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ソニーストア札幌、'17年春にオープン。北海道出店はアップルストア跡地

 ソニーマーケティングは、10月11日、札幌市内で会見を行ない、2017年春にも、ソニーストア札幌をオープンすることを発表した。ソニーストアは、東京・銀座、名古屋・栄、大阪・梅田、福岡・天神に出店しており、札幌への出店は5店舗目となる。

ソニーストア札幌
三越札幌に隣接し、周りにはパルコやファストファッションの店舗が入居している

 今年4月には、ソニーストア福岡天神をオープン。9月には、ソニーストア銀座を銀座4丁目交差点のGINZA PLACEの4~6階にリニューアルオープンしたばかりであり、今回の札幌への新店舗オープンにより、2016年度内に3店舗をオープンする出店ラッシュとなる。

 ソニーストア札幌が出店する場所は、南1西3の交差点に面する札幌三越の東側に位置し、2016年2月26日に閉店したアップルストア札幌の跡地。

 札幌市営地下鉄の「大通」駅が最寄りで、札幌市電の西4丁目駅からもすぐだ。住所は、札幌市中央区南一条西3-8-20。

ソニーストア札幌の出店予定地。現在、ビルのリニューアル工事が進められている

 「これまでは、3大都市圏を中心に出店をしてきたが、2015年度から、福岡、札幌への出店を検討してきた。出店に関して重要なファクターは物件である。たまたま、アップルストア札幌が出店していた物件が空いているという話があった。出店する場所は、認知度の高い場所であり、若い人が集まる場所でもある。札幌市は、200万人弱の人口があり、近隣を含めて大きなポテンシャルを持つ市場。ソニー製品を所有している人やソニーIDの登録者の比率は、北海道の人口比率よりも高い。北海道地区のソニーファンに対して、これまで以上に強くつながることができる」と述べた。

北海道初出店

 アップルストア札幌は、1階と地下1階を使用していたが、ソニーストア札幌は、1階と2階の2フロアを利用。1階は、デジタルカメラや液晶テレビ、オーディオなどのソニーの製品群を一堂に展示する。また、2階フロアにはシアタールームおよびギャラリーを設置するほか、札幌エリアの営業拠点であるソニーコンスーマーセールス札幌支店が入居することになる。2フロアをあわせた店舗面積は、約640平方メートル。

ソニーストア札幌のコンセプト

 ソニーマーケィング カスタマーマーケティング本部長の浅山隆嗣執行役員は、「αシリーズの場合、すべてのラインアップを展示するだけ留まらず、レンズやアクセサリーもほぼすべての展示を行なう予定。店舗全体で約1,000点の展示が可能になる。新製品は、発表から発売までに1カ月かかるものもあるが、発表した翌日にはソニーストアに展示する。

ソニーマーケィングジャパンの浅山隆嗣執行役員

 また、開発途中の製品も展示し、ソニーからの情報発信を強化していくとともに、地域の量販店とのコラボレーションも実施していく」としたほか、「現在、毎週のように、カメラのセミナーを、支店を使って実施しているが、ソニーストア札幌の出店によって、店舗内でのセミナーが開催でき、さらに頻繁に実施することができるようになる。レンズやイメージャーの清掃も定期的に実施できる環境も用意したい」とした。

北海道のユーザーサポート拠点に

 現在、入居するビル全体の改装を行なっており、10月末から内装の準備を開始できるという。

 ソニーマーケィングの浅山隆嗣執行役員は、「ソニーマーケティングでは、従来の製品軸によるアプローチではなく、顧客軸でのアプローチに取り組んでいる。これをカスタマーマーケティングと呼んでいるが、その最重要拠点となるのが、ソニーストアであり、ここで商品を体験していただき、検討していただくことができる。インターネットを通じて、商品情報を得て、そこから購入するというケースが多いが、実態としては、実際の店舗を訪れて、触ってみて、比較して購入している人が多い。その点でも、リアルの場が価値につながると考えている」と前置きし、「ソニーストアは、体験価値の最大化、継続的なリレーション構築の場であり、地域全体の活性化とビジネスボリュームの向上を実現できる場に位置づけている」とした。

ソニーが直営店で実現したいこと
カスタマーマーケティングの最重要拠点
カスタマーマーケティング

 先行展示や体験ブースでの体験、専門知識を持ったスタイリストによる購入前相談、顧客ニーズにあわせた提案を行なうコンサルティング、ストアならではの各種安心サービスの提供、体験会やセミナー、トークショーの開催、購入後相談、アフターサポートといった製品ライフサイクル全体に対応した拠点としている。

 浅山執行役員は、市場環境についても説明。「国内コンシューマ市場は、厳しい環境が続いているが、その一方で構造変化が起こっている。テレビは、4Kテレビの構成比があがっており、2016年度には、4Kの構成比が50%を超える。そのなかで、ソニーはナンバー1シェアを獲得している。また、Androidテレビでは、ネット接続率が50%を超えている。カメラにおいては、ソニーは、イメージセンサーやレンズ、画像処理エンジンなどのコアデバイスを内製化しており、それが高い評価を得ている。また、ハイレゾオーディオは、2013年度比で2.7倍に成長。これはマニアだけの利用ではなく、商品の裾野を広げ、多くの人に楽しんでもらっているのが要因である」などとしたほか、「ソニーでは、ライフスタイル提案やウェアラブル機器といった新たな製品群も提案していく」などと述べた。

高付加価値製品に注力
コンスーマ向けAV市場環境
4Kテレビの高付加価値戦略
ハイレゾオーディオの高付加価値戦略
デジタル一眼の高付加価値戦略

 なお、アップルストア札幌は、2006年6月24日にオープン、それから10年を経た2016年2月26日に閉店。現時点では、新店舗は出店していないが、新たな店舗を模索中のようだ。札幌市内では、観光客の増加などに伴い、新たなホテルが相次いでオープンしたり、新築のビルも相次いで建設されている。アップルストア札幌の新店舗も、新築ビルへの入居が噂されている。

札幌市内では新たなビルが相次いで建設されている