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株式会社ビデックスは、展開しているパソコン向けVOD映像配信サービス「ビデックスJP」において、12月4日より英BBCの番組配信を開始。「ブルー・プラネット」など一部作品はフルHDで視聴できる。
これまで、同サイトにおいてBBCの番組が5~10本程度配信されることはあったが、新たに日本で最大という245本、合計200時間以上という配信を2009年4月までに予定。そのうち、「ブルー・プラネット」、「ガラパゴス」シリーズの16本は、北米やヨーロッパに先駆けてフルHDでネット配信することが特徴。 配信形式はダウンロード型・レンタル方式で、価格は1本210~420円。購入後1週間まで視聴できる。映像フォーマットはWMV 9で、フルHDコンテンツは1,920×1,080ドット/8Mbps、SDコンテンツは680×480ドット/3Mbpsで提供。なお、フルHD配信作品には、1,280×720ドット/5Mbpsの低解像度版も用意されている。著作権保護にはWM DRM10を採用し、ダウンロードしたパソコンでのみ視聴できる。対応OSはWindows 2000/XP/Vista。
配信作品は「ブルー・プラネット」(1本420円)などのドキュメンタリーネイチャー(11本)、「モナリザの秘密」(1本315円)などのドキュメンタリー(20本)、「リトル・ブリテン」(1本210円)などコメディ(78本)、「高慢と偏見」(1本210円)などのクラシックドラマ(46本)、「世界に衝撃を与えた日」などの歴史(30本)、「ウォーキングwithダイナソー」など恐竜/古代生物(13本)といった10ジャンルをラインナップ。 開始時の配信作品数は、12月の第1弾が「ブルー・プラネット」をはじめとする76本で、2009年1月に76本を追加。以降は2月に37本、3月に36本、4月に20本を追加することで、予定の245作品が揃う。
■ 「粗悪な映像が溢れるネットで良質な映像の流通を」
ビデックスは、2006年よりテレビアニメを中心とした映像配信を開始、その後、ドキュメンタリーや映画、ドラマ、美容/健康などのコンテンツまでジャンルを拡大してきた。柳下洋社長は、12月1日に始まった「NHKオンデマンド」を挙げて「NHKオンデマンドのタイトルは210本、約210時間。我々のサービス(BBC番組配信)は、245本/205時間(2009年4月予定)となり、規模で上回る」とアピールした。 また、柳下氏はインターネット映像配信の現状について「労せずして生み出したものがはびこり、苦労した良いものが淘汰されることが頻繁に起こっている」と認識。これは、無料配信が多くを占めることで、コンテンツの価値がアクセス数のみで判断される点を問題視したもの。 同社の調べではアクセス数だと無料コンテンツと有料コンテンツではアクセス数の差が100:1としているが、同社は2006年の配信開始以来、一貫して有料での提供を続けており、「アクセスが1/100でも利益が出るビジネスをする」との方針を説明。「アクセス数だけに頼るとコンテンツホルダが自らの首を絞める」と主張し、広告を収入とする無料配信に勝ることで「良質なコンテンツが流通しやすいインフラを創る」ことを自社の使命とした。
具体的に価値を高める方策としては、既に展開しているフルHDなどの高画質配信を挙げ、今後はスーパーハイビジョンや4Kシネマといった、更に高画質での配信を行なうことにも意欲を見せる。また、日本アニメなどの海外配信を2009年をメドに開始。また、パソコン以外にテレビや携帯電話向け配信も2009年開始を目標に進める。今回のBBC番組配信も現在はPC向けのみだが、今後は携帯機器向けに転送するという方法も、BBCとの契約で検討していくという。 現時点の実績では、配信サービスの有料会員が22万人、タイトル数42,000本、配信数30万本/日となっている。柳下社長は、地上アナログ放送が終了する2011年の目標として有料会員100万人とし、「達成可能な目標」と自信を見せた。
番組を提供するBBC WorldWideから、グローバルTVセールス・アジア シニアバイスプレジデント&ジェネラルマネージャのジョイス・ヨン氏も来場。 ヨン氏は、今回の配信開始について「今回は、200時間以上の配信ができるという点だけでなく、ハイビジョンで配信できることが喜ばしい。質の高いブルー・プラネットなどの追加で、ビデックスJPのコンテンツも、更に豊かになるだろう。BBCにとっても(パソコン向けなどの)デジタル配信の売上が重要性を増している。これまでBBC WorldWideのサイトに直接アクセスしていなかった新規ユーザーも獲得できる」とコメントした。
( 2008年12月4日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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