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OPPOが“カメラフォン”で日本スマホ参入。6型有機ELの「R11s」

 OPPO Japanは31日、日本のスマートフォン市場への参入を発表。デュアルカメラ搭載のスマートフォン「R11s」を2月9日から発売する。価格は57,980円。SIMフリー端末で、国内大手キャリアの通信規格に対応する。シャンパーニュ(ゴールド)、ブラック、レッドの3色を用意し、ヨドバシカメラやビックカメラ、ソフマップ、コジマで販売する。

R11s。左からレッド、シャンパーニュ(ゴールド)、ブラック
R11s

 2,000万画素+1,600万画素のデュアルリアカメラと、2,000万画素のインカメラを搭載。グループショット(複数人の人物撮影)や自分撮りなど、画像処理技術と組み合わせて人物撮影時の撮影機能を向上させた「カメラフォン」として訴求する。

R11sのデュアルカメラ
R11sのカメラの概要

 発表会には、Instagramフォロワー数10万人超の写真家・角田修一氏が登場し、カメラ機能の高さを説明。会場となった表参道ヒルズでは、すべてR11sで撮り下ろしたという多数の写真を展示する「スマートフォン写真展」が行なわれた。

R11sのカメラで撮り下ろした写真を展示した「角田修一 スマートフォン写真展」
R11sの概要
左側2人目から、OPPO Japan取締役の河野謙三氏、OPPO Japanの鄧 宇辰社長、写真家の角田修一氏

OPPO「R11s」

 R11sは、6.01型/2,160×1,080ドットの有機ELディスプレイを備え、OSにはAndroid 7.1ベースの「Color OS 3.0」を採用。インカメラを用いた顔認証や背面の指紋認証センサーによる端末ロック解除、独自の急速充電規格「VOOC」などに対応する。

 2,000万画素+1,600万画素のリアカメラを搭載。日中の明るいシーンでは1,600万画素側、周囲の明るさが50ルクス以下になった場合は2,000万画素のカメラに自動で切り替わる。暗いシーンでは、隣り合う4つの画素を1つの画素として扱い、受光面積を広げて明るく撮れるようにする技術も採用。「昼夜を問わず鮮明な写真を撮れる」とする。また、1080p動画撮影にも対応する。

 レンズはいずれもF1.7。レンズ自体のボケ味も生かしながら、独自の被写界深度表現アルゴリズムで前ボケと後ボケに変化を付け、「自然なボケ味」を実現する。

静止画の撮影モード

 2,000万画素のインカメラには「AIビューティー認識技術」を搭載。被写体の人物の特徴を254カ所の画像認識技術で解析し、性別や年齢、肌のテクスチャや色、表情などの様々なシーンを元に、最適な補正を加える。

 インカメラは、顔認証による端末ロック解除にも使われ、高速な顔認証技術によって0.08秒でロックを解除できるという。なお、ロック解除は背面の指紋センサーでも行なえる。

2,000万画素のインカメラ
顔認証による端末ロック解除に対応

 R11sで撮影した写真は、標準搭載の写真アプリから、無線LANとBluetoothを活用した「O-Share」機能で他のR11sに簡単にシェアしたり、Twitterなどへの投稿も可能。

R11sの写真アプリはiOSの「写真」によく似たインターフェイス・操作感
「O-Share」機能を呼び出したところ。写真はSNSなどにも投稿できる

 本体デザインにもこだわり、筐体の各部に曲面デザインを採用。上部と下部にはラウンド形状にへこませた「クレッセントアークデザイン」を採用して、R11sを手にしたときのなじみを良くしている。

上下に「クレッセントアークデザイン」を採用
下部の端子。イヤフォンジャックも搭載している
薄く持ちやすい本体デザイン

 内蔵バッテリは容量3,205mAhのリチウムポリマーバッテリで、独自の急速充電規格「VOOC」をサポート。付属のACアダプタとmicroUSBケーブルを使い、5分間の充電で2時間の通話を可能にする。

 4GBメモリを搭載し、ストレージメモリは64GBで、最大256GBまでのmicroSDカードを利用できる。プロセッサはQualcomm「Snapdragon 660」(2.2GHz オクタコア)で、画像処理プロセッサ「Spectra 160 ISP」も備える。

設定アプリの画面

日本初参入のOPPOスマホ。5GやAIにも積極的に取り組む

 OPPOは中国の電機メーカーで、2009年のタイ進出を皮切りにアジア、ヨーロッパなど世界30カ国にグローバル展開。カメラ機能に注力したスマートフォンメーカーとして知られ、2012年には世界初「ビューティモード」搭載モデルを海外で発売。その後も、スマホ向けにイン/アウトの前後回転式カメラや、ソニーと共同開発した撮像センサー、光学5倍ズームレンズを開発している。スマートフォンの出荷台数に関するCounterpoint社の調査では、2017年第3四半期にアジア1位、グローバル4位につけている。

OPPO Japanの鄧 宇辰社長

 日本市場へのOPPOスマートフォン投入は今回が初だが、’13年にOPPOのAV部門・OPPO Digitalが日本で事業を開始。高級BDプレーヤー「BDP-105DJP」やUltra HD Blu-rayプレーヤー「UDP-205」を販売し、AV機器市場でシェアを拡大してきた。OPPO Digitalの代表取締役を務める河野謙三氏が、OPPO Japanの取締役を兼任する。

OPPO Japanの河野謙三氏

 河野氏は「OPPOというブランドに、準備期間を含めると7年間携わってきた。ここ数年でOPPO Digitalは、ハイエンドのBDプレーヤー市場でナンバー1の地位を確立するに至った。スマホを扱うOPPOとは全く別の会社だが、『常に最適な行動をし、理想を追求する』ということは、企業理念が同じ。顧客の真のニーズに応える、高品質な製品を提供し続ける、これがOPPOブランドが実行する行動であり、信念。まだ若い会社だが、めざましい成長を日々続けている」と話した。

 スマートフォンについては、「OPPOは世界中の若いユーザーに選ばれるブランドになった。私たちは常に若い世代のニーズを研究している。リアルユーザーの声を吸い上げ、調査を行ない、それを製品に反映する仕組みを確立している」(河野氏)。その中で浮かび上がった、スマホ選びの3つの大事なポイントとしてカメラ、デザイン、バッテリを挙げ、これらを強化したモデルとしてR11sをアピールした。822の設計基準や153種類の品質テスト項目もクリアし、品質にシビアな日本市場にも応えるものを投入するという。

 さらに、OPPOがQualcommの「5G Pioneer Initiative」を通じて、5G対応スマートフォンメーカーとなれるよう同社と協力していることや、スタンフォード大学と共同でAI技術を開発するなど、技術革新に対しても積極的であることをアピール。国内にも研究開発拠点を設ける。

 発表会には、R11sのカメラテストに関わった写真家の角田修一氏も登場。R11sで撮影した写真は一眼レフと遜色ないクオリティに仕上がっているとして、野外やスタジオで撮影した女性モデルの写真や、自身のInstagramアカウントで人気というペットのハリネズミ・あずきの写真作品を披露した。

写真家の角田修一氏
モデル撮影時の様子
R11sで女性モデルをスタジオ撮影した作品
会場の外では一日限定の「スマートフォン写真展」が行なわれていた