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オンキヨー&パイオニアのコンポなどがe-onkyoダウンロード対応。PCレスでHDD保存

 オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンは、同社製のネットワーク対応アンプやミニコンポなどにおいて、e-onkyo musicのハイレゾ配信音源を、PCを使わずにUSB HDDなどへ保存できる「e-onkyoダウンローダー」機能を4月12日より提供開始した。対象は、パイオニア「XC-HM76」やオンキヨー「INTEC R-N855」など6機種で、無償の新ファームウェア適用で対応する。

パイオニア「XC-HM76」

 ハイレゾ音源配信サービスのe-onkyo musicでの楽曲購入は、PC以外にスマートフォン/タブレットでも可能となっている。今回のe-onkyoダウンローダーは、楽曲の保存先を、PCではなく、同社オーディオシステムに接続した別売USB HDDに設定できるもの。これにより、PCを持っていなくても、スマホとオーディオ機器の操作でハイレゾ音源をダウンロードして聴けるようになる。

e-onkyoダウンローダーの利用イメージ

 e-onkyo musicから自動ダウンロードできるNASやBDレコーダなども既に存在するが、これらとの違いとして、USB HDD保存した場合はネットワークの知識が不要な点や、再生時にはネットワークを介さずオーディオ機器だけで完結するというシンプルな点を訴求。同社調査では、ハイレゾ楽曲の購入や再生方法に不満を持っている人が約半数(48.7%)という結果が出ており、この解消により、ユーザー層の裾野を広げていくという。

e-onkyo自動ダウンロード対応NASなどとの違い

 対象機種は、パイオニアブランドのネットワーク対応CDレシーバ「XC-HM86」、「XC-HM76」、「NC-50」、ネットワークプレーヤー「N-30AE」、オンキヨーブランドのハイコンポ「INTEC R-N855」、ネットワークプレーヤー「NS-6130」、「NS-6170」。

対応のミニコンポやネットワークプレーヤーなど

 動作検証済みのUSB HDDの情報も公開されており、アイ・オー・データ機器やバッファロー、Western Digital(WD)の機種が含まれる。なお、HDDのファイルシステムはLinuxのext4を使用するため、e-onkyoダウンロード用にフォーマットしたHDDはそのままPCなどにUSB接続しても利用できない。

 なお、USB HDDの接続には、USBハブやUSB延長ケーブルを使わず、オーディオ製品の背面にあるUSB端子へ直接接続する必要がある。複数台のHDDの同時利用はできない。

動作確認済みのUSB HDD

スマホ操作で完結。電源オフ時はSAMBAサーバーに

 対応のコンポなどに新ファームウェアを適用すると、背面のUSBにHDDを接続した際にストレージとして認識。フォーマットすると、e-onkyo musicの楽曲保存に利用可能となる。パイオニア「XC-HM76」などを使う場合は、スマホアプリの「Pioneer Remote App」またはPCのWebブラウザから、e-onkyo musicのサイトにログインして連携させることで、e-onkyoダウンローダーが利用可能になる。

対応機種の一部。左からパイオニア「NC-50」、「XC-HM76」、オンキヨー「R-N855」
スマホアプリの「Pioneer Remote App」

 XC-HM76のセットアップ画面には「e-onkyo」のメニューが追加。e-onkyoで購入手続きしたがダウンロードされていない作品を、XC-HM76と接続したUSB HDDに保存できる。なお、既にPCなどへダウンロード済みの場合も、USB HDDへ保存すると別のダウンロードとカウントされ、e-onkyo musicの通常の制限であるダウンロード10回のうち1回分が減る。

e-onkyoの項目が追加される

 ダウンロードされた音源は、メニュー項目のe-onkyoフォルダに保存。再生する場合は、e-onkyoフォルダからの下の階層に、アーティスト名→アルバム名→曲名の形で保存される。再生する場合はフォルダ単位となり、e-onkyoフォルダ内の全曲を続けて聴いたり、CDなど他のソースと混在して再生することはできない。

スマホからの操作でXC-HM76に接続したHDDへダウンロード
ダウンロードされた楽曲

 このほか、PCを使うと、楽曲保存したUSB HDDをNAS(ネットワークHDD)のように活用できるのも特徴。同じネットワーク上にあるPCから、対応コンポなどにつながっているHDDへアクセスし、ドラッグ&ドロップにより音楽ファイルをPCに移動したり、バックアップをとることなどが可能。こうした操作を使えば、e-onkyo musicのダウンロード回数にはカウントされないのもメリット。

 SAMBAサーバーとして使う場合は、XC-HM76などのオーディオ機器をオフにした状態でも、USB HDDへ給電するために、初期状態ではオフになっているネットワークスタンバイ(USB Power)機能を有効にする必要がある。その場合、オフの状態に比べると待機時消費電力が大きくなる。

ネットワーク接続のHDDとしても利用可能
ネットワークスタンバイの設定を有効にする

本格PCレス社会に“これからのハイレゾ”。キャンペーンも

 オンキヨー&パイオニアが、販売店やユーザーの約6,000人へ行なった調査によると、ハイレゾ音源の買い方や再生方法などがわからない、ネットワークが関係すると設定などが面倒くさそう、(店員にとって)接客が難しいなどの不満を持っている人が、全体の48.7%に達したという。

ハイレゾ対応製品の増加(出典:GfK)
ハイレゾ購入や使い方などへの不満の例

 オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンの八重口能孝氏は、こうした市場の声に対し、「機器が対応していても、中間プロセスで問題が出ていると、本当の意味で広がりが出てこないのでは。不安/不満に対するソリューションを提供できるか否かが次の勝負どころ」と強調。

オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンの八重口能孝氏

 PCレスでCDからリッピングするドライブなどが数多く製品化されていることなどを例に挙げ、「本格的なPCレス社会は、オーディオ関連も例外ではない」との認識を示し、新しいe-onkyoダウンロード対応を“これからのハイレゾ”として提案。PC中心のオーディオとは異なり、PCやスマホ、オーディオ機器が相互につながり、それぞれがメディア機器の一部となる時代に合わせた利用方法として訴求していく。

PCレス社会に合わせた使い方として提案

 今回の機能強化に合わせて、アイ・オー・データ機器と店頭展示でコラボレーションを予定。ミニコンポ製品に、USB HDDと組み合わせてe-onkyoダウンロードできることを示すPOPを用意することなどで新たな使い方を訴求する。

 さらに、5月12日までの期間限定でハイレゾ音源のプレゼントキャンペーンも実施。対応機種の新規購入者や、既存ユーザーに向けて、全員にe-onkyo musicのダウンロードクーポン5曲分がプレゼントされる。詳細は特設サイトで案内する。

アイ・オーとコラボした店頭展示
ハイレゾダウンロードクーポンをプレゼントするキャンペーン