◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
ビクター、AVCHD/MPEG-2両対応のHDD搭載「Everio」
-CMOS採用。120GBで50時間撮影。80GBは世界最小


GZ-HD40
7月上旬発売

標準価格:オープンプライス


 日本ビクター株式会社は、ハイビジョンHDDビデオカメラ「Everio」シリーズの新モデルとして、同社として初めてCMOSセンサーを採用し、MPEG-2とAVCHDの両フォーマットで録画が可能な2モデルを7月上旬に発売する。店頭予想価格は120GB HDDを搭載する「GZ-HD40」が15万円前後、80GB HDDの「GZ-HD30」が13万円前後の見込み。HD30のみプレシャスシルバー(S)とクリアブラック(B)のカラーバリエーションを用意する。

 120/80GBの1.8インチHDDを内蔵したEverio。120GBモデルは、HDビデオカメラとして初の60GBプラッタのディスクを2枚使用したHDDを搭載。80GBモデルはシングルプラッタタイプで、HDD内蔵HDビデオカメラとして世界最小サイズを実現したという。最大の特徴はEverioとして初めてAVCHDに対応し、従来のMPEG-2も引き続きサポートする、デュアルフォーマット対応になったこと。1チップLSIで両フォーマットをサポートする新画像処理エンジン「HDギガブリッドDuo」を搭載している。

GZ-HD40 GZ-HD30

 同社では2つのコーデックの使い分けについて「高画質で長時間記録に適したMPEG-4 AVC」、「高ビットレートの安定性と既存編集環境への適合性を持ったMPEG-2」と説明。「HDギガブリッドDuo」は外部メモリとのアクセスを専用のDMA回路を使用することで処理を高速化したほか、動き検索、動き補償ブロックの一部や内蔵メモリを共用化することで、回路規模の拡大を抑制した。

 AVCHDの録画ではXP/SP/EPの3モードを用意。低ビットレート時の高画質を追求したという独自のアルゴリズムとオリジナルVBRの開発により、EPモードまで1,920×1,080ドットの解像度を維持しているのが特徴。フルHDで平均5Mbpsという低いレートながら、EPモードでも高精細な映像を実現しているという。

HDギガブリッドDuo HDギガブリッドDuoの詳細

  モード名 記録仕様 HD40
(120GB)
HD30
(80GB)
付属バッテリ
(BN-VF815)
使用時の撮影時間
AVCHD XP 1,920×1,080ドット
16:9
約15時間 約10時間 撮影時間
約1時間25分

実撮影時間
45分
VBR 最高約18Mbps
平均約17Mbps
SP 1,920×1,080ドット
16:9
約21時間 約14時間
VBR 最高約18Mbps
平均約12Mbps
EP 1,920×1,080ドット
16:9
約50時間 約33時間
VBR 最高約18Mbps
平均約5Mbps
MPEG-2 FHD 1,920×1,080ドット
16:9
約10時間 約6時間
VBR 最高約30Mbps
平均約26.6Mbps
1440CBR 1,440×1,080ドット
16:9
約10時間 約6時間
CBR 約27Mbps

 MPEG-2の1440CBRモードは、i.LINKから出力することで、HDVフォーマットのデータとしても扱える。i.LINK出力は本体に備えておらず、同梱するエブリオドックに用意されている。ただし、ドックを同梱するのはHD40のみで、HD30には付属しない。2モデルの違いはこの点と、HDD容量、サイズ/重量。それ以外の主な機能は共通している。

GZ-HD30 左がHD40、右がHD30。HDDの違いでHD40の方が若干分厚い HD40の天面

液晶モニタは2.8型、20.7万画素のクリアブライト液晶 操作部 microSDに動画を録画することもできる

 2月から発売している「GZ-HD6」と同様に、再生時に1080/60pにi/p変換して出力する機能を搭載。記録媒体は内蔵HDDに加え、microSDカードスロットも装備。microSDカードへの動画記録も可で、HDDに録画したデータをmicroSDへ移動することも可能だが、逆のmicroSDからHDDには対応していない。

 撮像素子に、同社としては初めてCMOSセンサーを採用。1/3型の268万画素(有効画素数は動画135万画素、静止画166万画素)で、ベイヤー配列フィルタを45度回転させたCMOSを採用。斜め画素ずらしによりフルHDの1.3倍の情報量を取得。それをフルHDに落とし込んで記録している。同様に、画素を45度回転させたCMOSとしてはソニーの「クリアビッドCMOSセンサー」があるが、「ソニーと同じ方式ではない。同じ45度だが、画素の配列が異なるビクター独自の配列を使っている。解像感だけでなく色合いでもCCDに負けないものになったと自負している。CMOSメーカーについてはノーコメント」(ビクター)という。

同社としては初めてCMOSセンサーを採用 斜め画素ずらしによりフルHDの1.3倍の情報量を取得。それをフルHDに落とし込んで記録している 内蔵HDD

 レンズはJVC HDレンズ。35mm換算での焦点距離は動画で50~500mm、静止画で39.5~395mm。F値は1.8~2.2。電子式手ブレ補正回路を搭載する。最低照度は7ルクス。LEDライトも内蔵している。レンズカバーも内蔵。フォーカスアシストやゼブラパターン表示、絞り優先/シャッタースピード優先撮影なども可能。

 液晶モニタは2.8型、20.7万画素のクリアブライト液晶。液晶の裏側、製品表面には「HD」というロゴマークが刻印されており、撮影時にはイルミネーションが光る。静止画の最大撮影解像度は2,432×1,368ドット。動画撮影中はフルHDの1,920×1,080ドットまでの撮影となり、連続撮影可能枚数も3枚に制限される。

 コンポーネント、AV出力、HDMI出力などを装備。HDMIはバージョン1.3対応で、x.v.Colorをサポート。0.08秒で記録を開始する「クイック記録」モードや、約3.5秒で再生を開始するクイック再生機能なども装備。再生面では新たに「オートグルーピング」機能を備えた。独自開発のアルゴリズムにより、撮影の時間帯、間隔、長さなどから最適なグループ分けを自動的に行なう。撮影間隔が短いシーンを1つのグループとして扱っており、例えば旅行の動画を日付で分けると、1日の中に自宅を出発するシーン、旅館でのシーン、観光地でのシーンと複数の場所でのシーンが含まれてしまうが、これを自宅、旅館、観光地で的確にグループ分けできるという。

製品表面には「HD」というロゴマークが刻印されており、撮影時にはイルミネーションが光る 左が撮影したままの再生メニュー。右上を観ると、撮影シーンのサムネイルが10ページあることがわかる。ここで「オートグルーピング」を行なうと、右のように各サムネイルの中に関連シーンが格納され、1ページに収まった

 外形寸法と重量は、HD40が73×123×68mm(幅×奥行き×高さ)、455g(本体のみ)/540g(撮影時)。HD30が71×123×68mm(同)、440g(本体のみ)/525g(撮影時)。なお、既発売のGZ-HD5/6は併売。HD7は在庫限りとなる。

 付属ソフトとしてファイル管理/再生ソフトの「PowerCinema NE for Everio」、編集ソフト「PowerDirector 6 NE」、ディスク作成ソフト「PowerProducer 4 NE」、再生ソフト「PowerDVD 7 NE」を同梱。対応OSはWindows XP/Vista。Mac用に、iMovie HD 6とFinal Cut Pro 5/6でHDファイルを利用できるようにするプラグイン「QuickTime Component for Everio」も付属する。

i.LINK出力はドックに用意。同梱するのはHD40のみ XPモードとEPモードの比較デモ。静止した状態では、平均5MbpsのEPモードでも高精細な映像が撮影できることが確認できた

□関連記事
【6月9日】ビクター、MPEG-4 AVC/MPEG-2両対応のビデオカメラ用LSI
-「HDギガブリッドDuo」に搭載。民生/業務の両方へ展開
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080609/victor.htm


■ DVDライター新モデルや外付けHDDとの連携も

 同じく7月上旬には、単体でAVCHDやDVDの再生が可能なDVDライター「CU-VD50」もリリースされる。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後の見込み。

 DVD-R/RW/R DLの書き込みに対応した外付けドライブで、AVCHD形式で撮影した動画をAVCHD形式のDVDにライティングしたり、MPEG-2のフルHDで撮影した動画をMPEG-2 TS形式でDVDにライティングが可能。Everio本体が無くても同ディスクの再生が可能で、HDMI、コンポーネント、コンポジット、アナログ音声出力を各1系統装備。HDMI接続では1080/60pの出力が可能でアップコンバート出力も可能。x.v.Colorもサポート。HDMI CECにも対応し、対応液晶テレビなどと連携できる。

 ライティングされる動画から代表的な部分を抜き出し、自動でダイジェストを作る機能も装備。約60分の動画の場合、5分のダイジェスト映像が作成され、一緒に書き込まれる。同機能はAVCHDの場合のみ使用可能で、ライティング後のダイジェスト映像は、他のAVCHD対応プレーヤーでも再生できる。

 Everioとの接続にはUSB 2.0を使用。PCと接続して外付けDVDドライブとしても使用できる。外形寸法は152×195×42mm(幅×奥行き×高さ)。重量は920g。リモコンも付属する。

 同じくUSB 2.0接続で、外付けHDDへの映像保存にも対応。対応機種としてアイ・オー・データの「HDCN-U250/320/500/640/1.0」の5モデルが紹介されており、Everio内の映像をHDDに移動し、蓄積できる。また、HDD内の映像をEverioから直接再生することもできる。

CU-VD50 外付けHDDへの映像保存にも対応。アイ・オー・データの「HDCN-U250/320/500/640/1.0」が対応している


■ 「高画質と長時間録画の両立を」

 モバイルAV事業グループの堀伸生カムコーダーカテゴリー長は、既発売のファッショナブルなMG330シリーズが日本とフランスの店頭販売で4週連続1位になったことなどを紹介。「Everioは好調で、世界台数シェア2位を維持している」とした上で、新モデルでこだわったテーマである「世界最長/最速/最小」の3点を説明。HD40/30の投入により、2007年度の同社ビデオカメラ世界販売実績約320万台を、2008年度は前年比110%となる約355万台を目指す世界販売計画を発表した。

 カムコーダーカテゴリー商品企画室の都築邦雄室長は、市場のユーザー動向として、HDD内蔵モデルやHD撮影対応モデルが急伸長している現状を紹介。「長時間撮影と高画質撮影へのニーズはさらに高まっている」とした上で、「各社のモデルでは高画質記録モードでは1,920×1,080ドットでの撮影が可能だが、長時間モードになると1,440×1,080ドットに落ちてしまう。これではユーザーが求める長時間と高画質の両立が実現できていない」と分析。大容量HDDを搭載し、フルHDをEPモードまで維持したAVCHD撮影を、製品のアピールポイントとして訴求していく姿勢を示した。

モバイルAV事業グループの堀伸生カムコーダーカテゴリー長 カムコーダーカテゴリー商品企画室の都築邦雄室長 長時間録画をアピールするため、CMでは砂時計を使って時間を表現している

□日本ビクターのホームページ
http://www.victor.co.jp/
□ニュースリリース(Everio)
http://www.victor.co.jp/press/2008/gz-hd40.html
□ニュースリリース(DVDライター)
http://www.victor.co.jp/press/2008/cu-vd50.html
□製品情報
http://www.victor.co.jp/dvmain/gz-hd40/sp/index.html
□関連記事
【1月29日】ビクター、世界初の1080/60p出力可能なHDDカム「Everio」
-記録は1080iで再生時にI/P変換。120/60GBの2モデル
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080129/victor.htm

(2008年6月16日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.