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ドコモが8K/VR視聴システム披露。5Gで高速/低遅延伝送、シャープIGZOやヤマハVR音響を活用

  NTTドコモは、10月3日から幕張メッセで行なわれる「CEATEC JAPAN 2017」のNTTブースにおいて、8K解像度の60p映像を用いたパノラマVR技術を参考展示。会場内で専用ヘッドマウントディスプレイとヘッドフォンを装着して体験できる。

NTTブース内の体験コーナー

5G通信で8K/VR映像も低遅延伝送

 NTTの映像技術や、シャープのIGZO液晶パネル(1,008ppi)、ヤマハの64ch立体音響技術を組み合わせて実現。今回はPCから再生して、IGZO液晶搭載のヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示しているが、2020年の提供開始を目指す5Gを用いた高速通信を活用することで、ワイヤレス通信でも、8Kのような高解像度映像を伝送できるようになるという。

開発中のヘッドマウントディスプレイ

 5Gは、ピークスループット10Gbps以上の高速化や、LTEに比べ約1,000倍の大容量化、約100倍の同時接続端末数を目指している。また、低遅延については、無線区間での通信遅延を1ms以下まで低減することを目標としている。

 用意された映像の解像度は8Kだが、体験者の頭の向きに合わせて、観ている部分の映像だけを高精細に表示できるのが特徴。NTTテクノクロスの「パノラマ超エンジン映像」を採用しており、全天周で2Kの低解像度映像と、体験者が観ている部分だけで2Kの高解像度映像を生成。頭の向きに合わせて、高解像度映像を選択送信するほか、低解像度の全天周映像を背景として常時送信。高速/低遅延の5G通信と組み合わせることで、臨場感のある映像を体験可能になるという。

システム概要
全体構成

 音声は、ヤマハの立体音響技術「ViReal」(バイリアル)を採用。頭の向きに合わせて立体音響をヘッドフォンでVR再生できる。

ヤマハのViRealを採用

 今回のデモでは、約2分間のコンテンツとして、「音楽」と「自然」の2種類を用意。音楽のコンテンツを体験したところ、自分の周りに様々な楽器を演奏する人やダンスをする人がそれぞれパフォーマンスしており、見たい方向に顔を向けると、目の前の音がよく聴こえ、後ろで弾いている音は小さくなる。観ている部分だけ高解像度になるという映像についても、頭の向きを変えても特に遅延なく映像が観続けられるため、違和感なく高精細なVRを楽しめた。

体験している様子
コンテンツは2種類
音楽コンテンツの概要

 この他にも、NTTブースでは、HMDを使った「プロ野球選手と対決」というコンテンツを用意。VR映像で野球の対戦ができるもので、開幕後は人気の体験コンテンツとなりそうだ。

VRで「プロ野球選手と対決」コーナー

複数メーカーのロボットが連携する開発環境も

 NTTのAI技術「corevo(コレボ)」も紹介。コミュニケーションロボットの「Sota」(ヴィストン製)に話しかけると、トヨタの生活支援ロボット「HSR」と連携し、棚から希望の品を取り出してれるという接客をイメージしたデモとなっている。

Sotaに話しかけると、隣にいるHSRと連携して動作する

 ロボットの連携には、NTTの開発プラットフォーム「R-env:」(連舞)を採用。NTT研究所で開発されたビジュアルプログラミングツールで、メーカーを問わず様々なロボットや家電、センサー、Webサービスを連携/制御可能としている。ブラウザ上でブロックを配置/接続するだけで簡単にロボット連携サービスが開発可能としている。

 また、corevoは音声でブースの説明をしているが、その途中でも、人が「もういいよ」と話しかけると説明を中断し、別の会話をしてくれるのも特徴。頭の部分に3つのマイクを備え、ノイズキャンセルなどの機能も活用して高精度に音声を認識可能としている。

ロボット連携のデモ