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COWON、ポータブル初「AK4497EQ」搭載プレーヤー「PLENUE 2」。バランス対応で約15万円
2017年3月10日 11:35
COWON販売(COWON)は、旭化成エレクトロニクスの最新プレミアムDAC「AK4497EQ」をポータブルでは初めて搭載したハイレゾプレーヤー「PLENUE 2」を3月24日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は158,000円(税込)。カラーはシルバー。なお、3月19日にeイヤホン秋葉原店、20日にフジヤエービックにて試聴会も実施される。
128GBのストレージメモリを内蔵、256GBまでのmicroSDXCカードも追加できるハイレゾプレーヤー。3.5mmのステレオミニアンバランス出力に加え、2.5mm 4極のバランス出力端子も搭載する。
最大の特徴は、旭化成の「AK4497EQ」を搭載した事。据置きのUSB DACやアンプなど、ハイエンドオーディオ機器に搭載されているもので、ノイズと歪みを極小に減らし、DACの性能を極限まで引き上げたという「VELVET SOUND」技術が搭載されている。これをポータブルプレーヤーにも投入したのが特徴となる。
32bit、8倍のデジタルフィルタを内蔵したDACだが、そのフィルタをユーザーが6個から選択可能。Short delay sharp、Short delay slow、Sharp、Slow、Low dispersion short delay、Super slowから好みの音を選べる。
これとは別に、COWONのプレーヤーの特徴である「JetEffect 7」を搭載。ユーザープリセット16個を含む、66のプリセットや、10バンドイコライザ、BBE+、Special Effectも利用できる。
再生対応ファイルは、DSD、DXD、FLAC、WAV、AIFF、Apple Lossless、APE、MP3、WMA、OGGなどで、PCMは32bit/384kHzまで対応。DSDは5.6MHzまでネイティブ再生できる。
本体の右上に、2つのコントロールホイールを搭載。右側はボリュームで、左側はユーザーが機能を割り当てられるマルチホイールとなっている。前述のJetEffect 7や、DACのデジタルフィルタを割り当てる事も可能。気軽に音の変化を楽しんだり、曲送り/戻し、早送り/巻き戻し、画面の明るさ調整も割り当てられる。
SN比は123dB。全高調波歪率は0.0005%。出力はアンバランス、バランスのどちらも2Vrms。光デジタル出力もサポートする。デュアルTCXOの精密クロックも装備。PCと接続し、USB DACとして使うこともできる。
ディスプレイは3.7型、480×800ドットの有機ELで、静電容量式のタッチパネルタイプ。バッテリは3,050mAhで、MP3ファイル再生時の再生時間は約9時間。充電所要時間は約4時間。
外形寸法は116.7×67.9×16.5mm(縦×横×厚さ)。高強度のメタルボディを採用。重量は192g。
音を聴いてみる
COWONのハイレゾプレーヤーラインナップとしては、今回の「PLENUE 2」の上に、実売約22万円の「PLENUE S」が存在する。PLENUE SはDACにバーブラウンの「PCM1792A」を搭載しており、ポータブルとして初めて「AK4497EQ」を搭載した「PLENUE 2」と、どのような音の違いがあるかも興味深いところだ。
まず「PLENUE 2」に、Unique Melodyのハイブリッドイヤフォン「MAVERICK II」を接続して宇多田ヒカルの「花束を君に」を聴いてみる。
音が出てすぐに気付くのは、最近の旭化成DACらしい、空間表現の上手さだ。音が広がる範囲が広く、歌声の余韻などが消える様子がよくわかる。音像とも距離が感じられ、広い空間に伸びやかに音が広がるイメージだ。バランス接続に切り替えると、音場はさらに広くなり、低域の沈み込みもより深くなる。
「PCM1792A」を搭載したPLENUE Sに切り替えると、空間がやや狭くなり、ボーカルを含めた音像が近くなる。中低域が強く、特に低域の出方がパワフルになる。
どちらが良いかは好みの問題だ。個人的には、ハイレゾらしい空気感や描写の細かさを楽しむのであれば「PLENUE 2」が好みだ。ただ、音のクッキリ感、低域のパワフルさ、押し出しの強さなどで「PLENUE S」の方がマッチするという人もいるだろう。DACだけでプレーヤーのサウンドが決まるわけではないが、搭載するDACの特徴が音にも良く出ている。
また、ドライブ力もあるため、様々なイヤフォン/ヘッドフォンと組み合わせられる点も、高級プレーヤーとして頼りになるところだろう。