムアライメントや6モード/3バンドパラメトリックイコライザを内蔵する。圧縮音源再生時に、高域を補間する「サウンドリストアラー」も搭載。さらに、車速に応じて音量を自動コントロールする機能も装備。ロードノイズが増える高速道路などでは自動でレベルを上げ、高速道路を降りると下げるといったことが可能。NX808のみサブウーファ出力端子を備え、別売ケーブルで接続可能となる。 ナビ機能では、自車位置の周辺にある店舗や観光スポットの外観写真などを、近い順にサムネイルで地図の下に表示する「ピクチャービュー」を採用。サムネイルにタッチすると詳細な情報が表示される。また、同社の地図コミュニティサイト「チズルとススム」の地点情報を、SDカード経由で本体に転送することもできる。 ■ Smoonaviシリーズ
NX308/208は、CRASVIAと同様に7型ワイド液晶を搭載する2DINナビだが、ディスプレイ解像度は480×234ドットで、記録メディアに8GBのフラッシュメモリを採用。同社はHDDモデルと区別して「SDD」(Silicon Disc Drive)と呼んでいる。Smoonaviは英語のSmoothを語源とし、「従来からの機能と使いやすさ、シンプルさを兼ね備えた実用性を重視したシリーズ」と位置づけている。 いずれもワンセグチューナを搭載。NX308/208の主な違いは、NX308がDVD/CD再生に対応するのに対し、NX208はCDのみ対応とする点で、それ以外はほぼ両機種共通。NX308はDVDビデオのほか、VRモードのディスクも再生可能。
HDDリッピングは最大2倍速で、最大500曲まで可能。CRASVIAシリーズで採用するドルビーのDAEPや、Bluetooth機能、自動プレイリスト作成の「ソングパレット」には非対応。両機種ともSDカードスロットを備えるが、再生フォーマットはMP3のみ。USB端子は搭載しない。別売ケーブルによるiPodとの接続は行なえる。 アンプ出力は最大43W×4ch。タイムアライメントやパラメトリックイコライザ、「サウンドリストアラー」は搭載しない。 GUIでは、同社サイトからデザインパターンをダウンロードして適用可能な機能「新バラエティスクリーン」を搭載。これまで用意したパターンから画面デザインを一新し、見やすくしたとしている。ナビ機能では、CRASVIAシリーズの「ピクチャービュー」は搭載しないが、「チズルとススム」サイトとの連携機能には対応する。 ■ MAXシリーズ
MAX675/575は、7型/480×234ドット液晶と30GB HDDを備えた2DIN型で、従来モデルMAX670/570からの機能を継承し、筐体デザインの一部に変更を加えたモデル。 両機種とも、ワンセグ受信に対応。MAX675はDVD/CD再生に対応するが、MAX575はCDのみ。HDDへのCDリッピング(最大約4,000曲)に対応する。上位モデル同様に、別売ケーブルでiPodとの接続も行なえる。そのほか、両機種ともメモリースティックスロットや、AM/FMチューナを内蔵する。アンプ出力はいずれも最大43W×4ch。
■ ハイエンド/実用性の2ラインナップを追加
ハイエンド向けの「CRASVIA」と、シンプルな操作性重視の「Smoonavi」のラインナップを追加したことについて泉龍彦社長は「アフターマーケット製品の裾野が広がったことから、ハードウェア面での画面の美しさなどに加え、操作スピードなどのインターフェイスにも注力した」と説明。 また、ドルビーのDAEPを採用した点にも触れ、音楽機能の重要性も強調。さらに、「情報や音楽を入手する手段が増えたが、USBメモリやiPodなど機器を問わず対応できることが重要というトレンドを取り入れている」と自信を見せた。
( 2008年4月23日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|