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8K映像と22.2chで音楽やスポーツを体感。「ライブ・エンターテイメント EXPO」

 コンサートやフェス、ミュージカル、演劇、スポーツ興行などに関するサービスや製品が展示される「ライブ・エンターテイメント EXPO」が5月31日に千葉県の幕張メッセで開幕する。イベント内で、NHKは紅白歌合戦やリオオリンピックなどの8K映像と22.2ch立体音響が体験できるシアターを設置する。

NHKの特設8Kシアター

 ライブ・エンターテイメント EXPOは、今年で4回目(旧称:ライブ&イベント産業展)のイベント。6月2日までの3日間、「第4回 イベント総合 EXPO」と同時開催される。商談向けのイベントで、入場は無料だが事前登録制となっている。出展社数は、ライブ・イベント分野で日本最大という650社、来場者数は3万人の見込み。

明るい8Kで紅白やオリンピック、和太鼓演奏を上映

 NHKは300型の特設スーパーハイビジョンシアターを用意し、8Kコンテンツを上映。毎時0分~、20分~、40分~の3回で、最終上映は17時40分から。

NHKブース

 今回のライブ・エンターテイメント EXPOでの上映コンテンツは、昨年の第67回紅白歌合戦や、リオオリンピック(競泳、陸上、バスケットボール、サッカーなど)、和太鼓グループTAOの演奏。オリンピック映像のうち、スローの素材は4Kカメラで撮影された映像だが、それ以外は8Kで撮影されたもの。

昨年の紅白歌合戦
和太鼓TAOのステージ

 パナソニック製の4Kレーザープロジェクタを4台使用し、4画面の境界部分を結合するエッジブレンディングにより8Kの映像を300型スクリーンに表示。高輝度化が進む最新の4Kプロジェクタ4台を使ったことで、NHKが持つ既存の8Kプロジェクタ1台で投写する場合に比べて、10倍以上の明るさを実現したという。音声は22.2chで立体的なサラウンド。

4Kプロジェクタ4台を使用
22.2chスピーカーで立体的な音響

 紅白歌合戦の映像は、眩しいほどの華やかなステージの模様と、広いホールに響く音を再現。オリンピックの水泳では、きらめく水面や跳ねる水滴なども精細に表現していた。TAOの演奏では、ステージの目の前に座ったような感覚で、重低音を全身に浴びるような体験ができる。

 NHKでは、'18年の8K放送開始や、'20年の東京オリンピックに向けてコンテンツ制作に向けた投資も進めており、リオ五輪では中継車は2台だったが、東京五輪では4台に増やすなど、本放送に合わせてコンテンツの強化を図る。今回の出展により、放送だけでなく、ライブビューイングなどのイベントなども含めて、8Kの普及を推進する。

8K実用放送など、NHKの取り組みと技術概要

 NHKだけでなく、音響機器やイベント映像機器のレンタルを行なうシネ・フォーカスも8Kシアターを出展。パナソニックの4K DLPプロジェクタ「PT-RQ32KJ」4台で8K映像を表示している。上映コンテンツは、NHKグローバルメディアによる宮古島の映像や、パナソニックの8K映像集。

シネ・フォーカスの8Kシアター

 ライブ・エンターテイメント EXPOとイベント総合EXPOでは、その他にもパナソニックや東芝、リコー、エイベックス・エンタテインメント、ソニー・ミュージック コミュニケーションズなどが出展。映像/音響だけでなく、照明などイベントのステージ演出を手掛ける企業も展示を行なっている。