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JEITAアンケート「ダビング10でも補償金不要」が78%
-「CD購入減は私的録音以外の理由が大きい」


5月28日発表


 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は28日、テレビ放送や音楽CDからの私的録音録画に関するアンケート調査の結果を発表。「テレビ録画に(コピーワンスまたはダビング10の)コピー制限が課された状況では、私的録画補償金を払う必要がない」という回答が78%となった。

 この調査は、文化審議会著作権部会私的録音録画小委員会で議論されている私的録音録画補償金制度のあり方について、一般消費者の私的録音録画に対する意識や実態の把握を目的に実施。今後の議論における検討用資料にするという。

 アンケートは、4月18日~21日に、株式会社ライフメディアが運営するiMiネット会員向けに行なわれたウェブ調査で、有効回答数はテレビ放送/音楽CDの各調査でそれぞれ500件。回答者は、テレビ放送の調査がデジタル録画機器保有者、音楽CDの調査がデジタル携帯オーディオプレーヤーの保有者を対象とし、両アンケートの回答者は重複しない。男女比は、テレビ放送が45:55、音楽CDの調査が52.6:47.4。



■ 「録画しそびれることが即パッケージ購入には繋がらない」

 アナログ放送を含むテレビ放送を、レコーダでデジタル録画しているという回答は全体の84.2%。

 録画の目的について、録画コンテンツの量に応じて質問したところ、半分以上が「放送時間に見られないので、後で見るため」というタイムシフトが目的で、55.6%。同じくタイムシフト利用の「同じ時間帯に見たい番組が重複していたため」は13.9%で、これらを合わせると69.5%となる。一方、「後日何度も見たり、ライブラリー等にするなど長期間保存のため」を理由とする録画は16.1%、「映画を見に行く代わり」、「レンタルビデオを借りる代わり」は、それぞれ2.2%、3.2%となっている。

「コピー制限が課された状況で、引き続き権利者にアナログ放送時代と同様に私的録画補償金を支払うことについてどのように思いますか」への回答

 テレビ放送を録画している人のうち、過去1年間、録画しそびれたテレビ番組などがパッケージの商品(ビデオ、DVD等)として販売されている場合、購入したことがあると回答したのは16.4%。8割以上が「ない」と回答していることからJEITAは「録画しそびれたことが、即パッケージ商品の購買動機に繋がっているわけではないことが伺える」と分析している。

 デジタル放送にコピー制限が課された状況で、引き続き権利者にアナログ放送時代と同様に私的録画補償金を支払うことについては21.6%が「支払うべき」、78.4%が「自由に複製できないので補償金は払う必要がない」と回答している。

 テレビ放送など著作物の複製以外で利用する場合、補償金管理協会に申請することで適用される「補償金返還制度」については、「使いたい」が12.4%、「手続きの簡便さなど条件次第で使いたい」が63.0%、「使いたいとは思わない」が24.6%。



■ ポータブルオーディオへの課金には85%が反対

 CDの録音に関する調査において、録音源では「レンタルCD等」、「自分・家族の市販CD等」が多く、次いで「インターネットの有料配信」、「その他のインターネット」、「友人知人から借りたCD等」からの録音となっている。少なかったのは「図書館等のCD等」、「私的音楽演奏等」。

 上位3つの録音源である「レンタルCD等」、「自分・家族の市販CD等」、「インターネットの有料配信」について合計すると75.59%となっていることから、「レンタル/購入したCDの支払い対価に私的録音の対価が含まれていれば、保存されている音楽のほとんどに対して、私的録音対価が支払済みとなる」と見ている。

 「レンタル店に支払うレンタル料に、CDの私的録音(リッピング)の対価が含まれていると思いますか。(レンタル料を払っているので、追加支払いなくMD等にダビングできると思いますか。)」という質問への回答では、「思う」が61%、「思わない」が14.4%、「わからない」が24.4%。

 また、CDを購入した場合でも補償金の追加支払いなくリッピングできると「思う」回答が68.4%、「思わない」が14.8%、「わからない」が16.8%となった。音楽配信に対する同様の質問では「思う」が69.2%、「思わない」が10.6%、「わからない」が20.2%となった。JEITAは「私的録音の対価が、レンタルCD/購入CD/音楽配信の対価に含まれているか否かという点では、3つの音源を同等に考えていることが伺える」としている。

「デジタル携帯オーディオプレーヤーに補償金をかけるべきと思いますか」への回答

 「音楽CDに対して、購入代金を支払ったり、レンタル料金を支払っているのに、更にデジタル携帯オーディオプレーヤーに補償金をかけるべきと思いますか」という質問では、15%が「かけるべき」、85%が「かけるべきではない」と回答。

 最近、音楽CDを購入した枚数の増減では、「とても増えた」が1.8%、「増えた」が7.8%、「変わらない」が48.8%、「減った」が26.4%、「とても減った」が15.2%。

 音楽CDの購入枚数が減少した理由としては、「レンタルショップから借りたCDからの録音が増えているから」(21.2%)、「購入したい音楽CDが減ってきたから」(20%)、「CD購入に使えるお金が減ったから」(15.5%)、「インターネットの有料音楽配信サービスからの録音が増えているから」(13.4%)、「音楽に興味が薄れてきたから」(11.5%)が上位。

 「購入したい音楽CDが減ってきたから」、「CD購入に使えるお金が減ったから」、「音楽に興味が薄れてきたから」を合計すると47%で、JEITAは「私的録音以外の理由による減少が大きな理由になっている」と分析している。

 補償金返還制度については、「使いたい」が9.6%、「手続きの簡便さなど条件次第で使いたい」が57.2%、「使いたいとは思わない」が33.2%。約2/3が使いたい回答している。


□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
□調査結果(テレビ放送/PDF)
http://www.jeita.or.jp/japanese/press/2008/0528/quest_tv.pdf
□調査結果(音楽CD/PDF)
http://www.jeita.or.jp/japanese/press/2008/0528/quest_tv_cd.pdf
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080513/avt025.htm
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補償金制度の対象に、文化庁が試案(INTERNET)
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/08/19465.html

( 2008年5月29日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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