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ソニーストア札幌4月1日オープン。「札幌に感動体験空間を」

 ソニーストア札幌が、2017年4月1日にオープンする。それに先駆けて3月31日、内部の様子が報道関係者に公開。会見を行なったソニーマーケティングの河野弘社長は、「ソニー製品のすべてをいち早く展示したり、時には発売前の製品も体験できる場がソニーストアである。北海道全域のソニーファンが、気軽に訪れ、体験し、吟味してもらう場所にしたい」と、新たな店舗の出店に対する抱負を述べた。

ソニーストア札幌の外観

 ソニーストアは、これまでに東京・銀座、名古屋・栄、大阪・梅田、福岡・天神に出店しており、札幌は5店舗目。札幌市営地下鉄「大通」駅から徒歩1分の位置にあり、かつては、アップルストア札幌が出店していた場所だ。三越札幌に隣接し、周辺にはファストファッションの店舗が出店しているなど、老若男女が訪れる一角でもある。

 住所は、札幌市中央区南一条西3-8-20。営業時間は午前11時から午後7時まで。

ソニーマーケティングの河野弘社長
ソニーストア札幌は全国5店舗目となる

 河野社長は、「今は“元アップルストアだった場所”と言った方がわかりやすいが、なるべく早いタイミングに、“ここは、ソニーストアの場所”だと言ってもらえるようにしたい。買ってもらって終わりではなく、購入前から、購入後までをサポートするのが、ソニーマーケティングが掲げる“カスタマーマーケティング”の実現につながる。それを実現するための最重要拠点がソニーストア。情報発信や顧客接点の役割を果たす」と語る。

店内の様子

 ソニーマーケティングでは、「カスタマーマーケティング」を同社の基本方針に掲げており、新規顧客の開拓に投資をするよりも、既存顧客に対する情報発信や、サポートなどを強化。それによって、ソニーファンの創造につなげるマーケティング施策を重視している。ソニーストアは、そのための最重要拠点と位置づけられるもので、「来るたびに、新たな発見と、感動の体験空間を実現する」としている。

 ソニーストア札幌の下村智文店長も、「ソニーの本質は、テクノロジーとエンターテイメント。ソニーストア札幌は、出会ったことがない感動が待っている店舗を目指す。単なる製品販売の場ではなく、写真、音楽、映像といった観点から、好奇心を喚起する感動体験を提供することで、ソニーユーザーに、ソニー製品を思う存分使ってもらいたい」とする。

カスタマーマーケティングの最重要拠点とする
ソニーストア札幌・下村智文店長
オープンのメッセージは「出あったことのない感動が待っている」

 ソニーストア札幌は、1階および2階フロアを使用。2フロアをあわせた店舗面積は、約640平方メートル。「音楽を愛する人、写真を愛する人、映像を愛する人、テクノロジーを愛する人、ライフスタイルにこだわる人、そして次世代を担う子供たちといった、すべてのお客様に、ソニーならではのおもてなしをする」(河野社長)と語る。

ソニーストア札幌は地下鉄大通駅から徒歩1分。三越の並びにある。札幌駅から歩いても行ける距離だ
札幌駅前通地下歩行空間にはソニーストア札幌オープンを告知する大きな広告が貼りだされていた

 1階は、デジタルイメージング、パーソナルオーディオ、モバイル、ホームオーディオ&ビジュアル、パーソナルコンピュータ、ゲーム、Life Space UXの各コーナーに分類。デジタル一眼カメラや4K液晶テレビ、ハイレゾオーディオなどのソニーの製品群を一堂に展示している。

1階のレイアウトの様子

 オープンにあわせて、北海道では初公開となる100型4K液晶テレビ「KJ-100Z9D」を4月23日まで展示しているほか、デジタル一眼カメラの展示エリアでは、「α Plaza」の名称で展開。プロカメラマンからハイアマチュアカメラマン、エントリーユーザーまでの幅広いユーザーを対象にしたコーナーとする。

KJ-100Z9Dを4月23日まで展示。北海道では初披露だ
最新のBRAVIAシリーズをゆったりした空間で体験できる

 ここでは、プロカメラマンなどが加盟できるソニー・イメージング・プロ・サポート会員を対象にしたαメンテナンスやαプロサポートの提供のほか、αユーザーに対する点検、メンテナンスサービスも、「プロクオリティで提供することができる」(下村店長)という。

 さらに、発売されているすべてのαレンズを展示。撮影体験ができるエリアを設置しているのも特徴だ。オープンにあわせて、西畠清順氏が率いる、そら植物園の協力を得て、店内に実物の桜を展示。ひと足早い札幌の春を満喫しながら、αシリーズによる試し撮りをすることが可能だ。

 「札幌での桜の開花はゴールデンウイーク明けになることが多い。この時期に、札幌で、桜の撮影を体験してもらえる」(下村店長)というわけだ。

αPlazaは、αユーザーのためのエリアだ
すべてのαレンズを用意し、試すことが可能
αプロサポートを提供するコーナー。カメラのメンテナンスもしてくれる
実物の桜を店内に用意。ひと足早い札幌の桜を楽しむことができる

 パーソナルオーディオコーナーでは、「MDR-1000X」をはじめとするヘッドフォンを数多く展示。持参したプレーヤーで、様々なヘッドフォンを聴き比べることもできる。

パーソナルオーディオのコーナー
ヘッドフォンは重点商品のひとつ。品揃えを強化している
Signature Seriesの試聴コーナーも
劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケールとコラボしたウォークマンとヘッドフォン

 なお、1階フロアで使用しているソニーストア札幌オリジナルとなる展示用什器は、木目調を生かすとともに、展示スペース部には人工大理石を使用することで高級感を持たせた特別仕様。ソニーマーケィングの浅山隆嗣執行役員は、「北海道のメーカーの協力を得て完成させたもの。店内レイアウトの変更にあわせて、自由に移動できるようにしているのが特徴」と述べた。

専用に作られた什器。レイアウト変更にあわせて移動が可能になっている
商品の購入だけでなく、購入前や購入後の相談に乗ってくれるカウンターも用意
VAIOのコーナー。最新機種を展示している
天井が低めのため、高さを感じられる仕様に

 2階フロアには、シアタールームやギャラリー、教室を開くことができるコミュニティルームやミーティングルームを設置している。

 ソニーのエンジニアが音場の設定などを行ったシアタールームでは、発売前の超短焦点4K HDRホームシアタープロジェクター「VPL-VZ1000」を4月16日まで先行体験できるほか、2017年5月以降は、毎週第一土曜日に、「ソニーハイファイオーディオ定期試聴会」を開催し、ソニーが提供する極上のサウンドを体験できるようにする。

シアタールーム
シアタールームに設置されたVPL-VZ1000

 コミュニティルームでは、初心者から上級者までを対象にしたカメラスクール「αアカデミー」を開催。そのほか、プロカメラマンによるトークショーなども開催するという。

αアカデミーなどに活用するコミュニティルーム

 2階フロアには、札幌市を中心に、北海道南エリアを担当するソニーコンスーマーセールス北日本支社北海道第一支店が入居し、ソニーストア札幌と、地元に出店する量販店などと連携した取り組みを強化する体制を整えている。

支店の様子。左側のシャツの男性は河野社長。社員に交じって普通に仕事をしていた

 ソニーコンスーマーセールス北日本支社の早坂芳浩支社長は、「ソニーストアが出店することで、札幌エリアにおける量販店との連携強化が図れると考えている。北海道・東北エリアにおいて、札幌は最大の市場であり、量販店との共存共栄により、ソニー製品を使ってもらうファンを増やしたい」とする。

 今回のオープンにあわせて、札幌市内の量販店15店舗と連動した販売キャンペーンとして、「ソニーフェア」を開催。フェアに参加する量販店で対象製品を購入した人が、ソニーストア札幌で、刻印サービスやαクイックサービス、αパーソナルレッスンなどの特典を受けられるもので、計画を大きく上回る実績になっているという。

 「ちょうど1年前の2016年4月1日にオープンしたソニーストア福岡天神では、ソニーストアを通じて情報をこまめに発信。顧客接点が密になったほか、出店して以降、地域量販店と共同で展示会を行なったりといった取り組みが増加した。この結果、地域におけるMy Sony IDの加入者数の増加につながっている。My Sony IDの加入者は、全体では7%増だが、福岡地区では15%増になっている」(河野社長)という。同様の効果を札幌でも期待しているという。

 なお、ソニーストア札幌では、同店のオープンにあわせて、同店内におけるイベントも開催する。写真関連では、「spring has come.~αで切り取るそれぞれの春」写真展のほか、写真家である井上浩輝氏、福田健太郎氏、わたなべもも氏の写真展示やトークショーを開催。桜や花などのプロの撮影テクニックを知ることができる機会にもなるという。また、写真家の鈴木心氏による写真撮影イベント、福原美穂氏によるスペシャルミニライブなどが予定されている。

 そのほか、テイラーメイドカスタムイヤホンのJust earの松尾伴大氏と、写真家の鈴木氏によるスペシャルトークイベントが4月23日に行なわれるほか、オープン日の4月1日には、北海道男子限定オーデションから生まれたボーイズユニット「NORD(ノール)」が、スタイリスト(=ソニーストアのスタッフの名称)として来店客を迎え、店内を盛り上げる。

オープンにあわせて開催される様々なイベント
2階のギャラリーでは、随時、写真展が行なわれる予定だ
北海道男子限定オーデションから生まれたボーイズユニット「NORD」がスタイリスト(=ソニーストアのスタッフの名称)として来店客を迎えるイベントも
開店前日に行なわれていたスタイリストによるミーティングの様子

 河野社長は、「ソニーファンを増やす上では、顧客数が多い都市圏をカバーしていくことが大切。東名阪に加えて、福岡、札幌に出店することで、5拠点体制となった。これにより、ソニーユーサーの80%弱にリーチできる環境が整ったといえる」とし、「札幌は、写真家の活動が活発であり、自然という素晴らしい被写体がある。ソニーのビジネス上のテーマは、写真の世界において、プレゼンスをあげることであり、その点でも、札幌に拠点を持ちたいと考えていた。また、北海道の人たちが、家庭のなかで過ごす際に、4Kやホームシアター、ゲームなどを通じて、より楽しむことができる提案を行いたい。モノを買ってもらう場ではなく、体験してもらう場、ソニーのサービスを提供できる場にしたい」と語った。

XPERIAシリーズも体験できる
PlayStation VRの体験コーナー
SAPから生まれたAROMASTICやFES Watchなども展示
Life Space UXでは、ライフスタイルを重視する人たちへの提案
ミーティングルームも様子されており、セミナーの開催もできる