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ソニーがクルマ? 360度映像を捉え、ライトも窓も不要な新コンセプトカート
2017年10月24日 13:29
ソニーは、AI×ロボティクスの取り組みの一環として、「新たな移動体験の提供を目的としたという「New Concept Cart(ニューコンセプトカート) SC-1」を試作開発した。乗員の操作による運転に加え、クラウドを介した遠隔操作でも走行が可能となっている。
SC-1は、“人の視覚能力を超える”というイメージセンサーを車両前後左右に搭載し、「人が視認しながら運転する一般的な自動車と違い、360度全ての方向にフォーカスが合された映像で周囲の環境を把握できる」という。加えて、イメージセンサーの超高感度な特性と、内部に設置された高解像度ディスプレイにより、乗員が夜間でもヘッドライトなしに視認できるとする。
また、イメージセンサーで周囲を捉えているため、窓が不要で、窓の代わりに高精細ディスプレイを配置。様々な映像を車両の周囲にいる人に対して映し出せる。さらにイメージセンサーで得た映像をAI(人工知能)で解析することでインタラクティブに発信する情報を変化させられる。この機能により、車両周囲にいる人の性別・年齢などの属性を判断し、最適な広告や情報を表示するといった機能を実現できるという。
自社開発の融合現実感(Mixed Reality)技術も搭載。乗員がモニターで見る周囲の環境を捉えた映像に、様々なCGを重畳し、従来の自動車やカートでは景色を見るだけだった車窓をエンタテインメント空間として、移動自体をより楽しめるようにする。
SC-1にはイメージセンサーだけでなく、超音波センサーと二次元LIDAR(レーザー画像検出と測距)を搭載。クラウド側には走行情報を蓄積し、ディープラーニングで解析することで、最適な運行アシストに繋げ、車両に搭載した複数のセンサーからの情報をエッジ・コンピューティングで判断し、安全走行をサポートする。
乗車定員は3名、走行速度は0～19km/h。車内には49型4K液晶モニターを、車外には55型4K液晶モニター 4台を搭載。イメージセンサーは35mmフルサイズ Exmor R CMOSセンサー×5。ボディサイズは3,140×1,310×1,850mm(全長×全幅×全高)。
ソニーは、2017年9月より沖縄科学技術大学院大学学園(OIST)のキャンパスで、SC-1の実証実験を開始。OIST Integrated Open Systems Unit(北野ユニット)との共同研究で、各種走行試験に加え、太陽光など自然エネルギーの利用も含めた電力利用や、走行時の消費電力の低減及び最適化の考察などを行なうという。