東芝、省エネREGZA C8000投入で「レグザ環境宣言」

-“苔”を使ったイメージ展示も。HDD内蔵機も参考展示


3月25日より順次発売

標準価格:オープンプライス


 株式会社東芝は、液晶テレビREGZAのベーシックモデル「C8000シリーズ」の発表会を開催した。低消費電力と高画質の両立を図ったREGZAのエントリーモデルとしての性能をアピールしたほか、環境対応を強調。「高画質環境レグザ」を掲げて展開する。

型番サイズ解像度年間消費電力量発売日店頭予想価格
42C800042型1,920×1,080ドット127kWh/年4月下旬21万円前後
37C800037型1,920×1,080ドット119kWh/年4月下旬18万円前後
32C800032型1,366×768ドット95kWh/年3月25日14万円前後


42C800037C800032C8000

 



■ 薄型テレビ市場は堅調。画質、ストレージ、ネットに加え、環境を柱に

東芝DM社 テレビ事業部 大角事業部長

 東芝デジタルメディアネットワーク社 テレビ事業部の大角正明事業部長は、「経済環境の悪化により、自動車や携帯電話など多くの産業で逆風が吹いている。しかし、テレビについては市場環境はそれほど悪くないのではないかと考えている」と言及。「金額ベースでは、世界市場は相当厳しいものの、日本は比較的堅調で5~10%の伸びを期待している」とし、2009年の国内市場台数予測を943万台と予測した。

 日本市場における東芝のポジションについては、26型以上の液晶テレビのシェアで、直近の2月で24.4%を記録。「秋の製品発表時にDM社社長の藤井が下期の目標を20%と説明したが、このレベルはクリアできると確信している」という。特に37~42型の主力サイズでは、2月23日の週で31.1%を記録し、約3割のシェアを得ているという。




2009年の国内市場需要予測は943万台26型以上のシェアは直近で24.4%好調の要因は積極的なプロモーションと商品力

 好調なシェアの要因を、大角事業部長は、「福山雅治を起用した積極的なプロモーション」と「お客様の期待値を超える“商品力”」の2つの要素で説明。商品の機能面については、「調べて選べばレグザになる」と、画質と録画機能の充実をアピール。特にすぐに録画できる快適性、連ドラ予約などの使いやすさ、外付けHDDが増設可能などのユーザーの声を紹介し、「録画機能は他社より一歩進んでいる」と訴えた。

 また、消費者調査の結果を例示しながら「省エネ性能を求める声が高まっている」とし、新REGZA C8000シリーズで省エネ化を進めた理由を説明。「高画質、ストレージ、ネットワークの従来からのREGZA 3戦略に加え、環境品質をきっちり高めた製品を目指した」と製品コンセプトを紹介した。

 さらに、新モデルにあわせて策定した「レグザ環境宣言」を「映像品質にも環境品質にも妥協しない、飽くなき挑戦を加速する」と紹介。その第1弾製品としてREGZA C8000シリーズをアピールした。

省エネに消費者の注目が集まる3本の柱に加えて「環境品質」を商品戦略の核に

東芝DM社 環境経営部 上山部長C8000における環境性能向上の成果

 東芝DM社 環境経営部 上山大治郎部長は、東芝の2050年のあるべき姿を見据えて策定した「環境ビジョン2050」を紹介し、環境活動に取り組んでいる点をアピール。

 同社の取り組みとして、製品と工場の省エネの「地球温暖化防止」、資源の有効活用「3R」、環境レベル基準対応など「科学物質の管理」の3点から、製品のライフサイクルを通して、環境負荷の低減に取り組む姿勢を紹介。同社内では、環境対応を進めた製品を示す「Excellent ECP」という認定プログラムを進めているが、C8000シリーズ全モデルが認定を獲得しているという。また、42型の42C8000を例に引き、包装容積を約40%、年間消費電力量を29%、重量を14%削減するといった成果をアピール。これらの施策により製品ライフサイクル全体では、103.2kgのCO2削減を実現したという。

 テレビ事業部 グローバルマーケティング部 伊藤正之部長は、REGZA C8000シリーズの新機能を紹介。42/37型における蛍光管の本数削減や特殊フィルム改善など、C8000シリーズで採用した「省エネパネル」の概要を解説した。

 さらに、上位機ZH7000シリーズなどと同等の倍速駆動技術「倍速・モーションクリア」や、視聴環境やコンテンツに合わせて最適な画質モードを自動選択する、「おまかせドンピシャ高画質」の導入など画質へのこだわりも言及。おまかせドンピシャ高画質には、省エネ性能を高める効果もあることもアピールした。

 また1998年製の32型ブラウン管テレビから、32型の32C8000に買い替えることで、消費電力が約1/3に、年間電気代が約7,108円削減でき、年間CO2排出量が約112kg削減できると説明。省エネ性能を武器に、ブラウン管テレビからの買い替えを促していく。

テレビ事業部 グローバルマーケティング部 伊藤部長省エネパネルの概要10年前のブラウン管テレビとの比較

 


■ “苔”を使った展示で、省エネ性能をアピール

REGZA C8000シリーズ

 説明会場では、建築家の安部良氏が会場のデザインを担当。“苔”を使ったイメージ展示で、生活風景に溶け込むREGZAの姿をアピール。また、苔を栽培するためのケースもリサイクル材料を用いるなど、ライフサイクルを通した省エネを図るREGZAのコンセプトとの調和も図っているという。

苔を使ったイメージ展示

 さらに、HDDレコーダ内蔵モデルも参考出展。基本デザインはC8000シリーズに近いが、背面にHDDレコーダ機能を搭載する。32/37/42型の3サイズが展示されており、近日中に正式発表する予定という。

HDDレコーダ搭載モデルも参考出展
2月26日に発表した19型の「19A8000」もカラーバリエーションで展開

(2009年 3月 4日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]