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ライトセーバーの鮮烈な光を、HDRのDolby Visionで体験。「SW/最後のジェダイ」UHD BDを視聴

 映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の4K Ultra HD Blu-rayが、4月25日に発売される。人気シリーズの最新作として、内容の注目度も高いが、UHD BD版はDolby VisionのHDR映像で収録されているのもAVファンにとっては見逃せないポイント。その効果を、発売前にDolby Japanの試聴室で体験した。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ 4K UHD MovieNEX
(C)2018 & TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 「スター・ウォーズ」シリーズ最新作にして、「フォースの覚醒」に続く、新たなる3部作の第2作目。パッケージソフトは以下の3種類が発売される。

  • 4K UHD MovieNEX(品番:VWES6641) 8,000円
  • 4K UHD MovieNEX プレミアムBOX(品番:VWES6642) 15,000円
  • MovieNEX(初回版)(品番:VWES6640) 4,200円

 UHD MovieNEXに同梱するディスクは、UHD BD、3D BD、2D BD、ボーナス・ディスク。さらに、「UHD MovieNEX プレミアムBOX」も数量限定で販売。ディスク内容はUHD MovieNEXと同じだが、特典として、レイとカイロ・レンが表裏で対峙するスチールブックケースが付属する。

 さらに、フィギュアの「S.H.Figuarts」シリーズから「BB-8」も付属。手のひらサイズながらズッシリ重いメタコレ「ロゴコレクション」シリーズから、「レッド限定カラー」を同梱。「最後のジェダイ」ならではの赤ロゴ仕様で、どちらも単品では市販されていない。登場するスターたちが凛々しく構えるアートカード(7枚)も付属するなど、コレクターズアイテムとしても注目のBOXだ。

BOXの展開図
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Dolby Visionの特徴

 UHD BD版の本編ディスクは、映像をHDRのDolby Visionで、音声はDolby Atmosで収めている。

 ブラウン管テレビがメインだったSDR時代は、最大輝度100nitsがメインだったが、HDRではさらなる明るさを表現できる。映像のダイナミックレンジを高め、コントラストや色表現を改善するDolby Visionでは、明るさ10,000nitsを規定。暗さ0.005nits~明るさ10,000nitsまでと、輝度幅は大幅に拡大されている。これにより、まばゆい光の表現や、強く光が当たった場所と、影になった部分の描写が同居するようなシーンなどで、より現実世界に近い表現が可能になる。

 また、HDRとしてUHD BDで多く採用されている「HDR10」と比べた際の利点として、Dolby Visionでは、広大なダイナミックレンジ内のデータ量を、現実的なサイズに収めるために、PQカーブ(Perceptual Quantizer Curve)という、人間の視覚特性に沿ったガンマカーブを開発。このPQカーブを用いてハイダイナミックレンジ映像を変換することで、12bit内に収め、よりより豊かな階調や色彩の表現を可能にしている。

 さらに、メタデータを活用し、シーンに合わせて輝度を動的に設定できるのもDolby Visionの特徴だ。例えば、HDR10では、タイトルごとに「最大輝度1,000nit」等の静的なメタデータを持ち、そこからシーン毎の輝度を相対値で決めていく。

 一方、Dolby Visionでは、シーン毎に輝度情報などのメタデータを持ち、より細かな制御を行なう場合にはフレームごとでもメタデータを持てる。そのデータをLEDバックライト制御などに活かす事で、シーン毎に、正確かつ効率的にダイナミックレンジを高められるという。

実際にDolby Visionで視聴

 前作「フォースの覚醒」でついに登場した伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカー。彼の出現は銀河に何をもたらすのか? 眠っていたフォースが覚醒したレイは彼のもとで修行を重ね、やがてダース・ベイダーを継ごうとするカイロ・レンとの決戦に挑んでいく。二人が“光”と“闇”のせめぎ合いの中で揺れ動き、互いに苦悩する物語だ。

 Dolby Vision対応の機材として、LGの55型有機ELテレビ「OLED55E6P」、同じくLGのUHD BDプレーヤー「UP970」を使用。「OLED55E6P」は「ムービーダーク」モードで視聴した。

テレビはLGの55型有機EL「OLED55E6P」を使用
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LGのUHD BDプレーヤー「UP970」

 スターウォーズと言えば、なんといっても「a long time ago in a galaxy far far away」(昔々、はるか彼方の銀河で)から始まるオープニングだ。星空に吸い込まれるように、黄色い説明文が奥へとスクロールしていく。

 Dolby Visionの効果は、いきなりこのシーンでわかる。HDR映像ではない、普通のBD版も高画質なのだが、UHD BDのDolby Vision映像は、星の無い闇の部分がより深く、映像が締まって見えると共に、星空の奥行きの深さがより強く感じられる。そこに散りばめられた無数の星々の明るさも、Dolby Visionの方が鋭い。さらに、暗めの星も含めて“見える星の数”が、Dolby Visionの方が多い。まるで都会で見上げた夜空と、田舎で見上げた夜空の違いのようだ。

左がBDを再生したもの、右がDolby VisionのHDR
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 オープニング後、そのまま宇宙空間で、ファースト・オーダー軍のドレッドノートと、レジスタンス軍の激しいバトルが展開する。飛び交うレーザーの光。Dolby VisionのUHD BDでは、深い漆黒の闇をバックに、鮮烈なレーザーの光や、爆発の炎などが展開するため、宇宙空間の広さと、そこに浮かぶ宇宙船の立体感が強く感じられる。

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 宇宙空間では、宇宙船に強い光が当たった部分があると同時に、暗い影もある。Dolby Visionの映像では、影の中にある船体の細かな凹凸も潰れずに描写されているため、宇宙船自体の立体感というか、“そこに巨大な物体がある”というリアリティが強く感じられる。

 また、ファースト・オーダー軍のパイロットは、黒いヘルメットを着用しているが、その光沢あるヘルメットに、計器類のライトなどが映り込み、きらめく感じも、Dolby Vision映像でリアルに表現される。反射する光の鋭さ、ヌメッとした質感の表現は、HDR映像ならではの魅力と言えるだろう。

 爆発時の炎も、Dolby Visionでは一味違う。強い爆発を表現するため、明るくした場合でも、白飛びせず、色がしっかりと残っている。つまり“明るい中の、色彩の表現”に優れており、SDRでは白っぽくなってしまう炎も、まばゆさの中に、しっかりと赤の色味が存在する。

 これは、夕日をバックにルーク・スカイウォーカーとレイが語るようなシーンでも実感できる。目を細めたくなるような強い夕日の中にも、しっかりと太陽の輪郭や色味が感じられる。それでいて、逆光の中で会話している2人の表情も潰れずに見える。

 フィンが、競走馬のような生き物・ファジアーに乗って、追手から逃げるシーン。明るい建物内と、暗い路地裏を、交互に駆け抜けるようなシーンだが、いずれのシーンも、明るすぎて色味が飛んだり、暗すぎて影が潰れたりする事がなく、強い光と影を描写しながら、その両方の情報がしっかりと描写されている。シーンに合わせて輝度を動的に設定できるDolby Visionの強みが感じられる場面だ。

 物語も後半になると、作品を代表する武器である“ライトセーバー”の出番も増加する。これがある意味、とても“HDR映え”する武器だ。もともと、ブォンブォンという効果音と共に“光の軌跡”にインパクトのある武器だが、その光の鋭さも、Dolby Visionではよくわかる。製作者の意図に沿った明るさで描写しているという意味では、“ライトセーバーの本当の姿”を体験できるソフトと言っていいかもしれない。

左がBDを再生したもの、右がDolby VisionのHDR
(C)2018 & TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 終盤では、塩原でバトルが展開。まるで雪山のように、一面が真っ白の世界だが、その、白い光に満ちた世界の中でも、細かな地表の凹凸がしっかりと描き分けられている。そこに掘り起こされて現れる、赤い鉱物。白と赤の鮮烈な描写も、見どころの1つだ。

(C)2018 & TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
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 オブジェクトオーディオであるDolby Atmosで描写される、立体的なサラウンドも、Dolby Visionの立体的な描写と良くマッチする。デノンのAVアンプ「AVC-X8500H」を使って聴くと、戦闘シーンで移動する音像の明瞭さや、移動の軌跡のスムーズさなどに、Atmosの利点が良く感じられる。

デノンのAVアンプ「AVC-X8500H」

 それと同時に、スター・ウォーズらしい重厚なBGMにも注目。従来の映画は、スクリーンをメインに、BGMも“前方から広がるもの”として再生される作品が多かったが、オブジェクトオーディオの登場で、製作者が意図に沿ったサウンドデザインがよりハイレベルに実現できるようになった事で、「BGMはスクリーンからというこれまでの考え方にとらわれず、観客を包み込むように再生するような作品も増えてきた。“最後のジェダイ”もそうした作品」(Dolby Japan)という。

 スター・ウォーズは、広大な宇宙を舞台に、光と闇がせめぎ合う物語だが、試聴を通して、この作品が映像面でも光と闇が鮮烈に描写されており、HDRと非常に親和性が高い作品でもあると気付かされた。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ 4K UHD MovieNEX
4月18日(水)先行デジタル配信開始
4月25日(水)発売
MovieNEX(4,200円+税)
4K UHD MovieNEX(8,000円+税)
4K UHD MovieNEX プレミアムBOX(数量限定)(15,000円+税)
(C) 2018 & TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

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