編集後記 5月27日版(毎週金曜日更新)


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 東芝の経営方針説明会に参加しました。予想通りにデジタルプロダクツ関連は、ネタが薄く、当然注目は原発に集中。「とにかく収束」以上は周囲の環境に任せるといった成長性については少し突き放した位置づけに、思いのほか冷静かつ、柔軟に事業方針を転換しつつあるという印象を受けました。と考えてみれば、ほぼ全ての発電技術や設計能力を持っているので、事業としてはさまざまな吸収の幅があるので当然なんですが。

 ともあれ、原子力発電にかかわるメーカーが、今どういう意識で事業に向かうか、という観点は興味深いし、詳しくレポートする媒体は少ないかなと思い、普段は概要だけの社会インフラ/電力周りを厚くレポートしてみたのですが、あまり反応なくて残念。しかし、去年までは話半分ぐらいに聞いていたコンバインドサイクル発電とか、高効率タービンの話が、今年はリアリティを持って響きました。電力不足に悩む新興国の製造業とかは、常にこういう切迫感と向き合っているんだろうな、と思いながら。

(usuda@impress.co.jp)

 

 発表内容が大量かつディープなので取材するのは大変ですが、それゆえ面白いのがNHK技研公開。スーパーハイビジョンなどの大物が目立ちますが、視聴者の表情&よそ見頻度をカメラで読み取って、放送中の番組に対してどう思っているかをテレビが自動で判断。「歌のシーンがお気に召したようですので、次はこの音楽番組はいかかでしょう?」とオンデマンド番組を推薦してくれる機能など「なにこのSF」と言うような研究が目白押しで、話を聞くだけでもワクワクしてきます。

 

 印象に残ったのは、会場にあるiPadの数。時にはオススメされた番組を通信経由で表示するVODビューワーとして、時にはTwitterのようなSNSのコメント表示窓として、使い方はブース毎に様々ですが、未来のテレビ像を考えた時に、“テレビとPCの視聴距離の違い”をクリアするための相棒として、タブレット端末は非常に使いやすいようです。“タブレットがセットになったテレビ”なんてのも、意外にすぐ出てくるのかもしれません。

(yamaza-k@impress.co.jp)

 魔法の杖の取材で英国大使館に行ってきました。大使館が自国企業のために発表会の場を提供するというのは珍しくないですが、この製品はただユニークなだけではなく「親子の時間をもっと大切にしたい」という開発者の想いを形にしたもので、周りもそれを応援したくなる、という気持ちがよく伝わりました。

( nakaba-a@impress.co.jp )