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5万円以下のデュアルDAC機などハイレゾプレーヤー多数。ケーブル自作キットも
2016年7月16日 20:33
イヤフォン、ヘッドフォン関連製品の試聴ができるイベント「ポタフェス2016 東京」が16日、東京・秋葉原のベルサール秋葉原で開幕した。期間は16日、17日の2日間で、入場は無料。ここではハイレゾポータブルプレーヤーを中心にレポートする。
COWON
ハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤーの新モデル「PLENUE M2(PM2-128G-SL)」を出展している。8月中旬発売で、直販価格は84,780円(税込)。
PLENUEシリーズの5機種目で、既存の「PLENUE M」からアンプを強化するなど、音質を高めたのが特徴。DACはPLENUE Mと同じ、TI/バーブラウンの「PCM1795」。ストレージ容量は64GBから128GBへ強化された。最大128GBまでのmicroSDXCカードも利用可能。
再生対応フォーマットは、DXD/FLAC/WAV/AIFF/ALAC(Apple Lossless)/APE/MP3/WMA/OGGなど。DSD 5.6MHzまでの再生も可能だが、PCM 176.4kHz/24bitへの変換再生となる。PCMデータは192kHz/24bitまでのネイティブ再生が可能。
Luxury & precision L3
e☆イヤホンで7月16日から発売がスタートしたのが、49,800円(税込)でデュアルDACを搭載し、バランス出力も備えた「Luxury & precision L3」だ。
ポータブルプレーヤーの「COLORFLY C4」などを手がけたColourflyブランドの開発チームメンバーが、独立・設立したLuxury & precisionの新製品。16GBのメモリを内蔵し、microSDカードスロットも装備。
DACチップに、シーラス・ロジックの「CS4398」を2基搭載。DACからローパスフィルタの入出力/信号拡大回路に至るまで、LRチャンネルを完全分離したフルバランス回路設計を採用。
出力端子はステレオミニ3極のアンバランスに加え、2.5mm 4極のバランス出力も装備。低価格ながら、機能豊富なプレーヤーとなる。再生対応ファイルはWAV/FLAC/WMA/MP3/Apple Lossless/MP3/DSDで、PCMは192kHz/24bitまで、DSDは5.6MHzまでのネイティブ再生が可能だ。
このプレーヤーはサイラスのブースに展示されているが、同ブースでは、Oriolusが開発中のポータブルアンプも参考展示されている。DAC内蔵タイプや、フルバランスで真空管を搭載したモデルなど、様々なバリエーションを用意している。
オヤイデ
オヤイデのブースでは、FiiOの、ハイレゾオーディオプレーヤー「FiiO X7」で2.5mm 4極ジャックのバランス出力が可能になる交換アンプモジュール「AM3」を紹介している。8月5日発売で、店頭予想価格は15,000円前後。X7本体とAM3をセットにしたモデルも数量限定で用意する。
FiiO X7は本体下部のアンプ部がモジュール構造で、変更が可能。AM3は、バランス出力対応の2.5mm 4極ジャックに加えて、3.5mmのステレオミニ出力も搭載、同時出力可能となっている。
オペアンプ/バッファICはTI「TPA1622」を搭載し、フルチャンネルのバランス出力とステレオミニ出力の両方を、低歪み率で実現する。ヘッドフォンの推奨インピーダンスは16~300Ω(バランス)、16~150Ω(ステレオミニ)
AUDIO-OPUS
韓国The BITのオーディオブランドAUDIO-OPUSでは、発売中のハイレゾプレーヤー「OPUS#1」のリミテッドモデルを開発中。通常モデルの筐体は強化ABS樹脂だが、リミテッドモデルはメタルを使用。その他にも、アンプ部の強化など、リミテッド版ならではのグレードアップが検討されている。価格や発売日は未定だが、7万円台で販売されている通常モデルよりやや高価になる見込み。
その他の仕様は通常モデルを踏襲予定。DACはCirrus Logicの「CS4398」をデュアルで搭載。192kHz/24bitまでのPCM再生が可能で、DSDもPCM変換で再生可能。32GBメモリを搭載し、microSDカードスロットも2基搭載。ステレオミニヘッドフォン出力に加え、2.5mm 4極バランス出力も備えている。
また、5.6MHzまでのDSDネイティブ再生も可能なスリムポータブルアンプ「OPUS#11」も展示。7月下旬発売で、価格はオープンプライス、店頭予想価格は29,800円(税込)。7.9mmと薄型なのが特徴で、スマートフォンと共にスタイリッシュに持ち歩けるという。DACはESSの「ES9018K2M」。スマートフォンとOTGのUSBケーブルで接続し、PCMは384kHz/32bitまで、DSDはDoPで、5.6MHzまでのネイティブ再生をサポートする。
PAW Gold Titanium
トップウイングCSGのブースには、7月16日に発売される、Lotooブランドのポータブルオーディオプレーヤー「PAW Gold」の新色「PAW Gold Titanium」(263,888円)が展示されている。
'14年に発売したPAW Goldでゴールドだった、ボリュームノブと十字キーをチタンカラーに変更したモデルだ。
フォステクス
フォステクスブースでは、7月下旬発売のUSB DAC/ヘッドフォンアンプ「HP-A8MK2」が展示されている。価格は10万円。
'11年に発売し、当時いち早くDSDにも対応した「HP-A8」が進化したモデルで、DACが従来の「AK4399」から、「AK4490」(いずれも旭化成エレクトロニクス製)に変更された。自社開発のWindows用ASIOドライバを使ったUSB経由のDSD再生において、新たに11.2MHzまでサポートしている(Macは5.6MHzまで)。
クロックには、低位相雑音高精度クリスタル(水晶発振器)を採用。また、レベル調節用に高音質/高精度のオーディオグレード電子ボリュームを採用するなど、細かな部分にもこだわった仕様だ。
TUNEWEAR
フォーカルポイントのブースでは、スマートフォンなどのアクセサリを手掛けるTUNEWEARブランドの製品として、9月発売を予定している未発表Bluetoothイヤフォン「TUNEWEAR TW1」を参考展示。価格は7,000円程度のイメージ。
IPX4の防水性能を持ち、街中での利用に加え、スポーツでも活用できるという。コーデックはAAC/aptX/SBCに対応。プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/HSP。
M-AUDIO
inMusic Japanのブースでは、M-AUDIOブランドのポータブルヘッドフォンアンプ「Bass Traveler(MA-ACC-012)」を展示。7月23日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は3,480円前後(税込)。
ステレオミニ出力を2系統備えたポータブルアンプで、2段階の低音ブーストスイッチ(FLAT/M/H)を搭載。2人で同時に低音を強化した音が楽しめるのが特徴。
さらに、「MICRO DAC 24/192」というスティック型のUSB DACも参考展示。8月発売予定で、店頭予想価格は9,980円前後(税込)。名前の通り、192kHz/24bitまでのPCMに対応するDACで、USBバスパワーで動作。ステレオミニのヘッドフォン出力も備えている。筐体はアルミ製。
ZERO AUDIO
ZERO AUDIOのブースでは、イヤフォン/ヘッドフォンケーブルの自作を手軽に行なうためのユニークなキットを参考展示している。
ケーブルの自作では、ハンダ付けが難しい作業の1つとなるが、それを不要とし、小さなネジでケーブルを固定できるようにした独自機構のコネクタを同梱しているのが特徴。ケーブルと、MMCXなどのイヤフォン側コネクタ、入力用のステレオミニ端子などに加え、精密ドライバもセットになっているのが特徴。キットを買えば、追加の工具などを用意せずにケーブルが自作できる。
ZERO AUDIOを展開している協和ハーモネットは、電線事業を手がけているため、こうしたケーブルや端子などを開発を得意としている。このキットは、難易度を下げてケーブル自作の楽しさを広めると共に、ZERO AUDIOブランドの特徴もアピールするために製品化を検討しているとのこと。
キットだけでなく、Webで作業手順の動画を公開し、それを見ながら作業ができるようにする予定。キットの製品化後は、キットに使っている端子のバラ売りも行ない、ユーザーが自由にパーツを組み合わせてケーブルの自作が楽しめるようにしていきたいという。
Westone
テックウインドのブースでは、Westoneの新イヤフォン「AM PROシリーズ」が注目を集めている。外の音を適度に聞きとる事ができる“アンビエント型”のイヤフォンで、ミュージシャンからの「オーディエンスの反響など外部の音を感じながらパフォーマンスを届けたい」というリクエストで誕生したという。
7月16日発売で、価格はオープンプライス。ユニットはBA。店頭予想価格(税込)は、フルレンジ1基の「AM PRO10」が22,800円前後、高域×1、低域×1の「AM PRO20」が42,800円前後、高域×1、中域×1、低域×1での「AM PRO30」が52,800円前後。
ゼンハイザー
ゼンハイザーブースで注目を集めるのは、今年中の発売が予定されている超弩級ヘッドフォンシステム「HE-1」だ。詳細な発売日や価格は未定。ドイツでの価格は約5万ユーロ('16年4月28日のレートで約620万円)とアナウンスされている。
ハウジングにパワーアンプを内蔵したコンデンサ型のヘッドフォンと、真空管を使ったプリ部やDACなどを搭載したベースユットで構成。同社が1991年に発売したハイエンドヘッドフォン「Orpheus」の後継モデルと位置づけられている。
今回の出展では、HE-1の性能が引き出されるよう、ベルサール3Fにショールームを構えている大建工業が協力。防音建材などを活用し、最高の試聴環境でサウンドをチェックできるようになっている。ただし人気の展示であるため、試聴には整理券が必要だ。