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デジタルドメイン、10万円台のコンポ「シリーズ9」を発表
-小型アンプやカスタマイズ版「Yoshii9」、プロジェクタも


シリーズ9をメインとしたシステム。発表会では4畳半をイメージした展示を行なった
2月16日発売

標準価格:13万1,250円~105万円


 株式会社デジタルドメインは、同社ラインナップとしては低価格な「シリーズ9」を発表。コンパクトなステレオパワーアンプ「B-9」と、タイムドメインスピーカー「Yoshii9」をデジタルドメインがカスタマイズした「YS-9」を用意。価格は「B-9」が13万1,250円、2台購入すると26万2,500円で連結金具が付属。「YS-9」が1台10万5,000円。

 デジタルドメインは独自の静電誘導トランジスタ「SIT」を搭載したDCアンプ「B-1a」(105万円)や、フランス・Cabasse(カバッセ)の同軸4ウェイスピーカー「La Sphere」(ラ・スフィア/システム価格2,100万円)など、100万円を越えるハイエンド機器をメインに扱ってきたが、9シリーズは各コンポを10万円台に抑えているのが特徴。

 また、これに組み合わせるプロジェクタとして、日本ビクターの「DLA-HD100」(84万円)を同社がチューンナップした「DLA-HD100STU」も用意。こちらは105万円で、アンプ/スピーカーと合わせ、「4畳半でも利用できるシステムをイメージした」(西和彦社長)という。


■ B-9

 外形寸法135×260×56.5mm(幅×奥行き×高さ)の、薄型筐体が特徴のステレオパワーアンプ。同社のDCアンプは独自の静電誘導トランジスタ「SIT」が特徴だが、B-9には通常のトランジスタを使っており、価格を抑えている。しかし、トロイダルトランスやボリュームなど、各部品回路をディスクリート構成することで音質を高めており、「アナログの暖かみの中に、真空管を越えた緻密で余裕のある音を引き出す」という。

 出力は7.5W×2ch。背面にスイッチを備えており、手軽にステレオとBTLモードが切替可能。BTL時は15Wのモノラルパワーアンプとして動作する。BTL接続を想定して2台セットでの販売も実施。上位モデルとなるDCアンプ「B-1a」と同様に、横に複数台を連結でき、セット販売では連結金具も付属する。

B-9 3台を接続したところ

 同シリーズのプリアンプは用意されておらず、AVアンプなどのプリアウトとの接続を想定。シアターシステムのサラウンド用アンプや、デスクトップオーディオ用アンプとしての使用をイメージしているという。入力はアナログ音声(RCA)1系統。連動誤差が少ないというアルプス電気製のボリュームも前面に備えている。

 筐体はアルミ製で、フロントパネルにもアルミを使用。背面パネルには人工大理石を使っている。インシュレータは3点支持タイプ。入力感度は250mW、周波数帯域は5Hz~150kHz(-3dB以内)、残留ノイズは0.5mV以下。入力インピーダンスは10KΩ。

背面 底には3点支持のインシュレータを備えている YS-9と組み合わせたところ

内部。大型のトロイダルトランスを採用している


■ YS-9

発表会にはゲストとしてタイムドメインの由井啓之社長も参加。“世界で最もナチュラルな再生音”を自負し、世界各国でスピーカーの紹介を行なっている事を紹介した

 ベースとなる「Yoshii9」は、タイムドメイン理論を提唱している由井啓之氏(タイムドメイン社社長)が手掛けるスピーカー。タイムドメイン理論とは、周波数領域に着目した従来の再生方法に加え、「時間領域(タイムドメイン)の再現性」に着目したもの。音の発生から消滅までの時間的な過程を再現することで、原音に忠実な再生を目指している。

 「Yoshii9」の価格は、ペアのスピーカーと、エンジン(専用アンプ)がセットで31万5,000円。デジタルドメインの「YS-9」は、スピーカーの1本売りで10万5,000円。ブラック、ホワイト、シルバーのカラーバリエーションも用意している。

 単に1本売りするだけでなく、内部にも手を入れたカスタム版となっており、内部配線を独自の銀配線に変更している。また、スピーカーターミナルを汎用的なものに変更しており、「Yoshii9」のエンジンを使わず、通常のアンプでドライブが可能。エンジン部は販売されない。

カラーリングはブラック、ホワイト、シルバー

通常のスピーカーターミナルを備えた

 そのほかの仕様は共通。天面に8cm径のフルレンジユニットを備えたポール型スピーカーで、高さは1,085mm。筒の直径は90mm径、脚部も円形で直径210mm。重量は9kg。

 上部に音を放出する無指向性システム。ポールとユニットはゲルで繋ぎ、振動を遮断。ユニット背面の圧力波は、硬質アルマイト処理したポール内のチューブを通るうちに、吸音材で減衰し、底面のポートから抜ける。これにより、箱型スピーカーのエンクロージャ振動による影響を排除できるという。


■ DLA-HD100STU

 ビクターの「DLA-HD100」をベースとしたチューンナップモデル。「DACとD-ILAデバイスの基板間にある配線を単結晶の銀素材に変えたほか、電源部の整流回路を大幅に強化した」(西社長)という。また、外観的にはレンズ回りに金環を配している。

DLA-HD100STU 背面端子部

 基本スペックは「HD100」と同じで、0.7型/1,920×1,080ドットD-ILAデバイスを搭載。ネイティブコントラスト30,000:1を実現している。光源は200Wの超高圧水銀ランプで、輝度は600ルーメン。レンズは2倍の電動ズーム/フォーカスでフジノン製(F3.4~4.3)。60~200インチの投写に対応し、100インチの投射距離は、3.1~6.2m。上下80%、左右34%のレンズシフト機能も搭載する。

 ジェナム製の映像プロセッサを搭載。ジャギー低減の「FineEdge」、プログレッシブ化回路「TruMotionHD」、輪郭強調/ノイズリダクション技術「FidelityEngine」、Y:Cb:Cr=4:4:4映像信号にアップサンプリングする「RealityExpansion」などを統合したプロセッサで、HD映像やDVDの高画質化を図っている。

 入力端子はHDMI×2、コンポーネント×1、S映像×1、コンポジット×1。HDMIは1080p(60/50/24Hz)入力に対応する。HDMIは新たにバージョン1.3に対応し、12bitまでのDeepColorをサポートする。消費電力は280W。外形寸法は455×418.5×172.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は11.6kg。騒音レベルはノーマルモード時で24dB。

□デジタルドメインのホームページ
(2月16日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.digital-do-main.com/
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(2009年2月16日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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