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ソニーは、MPEG-4 AVC/H.264映像と音声を、FOMAやインターネット回線で伝送する業務用の映像中継システム「ロケーションポーター」(LocationPorter)対応端末として、リアルタイムビデオトランスミッタ「RVT-SD100」を3月18日に発売する。 価格はオープンプライスで、想定価格は160万円前後の見込み。また、別売のリチウムイオンバッテリ「RVTA-BT100」が8万4000円、バッテリーチャージャー「RVTA-BC100」が11万5,500円、FOMA端末を2台収納できるショルダーストラップ「RVTA-ST100」が1万6,800円で同日に発売される。
ロケーションポーターは、放送局による報道映像の中継や、自治体などによる災害/事故発生時の情報収集といった緊急性が求められる場合に、中継車や多くの人員を必要とせずに中継が行なえるシステム。対応の送受信端末でFOMAまたはインターネットの回線を利用して映像/音声を伝送できる。 従来システムでは専用ソフトをインストールしたパソコンで送受信を行なっていたが、より機動性を高めるため、部品の最適化などにより、A5サイズ/重量約1.5kg(バッテリ駆動時)で送受信のどちらにも対応可能な専用端末として「RVT-SD100」が開発された。 利用には同製品を2台用意し、事前に送信/受信側のいずれかに設定。送信側の端末にビデオカメラをつないで送信スタート/ストップのボタン操作により送信できる。なお、FOMA回線を利用する場合はドコモの対応カード「A2502 HIGH-SPEED」が必要。受信側の端末で映像/音声を外部モニターなどに出力でき、キーボード/マウスによる操作も可能。なお、コンテンツの音声とは別に、別売ヘッドセットを利用した音声通話にも対応する。
映像コーデックにはMPEG-4 AVC/H.264を採用。独自のコーデックエンジンにより低ビットレート時のブロックノイズ低減を図っている。音声はATRAC3 plus。 インターネット利用の「LAN」モードのほか、FOMA利用時は、1回線を利用する「FOMA」モードと、2回線を同時に使用して映像ビットレートを最大2倍に向上できる「2X FOMA」モードを用意する。「2X FOMA」モード時は音声が二重化伝送され、1回線が不安定でも他方でバックアップされる。 圧縮後の解像度はLAN/FOMAとも共通で、352×240ドット。フレームレートはFOMAでは最大15fps、LANでは最大30fps。ビットレートはLANが最大1,024kbps、FOMAが最大320kbps。ステレオ音声でのビットレートはLANが最大64kbps、FOMAが32kbps。 安定した伝送を行なうためのQoS機能も搭載。映像の最適な伝送レート/フレームレートを制御する「ARC」(Adaptive Rate Control)と、伝送時に損失したパケットを特定し、該当パケットのみを再送(送信側がLAN使用時のみ)する「Real-time ARQ」(Real-time Automatic Repeat reQuest)、送信側で映像/音声にパリティデータを付加し、受信側でデータが欠落した場合でも復元可能とする「FEC」(Forward Error Correction)の3つで構成されている。 電源は別売バッテリまたは付属ACアダプタを使用。外形寸法は約143×80×222mm(縦×横×厚さ)、バッテリ装着時の重量は約1.5kg。
□ソニーのホームページ ( 2009年2月4日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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