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三菱電機株式会社は、「DIATONE」ブランドの車載オーディオ製品として、リニアPCM対応のオーディオプレーヤーやDACなどを組み合わせた「デジタルプロセスセンター」(DA-PX1)を12月12日より受注販売する。価格は80万円で、納期は受注後3~4カ月。 DSP内蔵DACや入出力端子などを備えるメインユニットと、オーディオプレーヤー機能搭載のサテライトユニット、液晶ディスプレイユニット、リモコンで構成するオーディオシステム。なお、本体にアンプは内蔵しない。プレーヤー部にはUSB端子を2系統備え、USBメモリなどに収めたリニアPCM(WAV)、MP3/WMA/AACを再生可能。複数台の同時接続でマルチチャンネルアンプシステムにも対応し、連動制御が可能となる。
メインユニットとサテライトユニットの間の伝送方式に「DIATONEリンク」を採用。プレーヤー側のデジタル信号クロックと、DAC側のクロックのずれを、音質を損ねずに水晶レベルの精度で吸収する「リアルタイムコレクター」により、同期デジタル伝送に近いという高音質再生を可能にした。また、送受間のクロックずれをメモリで吸収する「メモリータイムコレクター」も車載用で初めて採用した。 DACには32bit精度の超高速電流スイッチを搭載し、DA変換時のデジタルノイズ混入を防ぎつつ、増幅回路を通さず一挙にアナログに変換する「32Bit アドバンスト・ピュアバリアブルカレント・DAコンバーター」を採用。また、電流源を2分割し、ペア構成の電流スイッチを通過後に再合成することで、ジッタの影響を最大1/16まで低減している。さらに、ビット欠落無くDA変換と音量調整を同時に行なうことで、微小音量再生時でも緻密でクリアな再生が行なえるという。 また、DSP段からDACへの信号伝送時に、電源やグランドの変動により混入するデジタルノイズを、定電流スイッチデジタルバランス伝送技術によりクリーンな状態に作り直すことで排除する「ピュアデジタル・アイソレーター」も採用する。 グラフィックイコライザには演算回数を抑えつつ高精度な特性を持つというFIR方式を採用。任意特性への調整が難しいとされたFIRイコライザを、独自アルゴリズムでIIR方式と同等の特性を実現したことで、高品質な周波数特性補正を可能にしたという。また、CDなどの16bitリニアPCM信号から、デジタル化される前のアナログ信号状態を推定し、量子化ノイズを抑えるという独自の「適応型補間アルゴリズム」も搭載する。 さらに、機器間の信号伝送には「リモートポテンシャル伝送方式」を採用。アンバランス伝送だが、機器のグランド間の電位変動によるノイズの影響を防いでいる。 ドルビーデジタルやDTS、AACの5.1ch音声を、2chスピーカーでサラウンド再生する「DIATONEサラウンド」を搭載。2ch音声からでも立体的な音場を再現できるという。また、低域から倍音成分を生成して豊かな低音再生を図る「リアルベース」も利用できる。 最大4chのタイムアライメント機能を搭載。独自のネットワークアルゴリズムにより、パッシブネットワークを用いたマルチチャンネルスピーカーの特性を乱さずに、各スピーカーを独立して補正することが可能になった。サブウーファ出力はメインチャンネルから独立して装備。専用のタイムアライメントやハイカットフィルタ、サブソニックフィルタ、グラフィックイコライザを搭載する。DAC段には、4倍オーバーサンプリング対応の32bitデジタルフィルタを搭載。4種類の異なるフィルタ特性を備え、音楽ソースによって音質を選択できる。 そのほか、販売店向けとして、各車両の特性に合わせた精密な音域補正を行なえるパソコン用ソフトも用意する。ただし、調整は認定ショップのインストーラにより行なわれるため、一般ユーザーへの配布は行なわない。 音声入力端子はデジタル×5(光×3、車載光×1、同軸×3)と、アナログ(RCA)×2。音声出力はアナログ(RCA)と、サブウーファ(RCA)を各1系統装備する。 外形寸法と重量は、メインユニットが360×221×54.5mm(幅×奥行き×高さ)、2.9kg。サテライトユニットが160×101×35mm(同)、0.7kg、ディスプレイ部が150×28.1×45.4mm(同)、0.3kg。リモコンが80.9×28×19.2mm(縦×横×厚さ)、40g。
□三菱電機のホームページ ( 2008年12月3日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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