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三洋電機株式会社は、ICレコーダ「DIPLY」(ディプリ)シリーズの新モデルとして、業界初となる4マイクを内蔵したリニアPCM録音対応モデル「ICR-PS603M」と、低価格なMP3録音モデル「ICR-S003M」を11月21日に発売する。 価格はどちらもオープンプライス。店頭予想価格は「PS603M」が33,000円前後、「S003M」が1万円前後の見込み。「PS603M」は4GBのフラッシュメモリを内蔵し、拡張用にmicroSD/microSDHCカードスロットを用意。「S003M」に内蔵メモリは無いが、SD/SDHCカードスロットを備え、1GBのカードが付属する。
■ ICR-PS603M 同社は4月に、X-Yマイクを搭載し、業務用途も想定したハイエンドモデル「ICR-PS1000M」(実売35,000円前後/内蔵メモリ無し・microSDカード利用)を発売している。今回の「PS603M」は、生録に特化するのではなく、会議や講演会の録音などのビジネス用途に利用し、時折趣味の音楽録音などに使用するといった使い方を想定している。
4GBのメモリを内蔵し、microSDカードでメモリ容量の追加も可能。最大の特徴は、本体上部に4個のマイクを内蔵した「4(フォー)マイクシステム」を搭載したこと。外から見ることはできないが、上部の黒いユニット内に、指向性のあるX-Yマイクと、全方位からの録音に適したステレオマイクを両方内蔵している。
用途に応じて2つのマイクを切り替えて使用できる。具体的には背景ノイズを抑制し、自然なステレオ録音ができる「X-Yマイク」では音楽録音などを、ステレオマイクでは会議や習い事などの録音に適している。また、マイク部はチルトアップでき、机上設置した場合、伝わるノイズの影響を低減できる。
録音モードに、マイクの選択も加わると設定が複雑化する。そこで同社では、「シーンセレクト機能」として、録音シーンに合わせた設定プリセットをあらかじめ用意。音楽では「X-Yマイクで、PCM 48kHz録音」、口述シーンでは「ステレオマイクで、MP3 64kbps録音」などといった設定が用意されている。設定はユーザーカスタムを登録することも可能。ピークリミッターや無音部分での自動分割など、細かい設定もシーンプリセットに適用できる。
録音はPCMの場合、16bit/48kHzと、16bit/44.1kHzが選択可能。MP3録音も可能で、44.1kHzで128/192/320kbpsと、22.05kHzで64kbpsのステレオ録音、もしくはモノラルのMP3 16kHz 32kbpsが選択できる。外部マイクが接続できるステレオのマイク入力も備え、ライン入力も兼用している。 再生はPCM、MP3(16~320kbps)、WMA(32~192kbps)に対応し、WMA DRMもサポート。再生時には空調や風切音を低減するローカットフィルタを適用できるほか、新たに新開発のノイズキャンセリングLSI「LC70301LG」も搭載。ノイズ成分を判別し、リアルタイムに低減しながら再生できる。MP3/WMA/PCMファイルの再生時利用可能。効果は強/弱が選択できる。 なお、同LSIは外販も予定しており、12月よりサンプル出荷を開始。サンプル価格は1,000円。雑音推定アルゴリズムの見直しや、メモリサイズの増加などにより、除去精度を従来の2倍に向上。ノイズを適用前の20分の1に低減できるという。
また、メイン処理用のLSIに「DIPLY ENGINE II」を採用。省電力を実現しており、単4アルカリ電池1本で約26時間(MP3)/10時間(PCM)の録音、約23時間(MP3)/約11時間(PCM)の再生が可能。単4のエネループが付属し、本体で充電もできる。 50%から200%まで、21段階の再生速度調節機能も備え、従来モデルよりも高音質な遅聞き、早聞きが可能になった。PCとの接続はUSB 2.0で、本体に端子を内蔵。背面のスイッチをスライドさせると端子が露出する。 ほかにも、録音ファイルのリスト表示や、ファイル名にフォルダ名や録音日時、録音時間などを数字で入れ込むようになるなど、細かい機能改善も行なわれている。ヘッドフォン出力は定格10mW×2ch(16Ω)。80mWのスピーカーも内蔵。外形寸法は120×35.4×13.9mm(縦×横×厚さ)。電池を含む重量は約58g。対応OSはWindows 2000/XP/Vista。ウインドスクリーンとイヤフォンが付属する。
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■ ICR-S003M SDメモリーカードを使うICレコーダとして、業界最小/最軽量を実現したというモデル。メモリを内蔵しないことで実売1万円前後という低価格を実現。SD/SDHCカードスロットを備えており、1GBのカードを同梱。「デジカメ用に購入したが、余っているSDカードなどが有効利用できるほか、カードをカセットのようなライブラリに使うといったわかりやすい使用スタイルも提案していきたい」(デジタルシステムカンパニー DI事業部 DI商品部の横田十久雄部長)という。
エントリーモデルながら、高感度なステレオマイクを内蔵。品質も44.1kHz 192kbpsまで対応している。録音モードはHQステレオ(44.1kHz/192kbps/60Hz~20kHz)、HQLPステレオ(22.05Hz/64kbps/60Hz~7.5kHz)、LPモノラル(16kHz/32kbps/60Hz~6.5kHz)に対応。 再生はMP3のみサポートで、対応ビットレートは16~320kbps。ヘッドフォン出力は10mW×2ch(16Ω時)。出力70mWのモノラルスピーカーも内蔵している。 上位モデルと同様に「DIPLY ENGINE II」を搭載。単4アルカリ電池1本で約29時間(MP3/ステレオ)の録音、約27時間(MP3/ステレオ)の再生が可能。エネループは付属しない。 50%から200%まで、21段階の再生速度調節機能も利用可能。シーンセレクト機能も用意する。液晶中央部には「見え~るメーター」を装備。横に伸びる黒いラインで、録音中はレベルメーター、停止中はSDカードの録音可能残量、再生中は再生進捗状況の表示を担う。
ライン入力兼用の、ステレオマイク入力端子を装備。PCとの接続は、USB端子(miniB)から行なう。外形寸法は96×36.6×13.3mm(縦×横×厚さ)。電池を含む重量は約52g。対応OSはWindows 2000/XP/Vista。イヤフォンが付属する。
□三洋電機のホームページ
(2008年11月11日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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