カノープス、MPEG高速編集/BD作成対応「EDIUS Pro 5」 －Cellを搭載したトランスコーダも発売予定

EDIUS Pro 5

9月12日より順次発売 標準価格：「EDIUS Pro 5 通常版」83,790円 　　　　　　 「HDSTORM」オープンプライス

　カノープス株式会社は、プロフェッショナル向けビデオ編集ソフトの最新バージョン「EDIUS Pro 5」を9月12日に発売。また、Canopus HQ Codecをハードウェアで搭載したPCI Express接続のHDMIインターフェイスに、同ソフトを加えたパッケージ「HDSTORM」も9月下旬より発売する。

　そのほか、オランダ・アムステルダムで開催されているIBC 2008で同社が展示している新製品として、トランスコードアクセラレータの「FIRECODER Intra」と「FIRECODER Blu」、HDMIプレビューボード「HDSPARK」なども発表した。新製品のラインナップは下表の通り。

仕様	型番	発売日	価格
ビデオ編集ソフト	EDIUS Pro 5	9月12日	通常版83,790円 アップグレード版31,290円 優待キャンペーン版 52,290円(1,000本限定) アカデミック版41,790円
EDIUS Pro 5 　+ HDMIキャプチャカード	HDSTORM	9月下旬	オープンプライス (実売128,000円前後)
EDIUS Pro 5 　+ HDMIキャプチャカード 　+ アナログインターフェイス	HDSTORM PLUS		オープンプライス (実売148,000円前後)
アナログインターフェイス単体	HDSTORM BAY		オープンプライス (実売4万円台)
HDSTORM向け オプションソフトパッケージ	HDSTORM Power Up Kit		31,290円
トランスコード アクセラレータ	FIRECODER Intra	10月中旬	829,500円
	FIRECODER Blu	未定	未定

■ EDIUS Pro 5、HDSTORM

編集画面

　EDIUS Pro 5は主な機能強化として、ソニーのXDCAM EXカムコーダやAVCHDカメラでの入出力をソフトウェア単体でサポートするなど、対応するカメラやターンキー用オプションの種類を拡大。対応OSは従来のWindows XPに加え、新たにVistaにも対応。Vistaの64bit版もサポートする。

　また、アルゴリズムの改良により、MPEGファイルのネイティブ編集を高速化。HDVやXDCAM EXフォーマットをネイティブで高速編集できるようになったほか、4ストリームでの同時処理も行なえる。また、レンダリングフォーマットにMPEGを選択できるようになった。そのほか、編集した部分のみをエンコードする「セグメントエンコード機能」と、マルチコアCPU向けに処理を最適化する「スピードエンコード機能」を合わせることで、更なる高速処理を実現したという。

対応カメラなどが拡大	MPEG編集を高速化	手ぶれ補正など、プラグインも強化している

　新たな3Dトランジション方式「GPUFx」を搭載し、従来はリアルタイム処理が困難だった複雑なトランジションも、グラフィックカードのGPUと独自技術により軽快にマスタープレビューが行なえるという。プリセットは1,000以上用意する。

　ビデオフィルタやトランジション、オーディオVSTプラグインの種類を強化したことも特徴。24種類のモーション/フィルム/画像変換フィルタが利用できる「Art Effects/Film Effects/Motion Effects」や、300以上のトランジション/190以上のフィルタプリセットを持つ「VitaScene Filter」などが利用できる。また、手ぶれ補正が行なえる「MerCalli」や、“揺れ”のエフェクトを加える「Video Shaker」もバンドル。さらに、音声ノイズ除去の「iZotope VST」も同梱する。

主な機能強化点	入出力対応ファイル	動作環境

　ファイル出力時のエクスポーター機能も拡張。ファイル形式や画質などを簡単に選べるプリセットを用意した。また、アスペクト比の変換やレターボックス/サイドパネルの自動作成、24pプルダウンなどのフレームレート変換、音声フォーマット変換などにも対応する。

　さらに、ユーリードの「DVD MovieWriter」を同梱し、シリーズで初めてBlu-ray Discへの書き出しに対応。編集したAVCHDまたはHDV形式のファイルをBDにライティングできる。

　そのほかの強化としては、クリップの特定の時間位置にマーカーを設置できる「クリップマーカー機能」を搭載。キャプチャ中の素材やソースファイルの編集時にマーカーを付加できるほか、P2カードに撮影した際に松下のソフト「P2ビューアー」で付けたコメントがEDIUS Proで読み込めるようになった。また、クリップの簡易検索機能や、シーケンストラックのサイズ調整に対応。さらに、映像のコマ止めを行なうフリーズフレーム機能なども追加されている。

　ビデオレイアウト機能では、映像にキーフレームを設定してパン/ズームが可能となった。また、タイトル作成ソフト「Quick Titler」も機能拡張され、文字単位でのフォント/文字間隔の設定、レイアウトバーやグリッド表示による細かな位置調整などに対応した。

HDSTORMに含まれるHDMIキャプチャカードと、HDSTORM PLUSに同梱されるアナログ入出力拡張カード

　HDSTORMは、HDMI入出力を各1系統備えたPCI Express x1接続のキャプチャカードに、EDIUS Pro 5を付属した製品。ハードウェアでCanopus HQ Codecを搭載し、EDIUS Pro 5上で軽快/高度な編集と、付属のDVD MovieWriterでBD/DVD書き出しも行なえることが特徴。なお、HDMIはVer.1.1で、HDCPはサポートしない。

　HDSTORM PLUSは、上記のHDSTORMに、コンポーネント/S映像/コンポジットのアナログ入出力が可能な5インチの拡張ベイを付属。この拡張ベイは単体でも発売される。

　なお、HDSTORMでは、パッケージ版のEDIUD Pro 5の付属するソフトの一部は付属せず、別売オプションとして提供。「TitleMotion Pro for Canopus」や、「Art Effects」、「VitaScene」、「iZotope VST」などはオプションの「HDSTORM Power Up Kit」に含まれる。

HDMIキャプチャカードはCanopus HQ Codec搭載	アナログ入出力拡張カードは5インチベイに装着	HDSTORMの特徴

□ニュースリリース(EDIUS Pro 5)
http://www.canopus.co.jp/press/2008/edius_pro5.htm
□ニュースリリース(HDSTORM)
http://www.canopus.co.jp/press/2008/hdstorm.htm

■ FIRECODER Intra/Blu

　海外で販売されていたハードウェアMPEGエンコーダ「FIRECODER」からシリーズ化した製品として、日本でも発売する2モデルをIBC 2008で発表した。

　FIRECODER Intraは、松下のAVC-Intraフォーマットを使用する編集プロダクションや放送局向けに開発されたHDWS/REXCEED対応のオプションボード。AVC-Intraのエンコーダチップを2基搭載し、EDIUS Pro 5上でAVC-Intra 50/100のエンコードを実時間以下に抑えた。

　FIRECODER Bluは、Cellを搭載したPCI Express接続のカードで、AVCHDからMPEG-2への変換を実時間の1/4～1/5で行なえるという。なお、MPEG-2からAVCHDへの変換も可能。さらに、AVIからMPEG-2やAVCHDへの変換も実時間以下で行なえるとしている。専用のBlu-ray/DVD用変換/書込ソフトが付属する。価格や発売時期は未定で、改めて発表するとしている。

FIRECODER Intra	FIRECODER Blu

□ニュースリリース
http://www.canopus.co.jp/press/2008/firecoder.htm

■ そのほか

　IBCで発表された「HDSPARK」は、EDIUS Pro 5で編集中の画面をHDMI経由でリアルタイム出力できるHDMIプレビューボード。日本でも発表予定で、タイムライン映像をフルHD解像度で表示でき、編集プロダクションや放送局での使用が想定されている。インターフェイスはPCI Express。価格や発売日は未定。

　「K2 Dyno」と「K2 Summit」は、スポーツなどのライブイベント中継システム。Dynoがライブコントローラ、Summitがクライアントとなっている。システム価格は850万円前後からで、出荷時期は12月を予定する。

HDSPARK	ライブイベント中継システムの「K2 Dyno」と「K2 Summit」

□ニュースリリース(HDSPARK)
http://www.canopus.co.jp/press/2008/hdspark.htm

□カノープスのホームページ
http://www.canopus.co.jp/
□EDIUS Pro 5製品情報
http://www.canopus.co.jp/catalog/edius_pro/edius_pro5_index.php
□関連記事
【2月20日】カノープス、「EDUIS Pro 4.6」を提供開始
－1,920×1,080/24p対応など
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080220/canopus.htm
【1月31日】カノープス、MPEG出力を高速化した「EDIUS Pro 4.6」
－ソニー「XDCAM EX」対応。既存ユーザーに無償提供
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080131/canopus.htm

( 2008年9月12日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]

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