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フォステクス、銘機「NF-01A」を継承するモニタースピーカー「NF01R」。ユニット刷新

 フォステクスカンパニーは、アクティブモニタースピーカーの新製品として、「NF-01A」の血統を引き継ぐ「NF01R」を3月31日に発売する。価格はオープンプライス。100ペアの限定販売で、メディア・インテグレーション Rock oN Companyが取り扱う。直販ページにて90,741円で予約を受け付けている。

「NF01R」の使用イメージ

 多くのエンジニアやアーティストに評価されつつ、生産終了となった「NF-01A」の基本的な仕様を継承しつつ、「現在の制作環境を考慮した改良を施し、更なる進化を遂げた」というモニタースピーカー。

左が新モデル「NF01R」、右が「NF-01A」

 2ウェイのバスレフ型で、ユニットは130mm径のHR形状ウーファと、20mm径のソフトドームツイータを搭載。ウーファは従来のHP振動板からHR振動板へと変更。建築構造力学の分野で知られるHP形状(HYPERBOLIC PARABOLOIDAL/双曲放物面)を取り入れた振動板で、それを改良したものがHR(HP ROTATION)振動板。双曲放物面に円周方向のひねりを加える事で、内部応力として剪断力のみ働き、曲げ応力が働かないので軽量で高剛性が得られるという。分割振動による共振も分散でき、「振動板に最適な形状」という。

 磁気回路も強化し、制動力が向上。ミッドレンジからハイレンジのトランジェント特性が向上し、「リアルなボーカル再生を実現する」とのこと。

 ウーファにはUDRタンジェンシャル・エッジやプッシュプル・ダンパーも投入。エッジの逆共振を排除し、直線性を改善。微少信号にも的確に反応できるという。

 ツイータの振動板は、微少信号に対して高い追従性/再現性を持つというソフトドームタイプのUFLC振動板を採用。ワイドレンジでフラットな特性が特徴とする。

 アンプを内蔵したアクティブスピーカーで、低域用に定格出力50W、高域用に45Wのアンプを個別に搭載したバイアンプ方式。ユニット間の電気干渉による音の濁りを排除している。可変ボリュームも搭載。

 音響条件に応じた、特性変化の補正機能も装備。LO FREQ(+2/0/-2dB at 55Hz)に加え、可変範囲±3dBでツイーターレベルのコントロールも可能。

mabanua氏がスタジオで使用している写真

 従来モデルでキャビネット内部に配置していたHPサウンド・リフレクター(反射板)は廃止。調整は吸音材で行なっている。リフレクターは定在波を減少に有効だったが、エンクロージャ内の音の反射がバスレフポートを通して出てしまうことがあったという。そこでNF01Rでは、吸音材を最適に配置するシンプルな構造にしている。

 バスレフポートも新設計。内部を鏡面磨きにすることで低域成分がダイレクトに伝わるようにした。Fostexロゴのエンブレムも、高級感のあるゴールドカラーになっている。

 入力端子はバランスがXLR-3-31タイプ(2番HOT)、アンバランスが6.3mmフォーンジャック。消費電力は50W。外形寸法は187×305×280mm(幅×奥行き×高さ)。重量は本体のみで約8.5kg。

 なお、ドラマー/ビートメーカー/シンガーであるmabanua氏が、NF01Rを使用してオリジナル曲を制作。YouTubeで公開されている。

mabanua氏
Fostex NF X mabanua