ニュース

Apple、旧型iPhoneの低速化問題を謝罪。バッテリ交換費用を3,200円に値下げ

 米Appleは28日(現地時間)、iOSアップデートにより旧型iPhoneの動作が遅くなる問題について、適切に情報を伝えなかったとして謝罪した。「突然のシャットダウンを避けるための措置であり、製品の寿命を短くするのが目的ではない」と強調し、バッテリ交換費用の値下げやバッテリ状態チェック機能の導入などの対策を進める。

 問題は、iPhone 6/6s/7など旧世代のiPhoneがiOSのアップグレードにより、動作速度が抑制される、というもの。「意図的に動作速度を抑え、新製品への買い替えを促している」等の疑念から訴訟も起きている。

iPhone 6s

 Appleによればバッテリの経年劣化により、バッテリーのインピーダンスが向上すると、バッテリーの電圧が急激に低下。結果としてユーザーの意図しないシャットダウンが発生する。2017年1月にリリースしたiOS 10.2.1では、旧モデルのiPhoneでこうした突然のシャットダウンを防ぐための機能改善として、パフォーマンスの瞬間的なピークを管理する機能を追加。iPhone 6/6 Plus、iPhone 6s/6s Plus、iPhone SEに導入し、その後iOS 11.2を搭載したiPhone 7/7 Plus にも拡大されている。この機能の目的は、「突然のシャットダウンを防ぐことにより、現在お使いいただいているiPhoneをさらに長くお使いいただけるようにすること」とAppleは説明しており、今後も継続していく。

 具体的にこの電源管理機能の影響として現れるのは以下の症状となる。

  • Appの起動に時間がかかるようになる
  • スクロール中のフレームレートが低くなる
  • バックライトが暗くなった(コントロールセンターで設定の変更が可能)
  • スピーカーの音量が小さくなった(最大でマイナス3dB)
  • 一部のAppでフレームレートが徐々に低下する
  • 極端な場合は、カメラのフラッシュがカメラのUIに表示されているにもかかわらず使用できなくなる
  • バックグラウンドで更新されるはずのAppが起動中に再読み込みされる場合がある

 なお、通話品質やネットワークスループット、撮影した写真やビデオの品質、GPSのパフォーマンス、位置情報の精度、ジャイロスコープ、加速度センサー、気圧計などのセンサー、Apple Payなどの主要機能には影響は与えないという。

 Appleでは、本件への対策としてiPhone 6以降のiPhoneのバッテリ交換費用を値下げする。米国では2018年1月下旬を目処に、現在の79ドルから29ドルに値下げ。日本では、8,800円から5,600円減額し、3,200円とする。この対応は2018年12月まで全世界で継続する。

 また2018年前半のiOSのアップデートにより、iPhoneのバッテリの状態健全さを視覚的に把握できる機能を追加し、ユーザーが現在のバッテリ状態を把握しやすくする。