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ハイフレームレート4Kライブ伝送を実現するHEVCコーデック。NTTが開発

 NTTは、120p/100pのハイフレームレート4K映像を「H.265(HEVC)」により圧縮・伝送する「リアルタイム4KハイフレームレートHEVCコーデック」を開発した。放送やスポーツのパブリックビューイングにおいて、更なる高臨場な伝送を実現するほか、VRや監視などハイフレームレート映像活用が期待される分野でアプリケーション創出を目指すという。

ハイフレームレートによるモーションブラー低減の効果(左:ハイフレームレート映像、右:標準映像)

 同コーデックは、1Uサイズの4KハイフレームレートHEVCエンコーダと4KハイフレームレートHEVCデコーダで構成。エンコーダは後方互換性を保てるテンポラルスケーラブル符号化方式に対応し、ハイフレームレート対応受信機ではハイフレームレート映像として、非対応受信機においては標準フレームレート映像として復号できる。

 HEVCリアルタイムエンコーダチップ「NARA」を2チップ連携動作させ、チップ間で相互データ転送を行なうことで、映像品質を保ちながら高速処理を実現。4K標準フレームレート映像をベースレイヤ、ハイフレームレート映像用の差分データを構成するエンハンスメントレイヤに分けて符号化することで、非対応機器での互換性を確保する。

 また、MMTプロトコルによる階層別配信機能により、異なる伝送路でベースレイヤとエンハンスメントレイヤを伝送しても、対応受信機ではハイフレームレート映像を再生が可能になる。

 今後は、NTTコミュニケーションズの映像ネットサービスによる映像素材伝送の4Kハイフレームレート対応など、様々なUHDサービスの実現に貢献。4月9日よりラスベガスで開催される放送機器関連展示会「NAB Show 2018」でも、8Kハイフレームレート映像のリアルタイム伝送デモを、同コーデックの4台並列動作により実施する。